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ソファ問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
数学上の未解決問題
L字型の通路をとおすことができる、ソファの面積の最大値は?
面積 π/2 + 2/π = 2.2074... の受話器の形をしたソファ。これは最大ではない。

ソファ問題(ソファもんだい)は数学の未解決問題のひとつ。1966年にレオ・モーザー英語版によって問題が提示された。この問題は「L字型の通路を通り抜けることができる、ソファの面積の最大値 A を求めよ」という離散幾何学数学パズルの問題である。これは、数学上の未解決問題となっている。

A の下界と上界

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下界

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通路の幅が1であるとき、半径1の半円はL字型の通路を通すことができるので、A下界の一つとして が容易に得られる。

ジョン・ハマーズレイ英語版はより優れたAの下界の一つを発見した。の長方形の両脇に半径1の四分円を接合させた図形から、直径 の半円をくりぬいた受話器型のソファで、 となる[1][2]

18の線からなるジャーバーのソファー

1992年にジョセフ・ジャーバー(Joseph Gerver)によって、18の線(3の直線と15の曲線)からなる図形により、さらに優れたAの下界の一つ 2.219531669... が示された[3][4]

上界

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一方、A上界については、ハマーズレイによる簡単な議論によって高々 であることが示されていた[5][6]

2017年6月にYoav KallusとDan Romikは新しい上界として、2.37を証明している[7]

両手利きのソファ

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Romikの両手利きのソファ

この問題の変種の一つとして、単位幅の通路の途中にある直角の右折と左折の両方を通過できるようなソファの面積の最大値を求める問題がある(つまり、途中にまず右折があり、その後十分な距離をおいて左折があるような一本道を考えている)。Dan Romikは18の曲線からなる図形によって、約1.64495521という下界を示した[8]

脚注

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  1. ^ Croft, Hallard T.; Falconer, Kenneth J.; Guy, Richard K. (1994). Hamos, Paul R.. ed. Unsolved Problems in Geometry. Problem Books in Mathematics; Unsolved Problems in Intuitive Mathematics. II. Springer-Verlag. ISBN 978-0-387-97506-1. http://www.springer.com/mathematics/geometry/book/978-0-387-97506-1 24 April 2013閲覧。 
  2. ^ Moving Sofa Constant by Steven Finch at MathSoft, includes a diagram of Gerver's sofa
  3. ^ Gerver, Joseph L. (1992). “On Moving a Sofa Around a Corner”. Geometriae Dedicata 42 (3): 267–283. doi:10.1007/BF02414066. ISSN 0046-5755. 
  4. ^ Weisstein, Eric W. "Moving sofa problem". mathworld.wolfram.com (英語).
  5. ^ Wagner, Neal R. (1976). “The Sofa Problem”. The American Mathematical Monthly 83 (3): 188–189. doi:10.2307/2977022. JSTOR 2977022. http://www.cs.utsa.edu/~wagner/pubs/corner/corner_final.pdf. 
  6. ^ Stewart, Ian (January 2004). Another Fine Math You've Got Me Into.... Mineola, N.Y.: Dover Publications. ISBN 0486431819. http://store.doverpublications.com/0486431819.html 24 April 2013閲覧。 
  7. ^ Kallus, Yoav; Romik, Dan (December 2018). “Improved upper bounds in the moving sofa problem”. Advances in Mathematics 340: 960–982. arXiv:1706.06630. doi:10.1016/j.aim.2018.10.022. ISSN 0001-8708. 
  8. ^ Romik, Dan (2017). “Differential equations and exact solutions in the moving sofa problem”. Experimental Mathematics 26 (2): 316–330. arXiv:1606.08111. doi:10.1080/10586458.2016.1270858. 

外部リンク

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