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ステッペンウルフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ステッペンウルフ
ステッペンウルフ(1970年)
基本情報
別名 ジョン・ケイ・アンド・ステッペンウルフ
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス[1][2][注釈 1]
ジャンル
活動期間
  • 1967年 - 1971年
  • 1974年 - 1976年
  • 1981年 - 2018年
レーベル
公式サイト steppenwolf.com
旧メンバー 後述を参照
ステッペンウルフ(1970年)
ケイ・アンド・ステッペンウルフ(2007年)

ステッペンウルフSteppenwolf)は、1967年に結成されたロックバンド。「ワイルドでいこう!(ボーン・トゥ・ビー・ワイルド)」や「マジック・カーペット・ライド」、「モンスター/スーサイド/アメリカ」、「レネゲイド」、「ザ・プッシャー」などが代表作。バンド名は、ヘルマン・ヘッセの小説『荒野のおおかみ』(Der Steppenwolf)から名付けられた。彼らは1960年代に熱狂的なファンの支持を得て、現在までに全世界で2,500万枚以上のアルバムの売り上げを記録している[7]

歴史

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ステッペンウルフは、元々トロントのブルース・バンド「ザ・スパロウズ」として活動していた。このバンドは1964年に結成され、トロントのヨークヴィル地区にあるコーヒー・ハウスで演奏していた。1967年に彼らはサンフランシスコに移住し、ブルースロックサイケデリアおよびフォークミュージックが混合されたエネルギッシュな音楽を演奏した。ロサンゼルスダンヒル・レコードのプロデューサーであったガブリエル・メイラーは彼らに、より強烈なビートのバンドの編成を提案し、ヘルマン・ヘッセの1927年の小説名からとって、彼らをステッペンウルフと名付けた[2]

デビュー・アルバム『ワイルドでいこう! ステッペンウルフ・ファースト・アルバム』のレコーディング中に、ベーシストがラシュトン・モーヴからジョン・ラッセル・モーガンへ交代している。ステッペンウルフは、デビュー・アルバムからシングルカットされた3枚目のシングル「ワイルドでいこう!」と、ホイト・アクストンの楽曲のカバーである「ザ・プッシャー」の2曲が映画『イージー・ライダー』の作中で用いられたことにより、世界規模の知名度を得た。「ワイルドでいこう!」は、ジェリー・エドモントンの兄で、ザ・スパロウズ時代およびステッペンウルフ時代初期のリードギタリストであったデニス・エドモントンによって制作された。デニスはソロ活動を行うためにステッペンウルフを脱退し、マーズ・ボンファイヤーMars Bonfire)名義で活動した。「ワイルドでいこう!」はチャート2位を記録した。この曲は、ロックの歌詞に「ヘヴィメタル」という言葉を織り込んでいる(実際には、この言葉は音楽のジャンルではなくバイクを表している)。

この曲に続いていくつかのヒットソングが発表された。例を挙げると、セカンド・アルバム『ザ・セカンド』収録の「マジック・カーペット・ライド」(チャート3位)、サード・アルバム『ステッペンウルフとバースデイ・パーティー』収録の「ロック・ミー」(Rock Me、チャート10位)などである。2枚組アルバム『ライヴ』について、ジョン・ケイは自叙伝『Magic Carpet Ride』で個人的にこのアルバムが嫌いであると述べている。

保守派のニクソンが大統領だった時代のアメリカを批判するアルバム『モンスター』と、『ステッペンウルフ・7』の2作品は、バンドの最も政治色の強いアルバムである。

ステッペンウルフは1971年、同じく政治的コンセプトのアルバム『フォー・レディズ・オンリー』のリリース後、1972年のバレンタインデーに突然活動休止を発表。ケイはソロ活動に移行する。1974年にはステッペンウルフが再結成されてアルバム『スロー・スラックス』をリリース、収録曲「ストレート・シューティン・ウーマン」(Straight Shooting Woman)が小規模なヒットを記録した後、1976年に再度解散。1977年から1980年にかけてはツアーのための再結成が行われ、かつてのメンバーであるニック・セント・ニコラス、ゴルディ・マックジョン、ケント・ヘンリー、ラシュトン・モーヴなどを起用したさまざまな形態で活動を行ったが、ケイ本人は参加しなかった。フィル・スペクターのプロデュースにより新しいスタジオ・アルバムが1978年に企画されたが、断念された。別のアルバム『The Night Of The Wolf』は1979年に録音が行われたものの、リリースされなかった。さらに3番目のアルバムが1980年に録音されたが、法的手段によって中止させられた。ケイの自叙伝によると、新たなステッペンウルフは結局、元のバンドの殻に過ぎないと分かり、バンドの評判が低下してしまう原因となった。数件の訴訟が起こされ、バンドの名を守るためにジョン・ケイは1980年代初頭に新たな形態のステッペンウルフを結成し、ジョン・ケイ・アンド・ステッペンウルフ名義でツアー活動を行うようになった。2001年にはソロ・アルバムもリリースしている。

2019年11月22日、ジョン・ケイはバンドの2018年10月14日のライブが最後の公演であると発表した[8]

メンバー

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創設メンバー

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画像 名前 担当楽器 在籍期間
John Kay.JPG
ジョン・ケイ英語版
John Kay
リード・ボーカル
リズムギター
ハーモニカ
1967年 - 1972年
1974年 - 1976年
1980年 - 2018年
Michael Monarch.jpg
マイケル・モナーク英語版
Michael Monarch
リードギター
バッキング・ボーカル
1967年 - 1969年
ラシュトン・モリーブ英語版
Rushton Moreve
ベース
バッキング・ボーカル
1967年 - 1968年
(※1981年没)
Steppenwolf (1971).png
ジェリー・エドモントン英語版
Jerry Edmonton
ドラムス
パーカッション
バッキング・ボーカル
1967年 - 1972年
1974年 - 1976年
(※1993年没)
ゴルディ・マックジョン英語版
Goldy McJohn
鍵盤楽器
バッキング・ボーカル
1967年 - 1972年
1974年
(※2017年没)

最終メンバー

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画像 名前 担当楽器 在籍期間
John Kay.JPG
ジョン・ケイ
John Kay
リード・ボーカル
リズムギター
ハーモニカ
1967年 - 1972年
1974年 - 1976年
1980年 - 2018年
マイケル・ウィルク英語版
Michael Wilk
鍵盤楽器
プログラミング
ピアノ
バッキング・ボーカル
1981年 - 2007年
2011年 - 2018年
ゲイリー・リンク
Gary Link
ベース
バッキング・ボーカル
1982年 - 1985年
2009年 - 2018年
ロン・ハースト
Ron Hurst
ドラムス
バッキング・ボーカル
1984年 - 2018年
ダニー・ジョンソン
Danny Johnson
リードギター
バッキング・ボーカル
マンドリン
1996年 - 2018年

ディスコグラフィ

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スタジオ・アルバム

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  • 『ワイルドでいこう! ステッペンウルフ・ファースト・アルバム』 - Steppenwolf (1968年、Dunhill)
  • 『ザ・セカンド』 - The Second (1968年、Dunhill)
  • 『ステッペンウルフとバースデイ・パーティー』 - At Your Birthday Party (1969年、Dunhill)
  • 『モンスター』 - Monster (1969年、Dunhill)
  • 『ステッペンウルフ・7』 - Steppenwolf 7 (1970年、Dunhill)
  • 『フォー・レディズ・オンリー』 - For Ladies Only (1971年、Dunhill)
  • 『スロー・スラックス』 - Slow Flux (1974年、Mums)
  • 『蒼い狼煙』 - Hour of the Wolf (1975年、Epic)
  • Skullduggery (1976年、Epic)
  • Wolftracks (1982年、Attic) ※ジョン・ケイ・アンド・ステッペンウルフ名義
  • Paradox (1984年、Attic) ※ジョン・ケイ・アンド・ステッペンウルフ名義
  • Rock & Roll Rebels (1987年、Qwil) ※ジョン・ケイ・アンド・ステッペンウルフ名義
  • 『ライズ&シャイン』 - Rise & Shine (1990年、IRS) ※ジョン・ケイ・アンド・ステッペンウルフ名義

ライブ・アルバム

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  • 『アーリー・ステッペンウルフ』 - Early Steppenwolf (1969年、Dunhill)
  • 『ライヴ』 - Steppenwolf Live (1970年、Dunhill)
  • Live in London (1981年、Mercury)
  • 『ライヴ・アット25』 - Live at 25 (1995年、K-tel)
  • Live in Louisville (2004年、Rainman)

コンピレーション・アルバム

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  • 『ステッペンウルフ・ゴールド』 - Gold: Their Great Hits (1971年、Dunhill)
  • 『レスト・イン・ピース』 - Rest in Peace (1972年、Dunhill)
  • 『ステッペンウルフ・ベスト16』 - 16 Greatest Hits (1973年、Dunhill)
  • Sixteen Great Performances (1975年、ABC)
  • The ABC Collection (1976年、ABC)
  • The Best of Steppenwolf: Reborn to be Wild (1976年、Epic)
  • 『ワイルドで行こう〜ステッペンウルフ・ヒストリー』 - Born to Be Wild - A Retrospective (1991年、MCA)
  • 『グレイテスト・ヒッツ〜ワイルドで行こう』 - The Greatest Hits - Born To Be Wild (1993年、MCA)
  • Feed the Fire (1996年、Winter Harvest)
  • 『ロック・マスターピース・コレクション ステッペンウルフ・ベスト』 - Rock Masterpiece Collection (1997年、MCA)
  • Silver (1997年、Phantom Sound & Vision)
  • All Time Greatest Hits (1999年、MCA)
  • 20th Century Masters – The Millennium Collection: The Best of Steppenwolf (1999年、Universal)
  • 『ワイルドで行こう〜ベスト・オブ・ステッペンウルフ』 - Steppenwolf (2001年、MCA)
  • 『ザ・ベスト1200 ステッペンウルフ』 - The Collection (2003年、Spectrum Music)
  • 『ステッペンウルフ・ゴールド』 - Steppenwolf Gold (2005年、Geffen)
  • 『ABC / DUNHILL シングル・コレクション』 - The ABC/Dunhill Singles Collection (2015年、Real Gone Music)

脚注

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注釈

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  1. ^ 前身バンドのザ・スパロウズ[3]は、カナダオンタリオ州で結成[4]

出典

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  1. ^ a b c d e Deming, Mark. Steppenwolf Biography, Songs, & Albums - オールミュージック. 2022年5月25日閲覧。
  2. ^ a b BAND BIOGRAPHY”. Steppenwolf.com. 2022年5月25日閲覧。
  3. ^ Strong, Martin C. (2000). The Great Rock Discography (5th ed.). Edinburgh: Mojo Books. pp. 932-934. ISBN 1-84195-017-3 
  4. ^ Unterberger, Richie. “The Sparrow Biography, Songs, & Albums”. AllMusic. All Media Network. 2022年5月25日閲覧。
  5. ^ Bayles, Martha (January 1994). Hole in Our Soul: The Loss of Beauty and Meaning in American Popular Music. University of Chicago Press. p. 246. ISBN 978-0-226-03959-6. https://books.google.com/books?id=pmcaVNZNF-cC&pg=PA246 
  6. ^ M'Baye, Babacar; Hall, Alexander Charles Oliver (July 29, 2013). Crossing Traditions: American Popular Music in Local and Global Contexts. Scarecrow Press. p. 132. ISBN 978-0-8108-8828-9. https://books.google.com/books?id=VWcSAAAAQBAJ&pg=PA132 
  7. ^ Biography”. John Kay & Steppenwolf. 2015年10月27日閲覧。
  8. ^ The End of an Era & A New Beginning”. Steppenwolf.com (2019年11月22日). 2019年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月25日閲覧。