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炭酸マグネシウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タンマグから転送)
炭酸マグネシウム
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識別情報
CAS登録番号 546-93-0 チェック
E番号 E504(i) (pH調整剤、固化防止剤)
RTECS番号 OM2470000
特性
化学式 MgCO3
モル質量 84.31 g/mol
外観 白色固体
密度 2.958 g/cm3, 固体
融点

350 ℃(分解)

への溶解度 0.0012 mol/l (25 ℃)
構造
結晶構造 三方晶
熱化学
標準生成熱 ΔfHo -1111.69 kJ/mol
標準モルエントロピー So 65.84 J K-1 mol-1
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 0969
引火点 不燃性
関連する物質
その他の陰イオン 炭酸水素マグネシウム
その他の陽イオン 炭酸塩
炭酸カルシウム
炭酸ストロンチウム
炭酸バリウム
炭酸リチウム
関連物質 アルチナイト
水苦土石
ダイピング石
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

炭酸マグネシウム(たんさんマグネシウム、MgCO3)はマグネシウム炭酸塩である。工業用原料の一種で反射率が高いことで知られる。身近な用途としては便秘薬、制酸剤重量挙げ滑り止めの粉などに使われる。

産出・製造

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天然鉱物菱苦土石(マグネサイト)として産出する。最大の産出国は中国。天然鉱物の苦灰石(ドロマイト、白雲石、CaMg(CO3)2)は炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムの複塩鉱物である。

特性

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  • 性状は白色の砕けやすい塊か粉末であり、無味無臭。
  • 水やエタノールにほとんど溶けない。
  • 無水和物、または二水和物、三水和物、五水和物をとる。
  • 密度は無水和物の場合、2.958 g/cm3。水和が進むにつれて密度が低下し、五水和物では1.73 g/cm3となる。
  • 加熱すると水和物は水を失い、さらに強熱すると二酸化炭素を放出して酸化マグネシウム(MgO)となる。
  • 強酸やカルボン酸と反応して溶け、二酸化炭素を放出する。
  • マグネシウム塩水溶液に炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムを加えて沈殿させたものは塩基性炭酸マグネシウム()と呼ばれ、これを炭酸マグネシウムと呼ぶことが多い。塩基性炭酸マグネシウムの組成比は製法によって異なり、Mg(OH)2 に対して、MgCO3 が3〜5、H2Oが3〜7の比となる。

用途

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  • 数量ベースでは工業用原料としての用途が最も重要である。天然ゴムや合成ゴムの増強剤、耐火・断熱材料、肥料原料、インク・塗料の添加物、ガラス添加剤、製紙、化粧品添加物、食品添加物として用いられる。
  • 酸化マグネシウムの原料
  • 制酸剤緩下剤医薬品)、歯磨き粉の研磨剤、pHアルカリ化用サプリメント
  • 各種運動用具の滑り止め(「タンマ」、「タンマグ」と略称されることもある)、クライミングチョーク

関連項目

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