トン・ワイ
トン・ワイ 董 瑋 | |
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別名義 |
スティーブン・トン・ワイ スティーブン・トン スティーヴン・トン |
生年月日 | 1958年2月6日(66歳) |
出生地 | 中国・上海 |
国籍 | 中国 · 香港 |
活動期間 | 1965年 - |
活動内容 | 俳優、監督、武術指導、アクション監督 |
主な作品 | |
『男たちの挽歌』 |
トン・ワイ 董 瑋 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 董瑋 |
簡体字: | 董玮 |
拼音: |
dung② wai④(粤拼) dŏng wĕi (拼音) |
英語名: |
Stephen Tung Wai Stephen Tung Tung Wei |
トン・ワイ(董瑋、スティーブン・トン・ワイ、スティーブン・トン、Stephen Tung Wai、Tung Wei、1958年2月6日 - )は、香港出身の俳優、映画監督、武術指導、アクション監督。本名、董雲瑋[1]。
人物・経歴
[編集]中国上海に生まれる。4歳の時に香港に移住[1]。 京劇女優、映画女優として著名な粉菊花の主宰する京劇学校「春秋戯劇学校」[2] に8歳で入門。そこで北派の武術と京劇を学ぶ。同門にはラム・チェンイン(林正英)やチョン・ファ(鐘發)、ジョン・ローン、マン・ホイ(孟海)、シャオ・ホウ(小侯)、ロー・ガーイン(羅家英)、オースティン・ワイ(恵天賜)らがいた[3]。
すでに入門時から子役として映画に出演。16歳でスタントマンとして活動を始めた。1973年公開ブルース・リー主演の『燃えよドラゴン』において「Don’t think. FEEL!(考えるな、感じろ)」と頭をはたかれていたのは少年トン・ワイである[3]。その後もキン・フー(胡金銓)監督の『忠烈図』など多くの映画に出演。
1970年代末からは俳優の他に武術指導としても活動、台湾に渡ってディン・ジョン(丁重)監督作での主演をつとめる。一方、ジョー・チョン(張同祖)の初監督作品を手伝ったことをきっかけに、サモ・ハン・キンポーと共演した『プロジェクトD』(燃えよデブゴン9)をはじめとするジョー・チョン監督作品に多く出演するようになり、その後も長きにわたり監督と武術指導として組むことに繋がった[4]。
79年には香港に戻り、香港のテレビ局TVBと契約。テレビドラマを中心に活動するとともに映画『霊幻百鬼 人嚇鬼』に出演するなどした。1986年にはジョン・ウー監督の『男たちの挽歌』に武術指導として参加。この頃より徐々に軸足を武術指導へと移すことになってゆく。 その後も、『チャイニーズ・ウォリアーズ』『マカオ極道ブルース』、ウォン・カーウァイ監督の『いますぐ抱きしめたい』などの武術指導を担当。
1989年には『新・霊幻道士 風水捜査篇』で監督デビューを果たし、90年代に入ると『欲望の翼』『キリング・アンド・ロマンス 狂気の愛』(殺人者の童話)、ツイ・ハーク監督の『ブレード/刀』、レスリー・チャン、アンディ・ラウ共演の『上海グランド』といったヒット作に携わり、1997年のテディ・チャン監督『ダウンタウン・シャドー』でアクション監督として第17回香港電影金像奨の最優秀動作設計を初受賞した。
組む監督にもよるが、トン・ワイ自身は常にアクションに意味を持たせたいと考えており「人を殴る場面なら、殴る行為の中にその事情を盛り込む。何故彼は人を殴らねばならないか、その心情を強調するんだ」と語っている[4]。 彼の推薦により「香港動作特技演員公會(香港スタントマン協会)」唯一の日本人会員となった[5] 日本のアクション監督谷垣健治によると、トン・ワイは京劇出身者には珍しく宙返りが嫌いで、格好いいだろうとクルクル回ったりすると「何故そこで回るのか、意味なく回らないで」とNGを出すことが多々あったといい[6]、 ワイヤーアクションにおいても、初動の吊られ感を軽減するためワイヤーと引き手との間にゴムを挟む工夫を取り入れた。ゴムによって遊びができ引くのが先であっても演者が主体的に動け自然な動きに見えるという。以来これは現在のワイヤーワークの基本仕様となった[6]。
1999年公開の『パープルストーム 紫雨風暴』では2度目の金像奨と金馬奨にて動作設計賞をダブル受賞。その後も『アクシデンタル・スパイ』『ヘブン・アンド・アース 天地英雄』『ヒロイック・デュオ 英雄捜査線』『セブンソード』『墨攻』『ビースト・ストーカー/証人』『孫文の義士団』『レイン・オブ・アサシン』など数々の大作を手掛け、2017年には自身6度目にあたる金像奨の最優秀動作設計をダンテ・ラム監督の『オペレーション・メコン』で単独受賞し、今や中華圏を代表するアクション監督の1人である。
主な作品
[編集]監督作品
[編集]- 1989年
- 1990年
錯體追擊組合/獵狐
- 1998年
- 2001年
地上最強 EXTREME CHALLENGE
武術指導、アクション監督担当作品
[編集]- 1977年
紅衣冷血金面人
- 1978年
十八羅漢拳
- 1979年
鐵首無情追魂令
神腿
- 1980年
搏紮
- 1986年
雙龍吐珠
男たちの挽歌 英雄本色
- 1987年
チャイニーズ・ウォリアーズ 中華戰士
霊幻道士3 キョンシーの七不思議 靈幻先生
マカオ極道ブルース 江湖龍虎門
- 1988年
いますぐ抱きしめたい 旺角卡門
- 1989年
ワニハンター 專釣大鱷
霊幻道士5 ベビーキョンシー対空飛ぶドラキュラ! 一眉道人
- 1990年
欲望の翼 阿飛正傳
アンディ・ラウ/武闘派列伝 再戰江湖
- 1991年
蒼き獣(おおかみ)たち 五虎將之決裂
暗黒英雄伝 衝擊天子門生
- 1992年
神槍手與咖喱雞
ツイン・ドラゴン 雙龍會
- 1993年
アンディ・ラウのスター伝説 天長地久
- 1994年
キリング・アンド・ロマンス 狂気の愛 殺手的童話
- 1995年
ブレード/刀 刀
- 1996年
ビビアン・スーのロマンシング・ドラゴン 龍在少林
上海グランド 新上海灘
- 1997年
kitchen キッチン 我愛廚房
ダウンタウン・シャドー 神偷諜影
- 1998年
ヒットマン 殺手之王
ヴァーチャル・シャドー 幻影特攻 幻影特攻
玻璃の城 玻璃之城
- 1999年
パープルストーム 紫雨風暴 紫雨風暴
- 2001年
アクシデンタル・スパイ 特務迷城
- 2002年
プリンセスD 想飛
- 2003年
ヘブン・アンド・アース 天地英雄 天地英雄
風雲!格闘王 安娜與武林
ヒロイック・デュオ 英雄捜査線 雙雄
- 2004年
- 2005年
セブンソード 七劍
ウィンター・ソング 如果愛
PROMISE 無極
- 2006年
- 2007年
詠春 The Legend of WING CHUN 詠春(TVドラマ)
- 2008年
花花型警
画皮 あやかしの恋 畫皮
ビースト・ストーカー/証人 証人
- 2009年
- 2010年
功夫詠春
レイン・オブ・アサシン 劍雨
- 2012年
妖魔伝 レザレクション 畫皮II
大魔術師"X"のダブル・トリック 大魔術師
- 2013年
楊家将〜烈士七兄弟の伝説〜 忠烈楊家將
- 2014年
カンフー・ジャングル 一個人的武林
白髪妖魔伝 白髮魔女傳之明月天國3D
- 2015年
三城記 三城記
- 2016年
喜樂長安
オペレーション・メコン 湄公河行動
- 2017年
明月幾時有
九龍不敗
出演作品
[編集]- 1977年
紅衣冷血金面人
人虎戀
血玉
快刀亂麻斬
- 1978年
戚繼光
十八羅漢拳
- 1979年
鐵首無情追魂令
清洪幫
神腿
十大弟子
プロジェクトD 醒目仔蠱惑招
- 1980年
搏紮
- 1981年
皇帝與太監
- 1984年
霊幻百鬼 人嚇鬼 人嚇鬼
- 1985年
水兒武士
- 1992年
ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌 辣手神探
神槍手與咖喱雞
- 1997年
女ともだち 自梳
- 1999年
わすれな草 半支煙
- 2001年
地上最強 EXTREME CHALLENGE
- 2006年
我要成名
- 2009年
スナイパー: 神鎗手
- 2021年
カンフースタントマン 龍虎武師 龍虎武師
主な受賞
[編集]- 第17回香港電影金像奨 (1998) 最佳動作設計:トン・ワイ『ダウンタウン・シャドー』
- 第36回金馬奨 (1999) 最佳動作指導:トン・ワイ『パープルストーム 紫雨風暴』
- 第19回香港電影金像奨 (2000) 最佳動作設計:トン・ワイ『パープルストーム 紫雨風暴』
- 第21回香港電影金像奨 (2002) 最佳動作設計:トンワイ、成家班『アクシデンタル・スパイ』
- 第42回金馬奨(2005) 最佳動作設計:ラウ・カーリョン、トン・ワイ、ホン・ヤンヤン『セブンソード』
- 第29回香港電影金像奨 (2010) 最佳動作設計:トン・ワイ、リー・タッチウ『孫文の義士団』
- 第34回香港電影金像奨 (2015) 最佳動作設計:ドニー・イェン、トン・ワイ、ユン・ブン、イム・ワー『カンフー・ジャングル』
- 第36回香港電影金像獎(2017)最佳動作設計 : トン・ワイ『オペレーション・メコン』
出典
[編集]- ^ a b “香港電影導演大全 董雲瑋”. hkfilmart.com. 2015年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月25日閲覧。
- ^ “宮粉紅與粉菊花”. 澳門日報. 2015年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月18日閲覧。
- ^ a b “八大功夫之粉家班——桃李香江『下』”. yule.sohu.com. 2015年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年4月8日閲覧。
- ^ a b 浦川とめ、1999年、「キネマ旬報ムック 香港アクション風雲録」、『董瑋 トン・ワイ』(ISBN 4873765196)、キネマ旬報 p. 58‐77
- ^ 谷垣健治 (1998). 燃えよ!!スタントマン. 小学館. pp. 29-32. ISBN 9784093851039
- ^ a b 「HERO ヒーロー写真集」、『「HERO」アクション解析/谷垣健治』(2003年)、ソニー・マガジンズ pp. 103-106
- ^ 日本で発売されたジェット・リー主演のこの映画ソフトの表記では監督の名を「チュン・ウェイ」としているが、本作の監督はトン・ワイである[1]