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スチビニン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スチビニン
識別情報
CAS登録番号 289-75-8
PubChem 136137
ChemSpider 119914
特性
化学式 C5H5Sb
モル質量 186.85 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

スチビニン(Stibinin)またはスチバベンゼン(Stibabenzene)[1]は、化学式C5H5Sbの有機化合物である。ベンゼンの誘導体で、炭素原子1つがアンチモン原子に置き換わっている。有機アンチモン化合物の1つである。

合成

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スチビニンの合成は、3段階で行うことができる。最終生成物は、かなり不安定だが単離できる。最初の段階は、ペンタ-1,4-ジインジブチルスタナンで処理し、下記のような反応を起こす[2]

第2段階では、第1段階の生成物である1,1-ジブチル-1,4-ジヒドロスタニン三塩化アンチモンで処理し、1-クロロ-1-スチバシクロヘキサ-2,5-ジエンを生成する[1]

最終段階では、1-クロロ-1-スチバシクロヘキサ-2,5-ジエンを[[1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン]](DBN)等の塩基で処理し、スチビニンを得る。

類似の化合物

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ベンゼンの1つの炭素原子を15族元素で置き換えた誘導体も、スチビニンの合成と似た合成経路で合成することが可能である。1,1-ジブチル-1,4-ジヒドロスタニンと三塩化ヒ素三臭化リン三塩化ビスマスの反応で、各々アルサベンゼンホスファベンゼン1-クロロ-1-ビスマシクロヘキサ-2,5-ジエンが生成する。1-クロロ-1-ビスマシクロヘキサ-2,5-ジエンをDBN等の塩基で処理すると、ビスマベンゼンが得られる[3]

1,1-ジブチル-1,4-ジヒドロスタニンからアルサベンゼン、ホスファベンゼン、ビスマベンゼン、スチバベンゼンの合成経路

出典

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  1. ^ a b Ashe, Arthur J. (December 1971). “Stibabenzene” (英語). Journal of the American Chemical Society 93 (24): 6690-6691. doi:10.1021/ja00753a069. ISSN 0002-7863. 
  2. ^ Ashe, Arthur J.; Fang, Xiangdong; Fang, Xinggao; Kampf, Jeff W. (December 2001). “Synthesis of 1,2-Dihydro-1,2-azaborines and Their Conversion to Tricarbonyl Chromium and Molybdenum Complexes” (英語). Organometallics 20 (25): 5413-5418. doi:10.1021/om0106635. ISSN 0276-7333. 
  3. ^ Ashe, Arthur J. (February 2016). “The Route to Phosphabenzene and Beyond” (英語). European Journal of Inorganic Chemistry 2016 (5): 572-574. doi:10.1002/ejic.201600007. ISSN 1434-1948.