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スマート・ロードスター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

スマート・ロードスター (GH-452)は、スマートが製造・販売をしていたスポーツカー

ロードスター
フロント
リア
概要
販売期間 2003–2006年
ボディ
乗車定員 2名
ボディタイプ 2ドアコンバーチブル
2ドアクーペ
駆動方式 RR
パワートレイン
エンジン 0.6/0.7L I3
変速機 6セミAT
車両寸法
ホイールベース 2,360mm
全長 3,425mm
全幅 1,615mm
全高 1,190mm
車両重量 790–852kg
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概要

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スマートコンセプト(コンパクトな寸法、運転の楽しさと革新的なコンセプト)を持つ車種として計画され、フォーツーをベースにさらに個性的なオープンカーとして開発された。1950年代から60年代にかけての古典的なイギリスのオープンスポーツがモチーフとなっている。

1999年のフランクフルトショーで初公開。この時展示されたモデルは開発開始から僅か3か月で制作されたものだったが、既存のシティ・クーペをベースとしたため駆動系開発の必要がなく、既に走行が可能な状態であった。この展示車は好評を博し、スマートはすぐに製品化を決定。翌2000年のパリサロンでも展示され、2002年8月にベルリンで市販モデルが一般公開された。

2003年4月11日に発売。販売価格はロードスターが18,610ユーロ、ロードスタークーペが20,240ユーロであった。最高出力は60kw(82ps)だったが、2003年5月26日に45kw(62ps)の廉価グレードが14,990ユーロで発売された。全車ともフランス・ハンバッハのスマートヴィル工場で生産された。

その他、最高出力74kw(101ps)を発揮する上級グレードの「ブラバス」も設定され、価格がロードスターが24,950ユーロ、ロードスタークーペは26,570ユーロであった。

メカニズム

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バリエーション

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ロードスターとロードスタークーペの2種類のボディタイプが製造されたが、いずれも外寸は同じで、リアのトランク部分以外は共通品であった。ロードスターはノッチバック、ロードスタークーペにはガラスのリアハッチ(ガラスドーム)が与えられ、収納スペースが拡大されていた。ロードスタークーペのリアハッチのサイドウィンドウはポリカーボネート製となっており、トランクの容積はノッチバックのロードスターの86リットルに対し189リットルに増加。ソフトトップを格納した場合の容量はロードスターでは45リットル、ロードスタークーペでは104リットルに減少した。フロントフードの下にはどちらのバージョンにも59リットルのトランクスペースが確保されていた。リア形状の相違によりロードスターの重量は790 kg、ロードスタークーペの重量は810 kg(空車時の重量)となった。ロードスタークーペはリア形状の関係でcd値は0.38となっており、ロードスター(cd値0.41)と比較して優れた空気抵抗係数を持っていた。これにより最高速度も異なり、同じエンジン出力にかかわらず、ロードスタークーペは180km/h、ロードスター175km/h となった。

シャシはスマートブランドの他のモデルと同様に「トリディオンセーフティセル」を採用。セルの重量は192kgで超高張力鋼板(超ハイテン鋼)が用いられており、高い衝突安全性を確保している。

フェンダーとドア外板、フロントフードとテールゲート、およびその他のフロントとリアのエリアはFRPで構成されている。このFRPはポリアミド&ポリカーボネートのSMC成形で造られており、鋼板よりも大幅に軽量で、簡単に交換が可能である。

カラーバリエーションは、「ジャックブラック」「シャインイエロー」「スパイスレッド」「シャンパンリミックスメタリック」「スターブルーメタリック」「グランスグレイメタリック」の6色。セル本体はシルバーまたはブラックでのみ塗装されているため、色の異なるボディパネルを使用することで1台のうちに異なるボディカラーを取り入れることも可能である。

エンジン

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ターボチャージャーと空冷式インタークーラーを備えた698cc 直列3気筒エンジンを搭載。フォーツーのエンジンブロックをベースにしており、ユーロ4排出ガス基準をクリアしている。出力は45kw(61ps)、60kw(82ps)、74kw(101ps)の3つのバージョンが存在し、パフォーマンスの向上に合わせ一部異なったコンポーネンツ(ターボチャージャー、クラッチ、冷却装置等など)が装着されていた。

ロードスターには45kwまたは60kwのエンジンが搭載され、ロードスタークーペは60kwエンジンのみが選択できた。しかし、ロードスタークーペのプレシリーズモデル(25台のみの生産)には45kwエンジンが搭載された。スマートはロードスタークーペの廉価バージョンを市場投入する予定であったが、これは残念ながら生産中止となり実現はしなかった。前述のロードスタークーペのプレシリーズモデルは公式には販売されておらず、主にスマートの従業員によって購入された。

74kw(101ps)エンジンはブラバスグレードのロードスターおよびロードスタークーペ専用に設定され出力アップに対応するため水冷式のインタークーラー、専用のカムシャフト、ターボチャージャー等が装着されていた。