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タカネマンテマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タカネマンテマ
タカネマンテマの開花・北岳山頂付近
分類クロンキスト体系
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : ナデシコ亜綱 Caryophyllidae
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ナデシコ科 Caryophyllaceae
: マンテマ属(シレネ属) Silene
: タカネマンテマ
S. uralensis
学名
Silene uralensis
シノニム

Gastolychnis apetala (L.) Tolm. et Kozhanczikov
Melandrium apetalum (L.) Fenzl subsp. arcticum (Fr.) Hulten
Melandrium apetalum (L.) Fenzl ex Ledeb.
Silene wahlbergella Chowdh.

タカネマンテマ(Silene uralensis (Rupr.) Bocquet)は、寒冷地または高山地帯に生息するナデシコ科マンテマ属(シレネ属)の多年草。属名「マンテマ」の由来は諸説あり、牧野新日本植物図鑑ではムギセンノウ属(en:Agrostemma)の「アグロステムマ」が訛ったもの、植物和名語源新考では、近縁のハマベマンテマ(en:Silene martima)の種小名「マルティマ」が語源となったものと言われている。また属学名(Sileneの由来もはっきりとせず、ギリシャ語唾液(Sialon)から来たという説と、ギリシャ神話にてディオニュソスの従者である半人半馬シレノス(Silenos)が語源になったという説がある[1]。なお、種小名uralensisは、本種の基準標本が採取されたウラル英語版地方を表す。

特徴

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高さ10cm~20cm[2]。根茎から枝分かれした株から2対から4対の小さな根葉と、花茎および無花茎を叢生する。無花茎はほとんど伸長せず、先端に葉をつける。茎葉は対生、線形披針状で長さは6cm程度まで伸びる。花茎は高さ20cm程度まで枝分かれせず伸長し、7月~8月、先端に花をつける。花は12mm程度の先がすぼまった釣鐘状をしている。花弁は淡い紅紫色[2]。最初は下向きに咲くが、後に直立する。茎、花、葉ともに細かい毛を持つ。蒴果は10mm~12mm程度であり、その先が10片~12片に裂開する。種子は翼を持つ扁平型で、2mm程度。2n=24,48。

分布

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ユーラシア大陸や北アメリカに分布[2]。日本では、南アルプスの高山帯にのみ分布する[2]

保護上の位置づけ

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絶滅危惧I類(CR+EN)
長野県山梨県静岡県

保護・再生の試み

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日本において、本種は希少種であるため盗掘が問題となっており、個体数は減少を続けている。 また本種は、休眠打破のために次亜塩素酸ナトリウム水溶液処理を行う方法や、株分けでの人工的な繁殖が検討されている[3]

脚注

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  1. ^ 植物の世界 7(双子葉類)(書籍)
  2. ^ a b c d 〈改訂版〉南アルプス学・概論”. 静岡市. 2019年10月2日閲覧。
  3. ^ 山梨県における絶滅危惧植物の保全および増殖技術の開発とその教材化(第1報)(Webサイト)・ 日本農業教育学会誌 Vol.39, No.1, Page33-42 (2008.05.30)

参考文献

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外部リンク

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