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タカネコウリンカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タカネコウリンカ
タカネコウリンカ、赤石山脈の北岳(2004年7月18日撮影)
タカネコウリンカ T. takedana
赤石山脈北岳にて、2004年7月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : キキョウ類 Campanulids
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: オカオグルマ属 Tephroseris
: タカネコウリンカ
T. takedana
学名
Tephroseris takedana (Kitam.) Holub[1]
シノニム

Senecio takedanus Kitam.[2]

和名
タカネコウリンカ

タカネコウリンカ(高嶺高輪花、学名Tephroseris takedana (Kitam.) Holub[1])は、キク科オカオグルマ属分類される多年草の1[3][4]キオン属に分類されることもある[2][5][6]。学名の種小名(takedana)は、植物学者武田久吉への献名[6]

特徴

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は単一で直立し[5]、高さ15-40 cmで、全体にクモ毛がある[4]根生葉と下部の茎は細毛が密生し、長さ5-12 cm、幅1.5-3 cmの卵状へら形で、基部は茎を抱き、縁には浅い鋸歯がある[4]。根生葉には長柄がある[6]頭花直径2-2.5 cmで数個が散房状につく[4]総苞は長さ0.7-1 cmの筒形で黒紫色になり[4]、総苞の基部に苞葉がある[7]。総苞の色が黒っぽい点が高原に生育するコウリンカに似ているが、コウリンカの舌状花は長く反り返る[8]舌状花は橙黄色で7-8個で[4]、短く完全には開かない[8]筒状花は橙赤色[4]、長さ4 mm、幅2 mm[6]。花期は7月下旬-8月[3][8]痩果は有毛[3][4]、円柱形で長さ4 mm、冠毛は6-7 mm[6]染色体数は2n=48[3]

分布と生育環境

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乾いた草地に生育するタカネコウリンカ

日本固有種[4]本州中部地方(奥志賀湯ノ丸山飛騨山脈八ヶ岳赤石山脈埼玉県[9])に分布する[3]基準標本は八ヶ岳のもの[4]

亜高山帯上部から高山帯にかけての乾いた草地や礫地[3]に生育する[4]。しばしば亜高山帯の石灰岩地にも生育する[5]ヤガ科ミヤマセダカモクメ幼虫食草としている[10][11]

種の保全状況評価

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日本では環境省によりレッドリストの準絶滅危惧(NT)の指定を受けている[12]

準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト

[12]

また以下の都道府県での指定を受けている。上信越高原国立公園中部山岳国立公園などで保護対象となる指定植物[13]

脚注

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “タカネコウリンカ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2020年7月7日閲覧。
  2. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “タカネコウリンカ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2020年7月7日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 清水 (2014)、392-393頁
  4. ^ a b c d e f g h i j k 豊国 (1988)、94頁
  5. ^ a b c 牧野 (1982)、64頁
  6. ^ a b c d e 佐竹 (1981)、182頁
  7. ^ 門田裕一 (2017)『改訂新版 日本の野生植物 5』「キク科キク亜科キオン連」p.311
  8. ^ a b c 久保田 (2007)、38頁
  9. ^ a b 埼玉県レッドデータブック2011 植物編” (PDF). 埼玉県. pp. 173. 2020年7月7日閲覧。
  10. ^ 岸田 (2011)、306頁
  11. ^ ミヤマセダカモクメ”. 岐阜県. 2020年7月7日閲覧。
  12. ^ a b 環境省レッドリスト2019の公表について”. 環境省. 2020年7月7日閲覧。
  13. ^ a b レッドデータブックにいがた” (PDF). 新潟県. pp. 369. 2020年7月7日閲覧。
  14. ^ 富山県の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブックとやま2012-” (PDF). 山梨県. pp. 113. 2020年7月7日閲覧。
  15. ^ 富山県の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブックとやま2012-” (PDF). 富山県. pp. 369. 2020年7月7日閲覧。
  16. ^ 長野県版レッドリスト(植物編)2014”. 長野県. 2020年7月7日閲覧。
  17. ^ まもりたい静岡県の野生生物2020-静岡県レッドデータブック<植物・菌類編>-” (PDF). 静岡県. pp. 272. 2020年7月7日閲覧。

参考文献

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  • 岸田泰則『日本産蛾類標準図鑑2』学研プラス、2011年4月11日。ISBN 978-4054038462 
  • 久保田修『高山の花―イラストでちがいがわかる名前がわかる』学習研究社、2007年6月。ISBN 978-4054029033 
  • 清水建美、門田裕一、木原浩『高山に咲く花』(増補改訂新版)山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑8〉、2014年3月22日。ISBN 978-4635070300 
  • 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月。ISBN 4-635-09019-1 
  • 佐竹義輔大井次三郎北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本Ⅲ合弁花類』平凡社、1981年10月。ISBN 4582535038 
  • 牧野富太郎、本田正次『原色牧野植物大図鑑北隆館、1982年7月。ASIN B000J6X3ZENCID BN00811290全国書誌番号:85032603https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001728467-00 

外部リンク

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