ダニーディン (軽巡洋艦)
ダニーディン (HMS Dunedin) はイギリス海軍の軽巡洋艦。ダナイー級(D級)
艦歴
[編集]1917年11月5日起工[1]。1818年11月19日進水[1]。1919年9月13日竣工[1]。大西洋艦隊の第1巡洋艦戦隊に編入[2]。
1923年、巡洋戦艦「フッド」、「レパルス」と同型艦4隻と共に世界巡航に出発[3]。1924年4月にニュージーランドに着くと「ダニーディン」はニュージーランド戦隊に転属となり、ニュージーランドに残った[4]。1928年、「ダニーディン」と軽巡洋艦「Diomede」はマウ運動の起きていたサモアへ派遣された[5]。1931年2月の地震の際は「ダニーディン」は「Diomede」とともに物資を積み医師、看護婦を乗せてネーピアへ急行した[4]。1927年と1931年に「ダニーディン」は改修のためイギリスに戻っている[3]。1936年、「ダニーディン」はスチュアート島へワイタンギ条約の写しの捜索に派遣されたが、何も見つからなかった[6]。「ダニーディン」はイギリスへの帰還命令を受けて1937年2月15日にオークランドを離れ、3月29日にポーツマスに着いた[5]。
1937年、ジョージ6世戴冠記念観艦式に参列[7]。
第二次世界大戦では最初は北方哨戒隊で活動し、次いでアメリカ・西インド艦隊に移った[2]。1940年2月6日に「ダニーディン」はポーツマスから出航し、「Diomede」とともにバミューダへ向かった[8]。荒れた海で、2月12日にはオイルタンクに塩水が入ったことで「ダニーディン」は止まってしまい、別の日には「ダニーディン」のボートが1隻失われた[9]。2月17日、バミューダに着いた[9]。3月2日、「ダニーディン」はウィンドワード海峡でドイツ船「Heidelberg」を発見[10]。同船乗員は自沈を図り、船に火をつけた[11]。「ダニーディン」は25名ほどを収容し、それから6インチ砲を撃ち込んだ[11]。「Heidelberg」は数時間燃えた後、沈没した[11]。3月8日、今度はモナ海峡西側でドイツ船「ハノーファー」を発見[12]。同船も自沈を試みたが、「ダニーディン」側は浸水を止め火災を抑え込んだ[13]。その後「ダニーディン」は「ハノーファー」を曳航してキングストンへ向かい、カナダ駆逐艦「ケンペンフェルト」の助けも受けて3月13日に到着した[14]。6月と7月、「ダニーディン」はヴィシー側のマルティニークを封鎖した[2]。9月、「ダニーディン」はイギリスに戻った[15]。
12月23日から「ダニーディン」はWS5A船団を護衛した[16]。12月25日に船団はドイツ巡洋艦「アドミラル・ヒッパー」の攻撃を受けたが、「ダニーディン」は交戦はしていない[17]。その際に船団とはぐれた「ダニーディン」はジブラルタルで燃料補給を行った後、1941年1月3日に船団に再び加わり、5日にフリータウンに到着した[18]。「ダニーディン」はバサーストへ行き、兵士と航空兵50名を上陸させ、1月22日にフリータウンを離れてジブラルタルへ向かった[19]。ジブラルタルからは2隻の船「Kenya」と「Sobieski」を護衛し、2月22日にクライド湾に到着した[20]。
1941年4月20日、フリータウンに到着[21]。それから「Empress of Japan」と「Monarch of Bermuda」を護衛してジブラルタルへ向かった[22]。途中、ボイラーの管が破裂[22]。修理に時間を要することから問題のあるボイラー1基が使用停止となった[22]。
6月、「ダニーディン」は空母「イーグル」とともにドイツの補給線捜索に当たる[23]。6月15日、「イーグル」のソードフィッシュが商船を発見[24]。同機は射撃を受けたため爆撃を行い命中させた[25]。その船はドイツの補給船「Lothringen」であり、その後「ダニーディン」が拿捕した[26]。
6月30日、「ダニーディン」はヴィシーフランス船「Ville de Tamatave』を拿捕した[27]。また、7月1日にもヴィシーフランス船「D'Entrecasteaux」を拿捕した[27]。その後「ダニーディン」は再び「イーグル」とともに行動する[28]。7月21日、「イーグル」搭載機が船を発見[29]。その船はヴィシーフランス船「Ville de Rouen」で、同日深夜に「ダニーディン」に捕捉され、拿捕された[29]。
11月24日、「ダニーディン」はSt. Paul's Rocksの東でドイツ潜水艦「U124」により沈められた[27]。
脚注
[編集]- ^ a b c M. J. Whitley, Cruisers of World War Two, p. 73
- ^ a b c M. J. Whitley, Cruisers of World War Two, p. 77
- ^ a b Stuart Gill, Blood in the sea, p. 75
- ^ a b Stuart Gill, Blood in the sea, p. 75. HMS Diomede & Dunedin
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, p. 77
- ^ HMS Dunedin, British light cruiser, WW2, NAVAL-HISTORY.NET(2022年6月9日閲覧)
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, pp. 36, 43
- ^ a b Stuart Gill, Blood in the sea, p. 43
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, p. 44. Axis Blockade Runners of World War II, p. 69
- ^ a b c Stuart Gill, Blood in the sea, p. 44
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, p. 44. Martin Brice, Axis Blockade Runners of World War II, p. 71
- ^ Blood in the sea, pp. 44-45
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, pp. 45-46
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, p. 49
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, pp. 64-65
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, pp. 64-65. M. J. Whitley, Cruisers of World War Two, p. 77
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, pp. 66-67
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, pp. 70-71
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, p. 71
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, p. 85
- ^ a b c Stuart Gill, Blood in the sea, p. 89
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, pp. 98-101
- ^ Peter C. Smith, Eagle's War, pp. 116-117
- ^ Peter C. Smith, Eagle's War, p. 117
- ^ Peter C. Smith, Eagle's War, pp. 117-119. Martin Brice, Axis Blockade Runners of World War II, p. 97
- ^ a b c HMS Dunedin (D 93) of the Royal Navy - British Light cruiser of the D class - Allied Warships of WWII - uboat.net(2024年11月16日閲覧)
- ^ Stuart Gill, Blood in the sea, p. 121
- ^ a b Stuart Gill, Blood in the sea, p. 122
参考文献
[編集]- M. J. Whitley, Cruisers of World War Two: An International Encyclopedia, Naval Institute Press, 2000, ISBN 1-55750-141-6
- Stuart Gill, Blood in the sea: HMS Dunedin and the Enigma Code, Cassel, 2004, ISBN 0-304-36691-9
- Martin Brice, Axis Blockade Runners of World War II, B. T. Bastsford, 1981, ISBN 0-7134-2686-1
- Peter C. Smith, Eagle's War: Aircraft Carrier HMS Eagle 1939-1942, Crécy Publishing, 2009, ISBN 978-0-9075795-3-3
- HMS Diomede & Dunedin — National Museum of the Royal New Zealand Navy(2022年6月9日閲覧)