バービカン (飲料)
バービカンとは、かつて日本で販売していたビールテイスト飲料(ビール風味の炭酸飲料)。
歴史
[編集]1970年代から1980年代にかけて、日本国外ではビールやワインなどアルコール飲料のアルコール分を減らしソフトドリンク化する動きが活発化し、日本国内でも1980年代になるとその影響を受けて開発が行われ[1]、新感覚の大人向け飲料として宝酒造が英国バス・ブリュワリー社(現アンハイザー・ブッシュ・インベブ社)と提携して開発した「TaKaRaバービカン」を1986年2月に発売開始[2][3][4]。特に法律で厳しく禁じられている飲酒運転の撲滅に期待がかかる商品として注目された。
1987年9月に発売された書籍『飲めない族』には、前年に発売された「バービカン」が大きく取り上げられ、他にも当時販売されていた日本国内外のノンアルコールビール計16種類が掲載された[4]。しかし、バービカンはビールほどのコクや深みが無いために不評で、長らく細々と売られていた。また「ノンアルコール」を謳いながら、当時実際には1%以下のアルコール分を含有しており表示適正化のため、2000年代中盤以降は「ビールテイスト飲料」という表現に改められた[5][6]。
2007年に宝酒造はバービカンの販売権を日本ビールに譲った。同年に麒麟麦酒などビールメーカー大手4社がアルコール分を含まない0.00%表示のビールテイスト飲料を発売したのに対抗して、飲酒運転の更なる撲滅(道路交通法改正)や健康志向を踏まえて、2009年12月15日にパッケージデザインと麦芽100%で日本初アルコール分0.000%を達成した中味にリニューアルした[7]。
2010年、龍馬1865と改称[8]。これは坂本龍馬が長崎で初めてビールを飲んだと言われている1865年にちなんだもの。
脚注
[編集]- ^ 農林水産消費技術センター「新食品ウォッチング - ノンアルコール飲料」『大きな目小さな目(広報誌)』第10号、独立行政法人 農林水産消費技術センター、1993年7月、 オリジナルの2007年10月30日時点におけるアーカイブ。
- ^ TaKaRaのあゆみ:企業のあゆみ1977〜1989 - 宝ホールディングス
- ^ バービカン<リアルテイスト> 新発売 - 宝酒造 ニュースリリース 2004年2月3日
- ^ a b よしだけん『飲めない族』日本テレビ放送網、1987年。ISBN 978-4820387480。
- ^ アルコール0%飲料 - コトバンク
- ^ 平成15年度における景品表示法の運用状況及び消費者取引の適正化への取組 (PDF) - 公正取引委員会 2004年5月26日
- ^ 日本ビール、アルコール分0.000%のノンアルコールビール「バービカン」を発売 - 日経デザイン 2009年12月14日
激戦区!アルコール0%ビール市場に麦芽100%の『バービカン』が登場 - ガジェット通信 2009年12月14日
日本ビール、麦芽100%のアルコール分0.000%ノンアルコールビール「バービカン」を発売 - ライブドアニュース 2009年12月17日 - ^ 龍馬1865(日本ビール)