タイワンツクバネウツギ
タイワンツクバネウツギ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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筑波実験植物園植栽 2014年9月
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Abelia chinensis R.Br. var. ionandra (Hayata) Masam.[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
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和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
タイワンツクバネウツギ(台湾衝羽根空木) |
タイワンツクバネウツギ(台湾衝羽根空木、学名:Abelia chinensis var. ionandra )は、スイカズラ科ツクバネウツギ属の半常緑の低木[3][4]。主に中国大陸に分布する Abelia chinensis を基本種とする変種[1]。
特徴
[編集]樹高は1mになり、密に分枝する。樹皮は灰褐色で、縦に裂け目ができる。若い枝には開出した短毛が密生する。葉は対生し、葉柄は長さ1-3mmになり、葉身は長さ7-20mm、幅3-10mmの菱状卵形、卵形、長楕円形で、縁に2-3対の低い鋸歯があるかまたは全縁となる。葉の表面は短毛がまばらに生えるか無毛で、裏面には毛は無い[3][4]。
花期は7-9月[4]。花序は枝先や腋から2-3花の集散花序をつけるが、枝先では密な短い円錐花序になり多くの花をつける。花柄状の下位子房は、長さ3-5mmの円柱形で、縦に稜がありわずかに毛が生える。萼片は5個ありほぼ同長、裂片は長さ3-4mmのさじ形で、先は鈍頭または鋭頭で基部は次第に細くなる。花冠は長さ5-10mmになる漏斗形で、白色、先は5裂し、芳香がある。雄蕊は4個あり、花冠より長く突き出る。雌蕊は花冠よりわずかに突出する。果実は長さ4-4.5mmになる細長い紡錘形の痩果で、ツクバネ状の萼片が残り、10-11月に熟す[3][4]。
分布と生育環境
[編集]日本では、奄美大島、沖縄本島、石垣島に分布し、海岸や山地の岩地にまれに生育する。ときに露出した岩地や石灰岩地に生育する。日本以外では台湾に分布する[3][4]。
保全状況評価
[編集]絶滅危惧IA類 (CR)(環境省レッドリスト)
(2015年環境省レッドリスト)
近縁種
[編集]本種の基本種である Abelia chinensis と、同じ中国大陸に分布する Abelia uniflora の交雑に由来する栽培種のハナゾノツクバネウツギがある。別名、ハナツクバネウツギ、ハナツクバネともいい、ふつう、アベリアと呼ばれ、公園や庭園に植栽され、生け垣などに利用される。花は白色ときにピンク色を帯び、萼片は2-5個ある。花期は6-11月と長い[3][5]。
ギャラリー
[編集]-
樹高は低く、密に分枝する。
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栽培種のハナゾノツクバネウツギ(アベリア)
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本II』、1989年、平凡社
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- 日本のレッドデータ検索システム