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ダッハウ湿原の小屋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ダッハウ湿原の小屋』
作者フランツ・マルク
製作年1902年
寸法43.5 cm × 73.6 cm (17.1 in × 29.0 in)
所蔵フランツ・マルク美術館コッヘル・アム・ゼー

ダッハウ湿原の小屋(ダッハウしつげんのこや、ドイツ語: Moorhütten im Dachauer Moos)は、フランツ・マルク油絵である。マルクの名のある絵画の中では最初期に属している。コッヘル・アム・ゼーフランツ・マルク美術館所蔵[1]

なお、原題のMoorhütte は「沼沢地小屋」で直訳すれば「沼地小屋」「沼小屋」とでもすべき語だが、意味上「湿原」と重複するため、英語名などでは前半部分が訳出されない。本稿でもそれに倣うものとする。

経緯

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本作は1902年に完成しており、したがって作者がミュンヘン美術院に在籍してガブリエル・フォン・ハックルヴィルヘルム・フォン・ディーツ絵画を師事していた時期の作品である。両人を通じてマルクは、19世紀絵画の様式による堅固な基礎教育を身に着けたが、より新しい芸術思潮にまだ接触してはいなかった。それゆえ本作も、同年に完成された絵画『母の肖像』や『父の肖像』と同じく、完全にミュンヘン派の伝統に根差したものとなっている[2]

解説

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本作は、高さ43.5cm、幅73.6cmの大きさであり、油絵具カンバス に描かれている[1]。絵は、下半分にダッハウ湿原泥炭地が、上半分には曇り空が広がっている。中間には、木立の中にコテージが建っている。

本作は、暗い茶系・緑系の色調が圧倒的で、空の青さや前景の黄土色の地面と対比をなしている。たとえば木々の葉一つ一つといった細部は、繊細な筆致によって緻密に描出されている。

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  1. ^ a b "Marc, Franz: Moorhütten im Dachauer Moos". zeno.org (ドイツ語). 2020年3月2日閲覧
  2. ^ Susanna Partsch (2001), Franz Marc (ドイツ語), Köln: Taschen, p. 8, ISBN 3-8228-5585-5

外部リンク

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