ソビエト (和歌山県)
ソビエト | |
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画像左側の植生のある島は沖ノ黒島。沖ノ黒島から画像右側(南方向)へ連なる岩群の最先端(最右)の白波を被る小さな岩がソビエト。2019年8月12日撮影。 | |
所在地 | 日本・和歌山県西牟婁郡すさみ町 |
所在海域 | 太平洋 |
座標 | 北緯33度30分31.3秒 東経135度33分7.6秒 / 北緯33.508694度 東経135.552111度座標: 北緯33度30分31.3秒 東経135度33分7.6秒 / 北緯33.508694度 東経135.552111度 |
プロジェクト 地形 |
ソビエトは、和歌山県西牟婁郡すさみ町にある無人島である。地元ではソビエットとも呼ばれる[1]。
概要
[編集]ソビエトは、本州最南端である潮岬の西方、すさみ町見老津沖に位置し、陸ノ黒島、沖ノ黒島の沖に連なる。大きさは10メートル×5メートル、高さ5メートル程度で一度に上陸できるのは数名であり、海岸を走る国道42号からは沖ノ黒島の陰に隠れて見ることはできない[2][3]。釣り人の間では、波が非常に荒いものの、釣果のよい釣り場として知られている[1][2]。
ソビエトは、日本の領海の基点となる島のひとつである。日本には領海の起点となる離島が約500あるが、その中には本島のように正式な名称がない無人島が多数含まれていた。日本政府は、2014年6月の離島の保全策を検討する政府の有識者懇談会の提言を受けて、同年8月1日にこのうちの本島を含む158の島の名称を決定し、内閣官房総合海洋政策本部のウェブサイトで公表した[4]。日本の領海を主張するために離島に公式に付した名称が他国の名称と偶然に一致したという話題性から[5]、命名直後から複数のマスメディアでこの島名が取り上げられた[注釈 1]。
島の名称は地元住民が使っている通称を採用したケースが多く、この島の名称である「ソビエト」も釣り人に古くから言い伝えられてきたものとされる[8]。なぜ「ソビエト」と呼ばれるのかその由来は明らかではないが[9]、地元では島や岩がそびえたつ様子から名付けられた[1]、陸から最も離れているため「ソトガワ」と呼ばれていたのが転訛した、といった説が確認される[10]。いずれにしてもソビエト社会主義共和国連邦と直接の関連を有する可能性は低いが[11][注釈 2]、ソ連は日本から遠かったので遠さを表すためにこの名称としたとする説もある。尚、すさみ町には見老津の東隣の江須崎沖にも「ソビエト」、「沖のソビエト」と呼ばれる島が存在する[1]。
脚注
[編集]注釈
出典
- ^ a b c d “なんで「ソビエト」? 無人島の名称が話題に すさみ町見老沖”. AGARA紀伊民報. (2014年8月20日). オリジナルの2014年8月20日時点におけるアーカイブ。 2014年8月20日閲覧。
- ^ a b 宋潤敏 (2017年1月3日). “和歌山に「ソビエト」? ロシアも驚く不思議スポット”. 朝日新聞デジタル. オリジナルの2017年1月3日時点におけるアーカイブ。 2017年3月16日閲覧。
- ^ “日本にソビエトという地名が誕生”. 地図の散歩道. 一般財団法人日本地図センター (2014年11月20日). 2017年3月16日閲覧。
- ^ 『領海の外縁を根拠付ける離島の地図及び海図に記載する名称の決定について』(プレスリリース)総合海洋政策本部、2014年8月1日 。2017年3月15日閲覧。
- ^ “和歌山の珍名離島「ソビエト」めぐり、謎はさらに深まる...”. Jタウンネット (2014年8月5日). 2017年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月16日閲覧。
- ^ “ビートたけしのTVタックル 2014年12月22日放送回”. 2017年3月16日閲覧。
- ^ “わびたび - イノブータン王国(すさみ町)”. 2017年3月16日閲覧。
- ^ “無人島命名で「ソビエト」「ヘソイシ」”. 沖縄タイムス. 2014年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月17日閲覧。
- ^ “ヘソイシ、ホーラク、茶釜、そしてソビエト…、謎を呼ぶ面白ネーム”. MSN産経ニュース. (2014年8月1日). オリジナルの2015年5月18日時点におけるアーカイブ。 2017年3月16日閲覧。
- ^ 近藤豊和 (2014年8月30日). “和歌山になぜ「ソビエト」が… 離島に名称 「そびえる」転じた? それとも“最果ての島”の意味?”. 産経WEST 2017年3月16日閲覧。
- ^ “日本には「ソビエト」という名前の「島」がある(動画)”. ハフィントン・ポスト. (2014年8月1日) 2017年3月16日閲覧。