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タイワンツクバネウツギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タイワンツクバネウツギ
筑波実験植物園植栽 2014年9月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: マツムシソウ目 Dipsacales
: スイカズラ科 Caprifoliaceae
: ツクバネウツギ属 Abelia
: Abelia chinensis
変種 : タイワンツクバネウツギ
A. c var. ionandra
学名
Abelia chinensis R.Br. var. ionandra (Hayata) Masam.[1]
シノニム
  • Abelia ionandra Hayata[2]
和名
タイワンツクバネウツギ(台湾衝羽根空木)

タイワンツクバネウツギ(台湾衝羽根空木、学名:Abelia chinensis var. ionandra )は、スイカズラ科ツクバネウツギ属の半常緑の低木[3][4]。主に中国大陸に分布する Abelia chinensis を基本種とする変種[1]

特徴

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樹高は1mになり、密に分枝する。樹皮は灰褐色で、縦に裂け目ができる。若いには開出した短毛が密生する。は対生し、葉柄は長さ1-3mmになり、葉身は長さ7-20mm、幅3-10mmの菱状卵形、卵形、長楕円形で、縁に2-3対の低い鋸歯があるかまたは全縁となる。葉の表面は短毛がまばらに生えるか無毛で、裏面には毛は無い[3][4]

花期は7-9月[4]花序は枝先や腋から2-3花の集散花序をつけるが、枝先では密な短い円錐花序になり多くの花をつける。花柄状の下位子房は、長さ3-5mmの円柱形で、縦に稜がありわずかに毛が生える。片は5個ありほぼ同長、裂片は長さ3-4mmのさじ形で、先は鈍頭または鋭頭で基部は次第に細くなる。花冠は長さ5-10mmになる漏斗形で、白色、先は5裂し、芳香がある。雄蕊は4個あり、花冠より長く突き出る。雌蕊は花冠よりわずかに突出する。果実は長さ4-4.5mmになる細長い紡錘形の痩果で、ツクバネ状の萼片が残り、10-11月に熟す[3][4]

分布と生育環境

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日本では、奄美大島沖縄本島石垣島に分布し、海岸や山地の岩地にまれに生育する。ときに露出した岩地や石灰岩地に生育する。日本以外では台湾に分布する[3][4]

保全状況評価

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絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト

(2015年環境省レッドリスト)

近縁種

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本種の基本種である Abelia chinensis と、同じ中国大陸に分布する Abelia uniflora交雑に由来する栽培種のハナゾノツクバネウツギがある。別名、ハナツクバネウツギ、ハナツクバネともいい、ふつう、アベリアと呼ばれ、公園や庭園に植栽され、生け垣などに利用される。花は白色ときにピンク色を帯び、萼片は2-5個ある。花期は6-11月と長い[3][5]

  • ハナゾノツクバネウツギ Abelia × grandiflora (Rovelli ex André) Rehder[5]

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ a b タイワンツクバネウツギ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ タイワンツクバネウツギ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d e 『日本の野生植物 木本II』pp.235-236
  4. ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』p.711
  5. ^ a b ハナゾノツクバネウツギ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)

参考文献

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