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タイラー・フラワーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タイラー・フラワーズ
Tyler Flowers
アトランタ・ブレーブスでの現役時代
(2016年6月17日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ジョージア州フルトン郡ロズウェル
生年月日 (1986-01-24) 1986年1月24日(38歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
245 lb =約111.1 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 2005年 MLBドラフト33巡目
初出場 2009年9月3日
最終出場 2020年9月27日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

コール・タイラー・フラワーズCole Tyler Flowers, 1986年1月24日 - )は、アメリカ合衆国ジョージア州フルトン郡ロズウェル出身の元プロ野球選手捕手)。右投右打。愛称はフローFlow[1]

経歴

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プロ入りとブレーブス傘下時代

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2005年MLBドラフト33巡目(全体1007位)でアトランタ・ブレーブスから指名され、プロ入り[2]

2006年アパラチアンリーグのルーキー級ダンビル・ブレーブス英語版で34試合でプレーした。一塁手として22試合、8試合に捕手として出場した。成績は打率.279、5本塁打、16打点、36安打を記録した。なお、この年は禁止薬物の使用が発覚し、50試合の出場停止処分を受けている[3]

2007年はA級ローム・ブレーブス英語版で106試合に出場し、一塁手か指名打者での出場だった。

2008年はA+級マートルビーチ・ペリカンズで捕手としてプレーした。

ホワイトソックス時代

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シカゴ・ホワイトソックスでの現役時代
(2011年8月10日)

2008年12月4日にブーン・ローガンハビアー・バスケスとのトレードで、ブレント・リリブリッジジョン・ギルモアサントス・ロドリゲスと共にシカゴ・ホワイトソックスへ移籍した[4]

2009年9月1日に傘下のAAA級シャーロット・ナイツからメジャー初昇格を果たした。9月3日のシカゴ・カブス戦で初出場、19日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦でメジャー初安打を記録した。その後は、第三の捕手として活躍した。

2010年は開幕をAAA級シャーロットで迎え、7月にA・J・ピアジンスキーラモン・カストロが二人とも故障者リスト入りしたためメジャーに昇格した。

2011年8月13日のロイヤルズ戦でルーク・ホッチェバーからメジャー初本塁打を記録した。同月28日にはシアトル・マリナーズ戦でジェイソン・バルガスからメジャー初満塁本塁打を記録した。最終的には38試合で5本塁打を放ったが、試合数と同数の三振を喫した。

2012年、前年よりも出場機会が増えたが、打撃成績はほぼ同水準だった。一方で守備面では、リーグ平均値を超える盗塁阻止率33%、守備防御点 +5という好成績を残した。

2013年からは、ピアジンスキーがテキサス・レンジャーズへ移籍したために正捕手となる。12月2日に95万ドルの1年契約で更改した[5]。この年、自身初の二桁本塁打を放つが、打率は3年ぶりに.200未満に終わり、ミート力は向上しないままだった。

2014年、引き続きホワイトソックスの正捕手としてプレーし、127試合に出場。打率.241、159三振を喫するも15本塁打を放った。

2015年4月23日のロイヤルズ戦で、乱闘が起きた際に問題発言をしたとして[6]、25日にMLBより罰金処分を受けた[7]。この年も正捕手格で起用され、112試合に出場した。打撃面では、打率.239、9本塁打、39打点という成績を記録したが、104三振を喫した。守備面では、5失策守備率.995をマークした。12月2日にノンテンダーFAとなった[8]

ブレーブス時代

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2015年12月16日に2年総額530万ドルでブレーブスと契約した[9]

2016年は、チームの捕手陣の中心格の1人として起用され、83試合に出場した。打撃面では、いずれもキャリアハイとなる打率.270、8本塁打、41打点を記録した。守備面では81試合でマスクを被り、3失策守備率.995だった。

2017年シーズンを通して数ある投手に死球を見舞われたが[10]、8月30日にファウルチップで怪我するまで試合を欠場することはなかった[11]。すぐに10日間の故障者リストからは復帰した後、9月13日のワシントン・ナショナルズ戦で死球を受けた[12]。この死球が原因で手首の怪我につながったが、10月9日に手術を受けるまで重症であることを知らなかった[13][14]。守備面では、2017年の捕手の中で一番ARM(74.7)が低かった。2017年は、55個の盗塁を許したが(ナショナルリーグ3位)16個の盗塁を防いだため、盗塁阻止率は23%だった[15]。ブレーブスは2017年のシーズン終了時にオプションを選択した[16]

2018年8月28日に2019年シーズンの契約延長に単年400万ドルで合意した。この契約には2020年シーズンの600万ドルのクラブオプションが含まれている[17] 。2018年の打撃成績は、打率.227、出塁率.341、長打率.359だった。守備面では、前年に引き続きMLBの捕手の中で一番ARM(74.7)が低かった。また、44個の盗塁を許し、13個の盗塁を刺したため、盗塁阻止率は23%だった[15]

2019年4月9日

2019年は守備面では、MLBの捕手の中で最多となる16個の捕逸を記録した[18]。11月にブレーブスはオプションを選択せず、代わりに2020年シーズンの契約は単年400万ドルで合意した[19]

2020年オフの10月28日にFAとなった[20]

2021年シーズンが開幕してからも所属先が決まらなかったが、5月4日にブレーブスとマイナー契約で再契約した[21]。だが、直後の5月14日に現役引退を表明した[22]

人物

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ブレーブス傘下のマイナー時代にはエルネスト・メヒア埼玉西武ライオンズ)と同僚で、互いの母国語である英語とスペイン語を教え合う仲だった[23]。スペイン語の会話力を磨いた経験はメジャー昇格後にも生かされ、ラテン系の選手に頼られるようになった[24]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2009 CWS 10 20 16 3 3 1 0 0 4 0 0 0 0 0 3 0 1 8 1 .188 .350 .250 .600
2010 8 15 11 2 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 4 0 0 5 0 .091 .333 .091 .424
2011 38 129 110 13 23 5 1 5 45 16 0 1 0 2 14 0 3 38 2 .209 .310 .409 .719
2012 52 153 136 19 29 6 0 7 56 13 2 1 1 0 12 0 4 56 2 .213 .296 .412 .708
2013 84 275 256 24 50 11 0 10 91 24 0 1 0 1 14 1 4 94 9 .195 .247 .355 .603
2014 127 442 407 42 98 16 1 15 161 50 0 1 1 1 25 0 8 159 10 .241 .297 .396 .693
2015 112 361 331 21 79 12 0 9 118 39 0 1 2 1 21 0 6 104 8 .239 .295 .356 .652
2016 ATL 83 325 281 27 76 18 0 8 118 41 0 0 0 4 29 1 11 91 3 .270 .357 .420 .777
2017 99 370 317 41 89 16 0 12 141 49 0 1 0 2 31 1 20 82 6 .281 .378 .445 .823
2018 82 296 251 34 57 9 0 8 90 30 0 0 0 1 35 0 9 76 6 .227 .341 .359 .700
2019 85 310 271 36 62 11 3 11 112 34 0 0 0 2 31 3 6 105 8 .229 .319 .413 .733
2020 22 80 69 5 15 6 0 1 24 5 0 0 0 0 8 0 3 34 1 .217 .325 .348 .673
MLB:12年 802 2776 2456 267 582 111 5 86 961 301 2 6 4 14 227 6 75 852 56 .237 .319 .391 .710

年度別守備成績

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捕手守備


捕手(C)






















2009 CWS 6 20 0 0 0 1.000 0 2 2 0 .000
2010 7 30 1 0 0 1.000 0 3 2 1 .333
2011 31 243 15 2 1 .992 3 33 25 8 .242
2012 49 324 29 2 5 .994 1 42 28 14 .333
2013 84 640 42 4 4 .994 8 68 52 16 .235
2014 124 863 70 8 6 .991 9 88 62 26 .295
2015 110 887 63 5 10 .995 15 71 53 18 .254
2016 ATL 81 607 29 3 1 .995 7 63 60 3 .048
2017 85 643 46 5 4 .993 9 71 55 16 .225
2018 76 596 37 1 2 .998 8 57 44 13 .228
2019 83 676 37 3 3 .996 16 47 38 9 .191
2020 22 181 5 1 0 .995 1 17 15 2 .118
MLB 758 5700 374 34 36 .994 77 562 436 126 .224
一塁守備


一塁(1B)












2011 CWS 3 17 4 0 2 1.000
2012 2 10 1 0 2 1.000
2015 2 3 1 0 0 1.000
MLB 7 30 6 0 4 1.000
  • 各年度の太字はリーグ最高

背番号

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  • 39(2009年)
  • 17(2010年 - 2012年)
  • 21(2013年 - 2015年)
  • 25(2016年 - 2020年)

脚注

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  1. ^ Braves Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月19日閲覧
  2. ^ 2004 First-Year Player Draft Tracker” (英語). MLB.com. 2015年12月3日閲覧。
  3. ^ Chris Brown (2021年1月21日). “Detroit Tigers Free Agent Target: Tyler Flowers” (英語). Fansided. 2021年5月15日閲覧。
  4. ^ “White Sox acquire Tyler Flowers, Jonathan Gilmore, Brent Lillibridge and Santos Rodriguez from Atlanta Braves in exchange for Javier Vazquez and Boone Logan” (英語). Press Release. (2008年12月4日). http://chicago.whitesox.mlb.com/news/press_releases/press_release.jsp?ymd=20081204&content_id=3701743&vkey=pr_cws&fext=.jsp&c_id=cws 2015年12月3日閲覧。 
  5. ^ “White Sox agree to terms on one-year contract with catcher Tyler Flowers” (英語). Press Release. (2013年12月2日). http://m.whitesox.mlb.com/news/article/64344474 2015年12月3日閲覧。 
  6. ^ Tensions boil over in Royals-White Sox fracas” (英語). MLB.com (2015年4月24日). 2015年12月3日閲覧。
  7. ^ Sale, Samardzija suspended following fracas” (英語). MLB.com (2015年4月26日). 2015年12月3日閲覧。
  8. ^ Carrie Muskat (2015年12月2日). “White Sox non-tender Flowers, Turner” (英語). MLB.com. 2015年12月3日閲覧。
  9. ^ Mark Bowman (2015年12月16日). “Braves make deal with catcher Flowers official” (英語). http://m.braves.mlb.com/news/article/159825014/braves-sign-catcher-tyler-flowers 2016年4月28日閲覧。 
  10. ^ David O’Brien (August 30, 2017). “Flowers lands on 10-day DL for wrist injury” (英語). Atlanta Journal Constitution. http://www.ajc.com/sports/baseball/flowers-lands-day-for-wrist-injury/0JtRLEzXFbO5uXIGJ3lA4O/ October 24, 2017閲覧。 
  11. ^ Mark Bowman. “Braves confirm no hand fracture for Flowers” (英語). http://m.mlb.com/news/article/251706818/braves-tyler-flowers-avoids-broken-left-hand/ October 24, 2017閲覧。 
  12. ^ Guy Curtright (September 21, 2017). “R.A. Dickey, Atlanta Braves baffle Washington Nationals” (英語). United Press International. https://www.upi.com/RA-Dickey-Atlanta-Braves-baffle-Washington-Nationals/3881506050098/ August 28, 2018閲覧。 
  13. ^ David O’Brien (October 23, 2017). “Flowers’ 2018 option picked up by Braves; catching tandem returns intact” (英語). Atlanta Journal Constitution. https://www.ajc.com/sports/baseball/flowers-2018-option-picked-braves-catching-tandem-returns-intact/GbN6kOGk4QGgZwTuF9u7GI/ August 28, 2018閲覧。 
  14. ^ David O’Brien (February 13, 2018). “Flowers has surgery scars after HBPs, but catcher is repaired, ready” (英語). Atlanta Journal Constitution. https://www.myajc.com/sports/baseball/flowers-has-surgical-scars-hbps-but-braves-catcher-repaired-ready/uFsrJdSWWRuFp8bvBMLkYP/ August 28, 2018閲覧。 
  15. ^ a b Tyler Flowers Minor, Winter & Fall Leagues Statistics & History”. Baseball-Reference.com. 2019年10月7日閲覧。
  16. ^ Mark Bowman (October 23, 2017). “Atlanta picks up Flowers' option; no to Dickey's” (英語). http://m.braves.mlb.com/news/article/259416690/braves-exercise-club-option-for-tyler-flowers/ October 24, 2017閲覧。 
  17. ^ Mark Bowman (August 28, 2018). “Braves, Flowers agree to 1-year extension” (英語). https://www.mlb.com/braves/news/tyler-flowers-agrees-to-1-year-extension/c-292283212 August 28, 2018閲覧。 
  18. ^ 2019 Major League Baseball Fielding Leaders”. Baseball-Reference.com (1970年1月1日). 2019年10月7日閲覧。
  19. ^ Mark Bowman (November 4, 2019). “Markakis, Flowers return on one-year contracts” (英語). https://www.mlb.com/braves/news/nick-markakis-returns-to-braves November 5, 2019閲覧。 
  20. ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年11月11日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月17日閲覧。
  21. ^ Steve Adams (2021年5月6日). “Braves Sign Tyler Flowers To Minor League Deal” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年5月15日閲覧。
  22. ^ Mark Bowman (2021年5月14日). “Flowers retires after 12-year MLB career” (英語). MLB.com. 2021年5月15日閲覧。
  23. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2016』廣済堂出版、2016年、314頁頁。ISBN 978-4-331-52002-4 
  24. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、160,162頁頁。ISBN 978-4-331-51921-9 

関連項目

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外部リンク

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