タナバタウオ
タナバタウオ | ||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Plesiops coeruleolineatus Rüppell, 1835 | ||||||||||||||||||||||||
シノニム[2][3] | ||||||||||||||||||||||||
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英名 | ||||||||||||||||||||||||
crimsontip longfin coral devil Banded Devilfish |
タナバタウオ (学名:Plesiops coeruleolineatus)はタナバタウオ科に分類される魚類の一種。インド太平洋に分布し、岩場やサンゴ礁に生息する。
分布
[編集]紅海や東アフリカからサモア諸島、オセアニア、南日本まで、南はオーストラリアのクイーンズランド州まで、インド太平洋に広く分布する[4]。カルガドス・カラホス諸島、コモロ諸島、エリトリア、ケニア、マダガスカル、モーリシャス、モザンビーク、レユニオン、セーシェルなどでも記録されている[5]。日本では、伊豆諸島、小笠原諸島、伊豆半島から九州までの太平洋側、大隅諸島、琉球列島に分布する[6]。
形態
[編集]体は細長く、全長は8.5 - 10 cm。体色は様々だが、一般的には黒または茶色で、目の後ろに2本の暗い縞がある。背鰭は長い一基で、10 - 12棘と6 - 8軟条から成り、臀鰭は3棘と8軟条から成る。背鰭棘の先端はオレンジから赤色で、下側は白い線で縁取られる。背鰭基部に沿って青みがかった縞がある[4]。頭部には白っぽい斑点が散らばる[6]。興奮した際などには模様が現れる。胸鰭は19 - 24軟条から、腹鰭は1棘と4軟条から成り、第一軟条は分枝する。上顎に鱗は無く、鰓蓋骨の前縁は滑らかで、舌歯は無い。 側線は分離しており、上側は鰓蓋骨の上端から最後の背鰭軟条まで、下端は中央に沿って尾柄に達する。背鰭棘間の膜は深く切れ込み、腹鰭は細長い[7]。尾鰭は丸い[6]。
生態
[編集]一般的だが目立たない種である。水深15 mまでの浅場に生息する[5]。日中は通常、ラグーンやサンゴ礁で見られ、サンゴや石の下に潜む。タイドプールの瓦礫の中で見つかることもある。夜行性であり、夜には小魚、腹足類、小型甲殻類を食べるために外海に出る[4]。
繁殖期は九州では夏で、産卵はペアで行われ、岩の下に卵が産み付けられる。雄は卵を守り、海水を鰭で送ったり、卵に近づく魚を攻撃する。一匹の雄が複数の雌と繁殖すると考えられている[8]。
脚注
[編集]- ^ Russell, B.; Fennessy, S.; Holleman, W. (2020). “Plesiops coeruleolineatus”. IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T69545457A69545804. doi:10.2305/IUCN.UK.2020-2.RLTS.T69545457A69545804.en 2024年7月7日閲覧。.
- ^ "Plesiops coeruleolineatus Rüppell, 1835". World Register of Marine Species. 2024年7月7日閲覧。
- ^ “Plesiops coeruleolineatus”. Zipcodezoo. 2014年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月7日閲覧。
- ^ a b c Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2024). "Plesiops coeruleolineatus" in FishBase. July 2024 version.
- ^ a b “Plesiops coeruleolineatus”. 2024年7月7日閲覧。
- ^ a b c 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』244 - 245頁
- ^ “Coral Devil, Plesiops coeruleolineatus Rüppell 1835”. fishesofaustralia.net.au. 2024年7月7日閲覧。
- ^ 佐々木 風哉; 田中 翔大; Weeks Mike I.; 須之部 友基 (2021). “タナバタウオ Plesiops coeruleolineatus(タナバタウオ科)の繁殖行動,卵発生および仔稚魚の形態変化”. Ichthy, Natural History of Fishes of Japan 7: 58-65. doi:10.34583/ichthy.7.0_58 .
参考文献
[編集]- 中坊徹次『小学館の図鑑Z 日本魚類館』小学館、2018年。ISBN 978-4-09-208311-0。