ダイヤのジャック (曲)
「ダイヤのジャック」(Jack of Diamonds または Jack o' Diamonds 、 Jack of Diamonds (Is a Hard Card to Play))は伝統的なフォークソングで、ブラインド・レモン・ジェファーソンによって広められたテキサスの賭け事歌[1]。コンキアンですった鉄道員によって歌われていた[2]。第二次世界大戦以前に、少なくとも12人の白人アーティストによってレコーディングされていた。この曲は"A Corn Licker Still in Georgia"(「ジョージア州のトウモロコシ酒蒸留所」、唄:ライリー・パケット)や "Rye Whisky"(「ライ麦ウィスキー」、テックス・リッター)などの様々なタイトルで録音された[3]。
この曲は"Drunkard's Hiccoughs"(「大酒飲みのひゃっくり」)[4]、"Johnnie Armstrong"(「剛腕ジョニー」)、"Todlen Hame"、"Bacach"、"Robi Donadh Gorrach"、"The Wagoner's Lad"(「荷馬車の若者」)、"Clinch Mountain"(「クリンチ山」)、"The Cuckoo"(「カッコウ」)、"Rye Whiskey"(「ライ麦ウィスキー」)、"Saints Bound for Heaven"(「天国に向かう聖人」)、"Separation"(「別離」)、"John Adkins' Farewell"(「ジョン・アドキンスの別れ」)と言った曲と関連がある[5]。これらの一連の曲はもともとはイギリス諸島から来ているが、北米で最もよく知られている[6]。歌詞は南北戦争の歌である "The Rebel Soldier"(「反逆兵」)に、メロディーはナサニエル・ガウの "An Old Highland Song"(「古きハイランドの歌」)として知られるスコットランドの曲 "Robie Donadh Gorrach" に由来するかもしれない[7]。
ボブ・ディランは「ダイヤのジャック」を録音したことはなかったが、その歌詞をもとにした詩が "Some Other Kinds of Songs"(「ほかの種類の歌」)の題で他の詩と纏められて『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』のジャケット裏面に掲載されている [8]。 俳優のベン・カラザースは1965年に自身のバンド、ベン・カルーザス&ザ・ディープの曲を作るのにこの詩を用いた。
カバー
[編集]以下のアーティストや、それ以外もこの曲をレパートリーに加えている。
- ブラインド・レモン・ジェファーソン (1926)
- テックス・リッター (リッターを有名にしたきわめて初期の録音)
- スキップ・ジェイムス
- ジョン・リー・フッカー 2004年リリースのアルバム Jack o' Diamonds: 1949 Recordings に収録
- ジョン・ジェイコブ・ナイルズ
- オデッタ Odetta Sings Ballads and Blues、1956に収録
- ロニー・ドネガン 1957年にシングルで発売 (1985年のアルバム Rock Island Line: The Singles Anthology 1955-1967 に収録)
- ベッティ・ジョンソン 1958年にアトランティック・レコード向けに録音
- マンス・リプスコム
- ランブリン・ジャック・エリオット 複数のLPに収録
- フェンダーメン 1960年のアルバム Mule Skinner Blues に収録
- ザ・バーズ コンピレーション・アルバム Preflyte に収録
- デイリー・フラッシュ(1960年代のシアトルを拠点としたフォークロックバンド) 1966年6月にシングルで発売(1998年にライノ・エンタテインメントからリリースされたコンピレーション・ボックス Nuggets: Original Artyfacts from the First Psychedelic Era, 1965–1968 に収録)
- フェアポート・コンヴェンション 彼らのデビューアルバムに収録。ボブ・ディランとベン・カラザースがクレジットされ、オリジナルをもとにした歌詞が用いられている
- ターボックス・ランブラーズ ファーストアルバムの一曲目に使用
- ウェイロン・ジェニングス アルバム Waylon Forever で .357s と共演
- コーブ・ルンド&ザ・ハーティン・アルバータンズ アルバム Five Dollar Bill に収録
- デイヴ・マシューズ
- トミー・ジャレル
- ニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズ 2005年3月22日発売のアルバム B-Sides & Rarities に収録
- P. W. ロング 1997年発売のアルバム We Didn't See You On Sunday に収録
- アレクサンダー・ハッケ & ダニエル・デ・ピチオット 2008年のアルバム Ship Of Fools に収録
- ランブリン・リヴァーサイダース
- スコット・H・バイラム 2014年発売のアルバム Nothin' But Blood に収録
- The Charlatans
参考資料
[編集]- 1929年にクラレンス・アシュリーしばし "Coo Coo" や "Coo Coo Bird" と題される「カッコウ」は「ダイヤのジャック」と同じような引用がなされている。カバーバージョンがビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニーによって "Coo Coo" として録音された[9]。
脚注
[編集]- ^ Lomax, Alan (1941). John Avery Lomax; Alan Lomax; Ruth Crawford Seeger. eds. Our singing country: folk songs and ballads. Courier Dover Publications. p. 303. ISBN 0-486-41089-7
- ^ Urgo, Joseph R.; Abadie, Ann J. (2007). Faulkner's inheritance. Univ. Press of Mississippi. p. 64. ISBN 1-57806-953-X
- ^ Laird, Tracey E. (1 December 2003). “Country Music Sources: A Biblio-Discography of Commercially Recorded Traditional Music”. Library and information science .
- ^ Beisswenger, Drew; McCann, Gordon (2006). Ozarks Fiddle Music. Mel Bay Publications. p. 94. ISBN 0-7866-7730-9
- ^ Samuel Bayard, Dance to the Fiddle, March to the Fife (University Park & London: Pennsylvania State University Press, 1982), p.567
- ^ Matteson Jr., Richard (2006). Bluegrass Picker's Tune Book. Mel Bay Publications. p. 196. ISBN 0-7866-7160-2
- ^ “Jack O' Diamonds”. Bluegrass Messengers. 1 June 2011閲覧。
- ^ "Some Other Kinds of Songs"; Retrieved 07 Apr 2017.
- ^ Cohen, Norm (2005). Folk music: a regional exploration. Greenwood Publishing Group. p. 55. ISBN 0-313-32872-2