チェスプレイヤーの密室

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チェスプレイヤーの密室
著者 エラリー・クイーン
発行日 1965年
ジャンル 推理小説
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
次作 狂人の論理
ウィキポータル 文学
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チェスプレイヤーの密室』(チェスプレイヤーのみっしつ、A Room to Die )は、1965年に発表されたエラリー・クイーンの長編推理小説。クイーン名義だが、実際にはSF作家のジャック・ヴァンスが執筆した作品である。

あらすじ[編集]

小学校女教師のアンは疎遠な母エレーンから、離婚したローランド(アンの父)が後妻パールの持つ巨額の遺産を相続したと知らされる。その後、エレーンの行方がわからなくなり、ローランドが自宅で自殺死体で発見された。しかし、アンはローランドの性格から判断して、彼が自殺したとは到底思えず、事件を担当しているタール刑事とともに調査を始めるが…。

主な登場人物[編集]

  • アン・ネルソン - 主人公の女性。小学校教師
  • エレーン・ネルソン - 主人公の母。現在は犬の訓練士と交際中。
  • ハーヴェイ・グルック - エレーンの同棲相手。犬の訓練士。
  • ラリー - 主人公の離婚した夫。義母のエレーンと折り合いが悪く、アンのもとを去る。
  • ローランド・ネルソン - 主人公の父。チェスのアマチュア棋士。アンとはたまに会う程度の関係。自宅にて自殺したと推察される状態で発見される。
  • パール・ネルソン - ローランドの再婚相手。前夫の莫大な遺産と貴重な美術品・希少本などを相続している。
  • トマス・タール - サンフランシスコの刑事。ローランド事件を捜査する。30代独身で派手な身なりの女性とつきあっている。
  • ジョアン - パールにローランドを奪われた女性。住居を専門にする建築設計士。
  • アレクサンダー - ジョアンの夫。ローランドと同じアマチュア棋士。チェス関連グッズの蒐集家。
  • エドガー・モードレイ - パールの従兄弟。一族が興した報道出版社を売却して、稀少本の販売業に転じた実業家。
  • マーティン・ジョーンズ - 死体の第一発見者の建築業者。ローランドを作業員として雇ったことがある。ローランドの自宅はマーティンから借りた家。
  • アーサー・アーキンズ - 保険代理人。
  • ベンジャミン・コーレイ - 報道写真家。
  • メッガー - 郡警察の保安官。

内容[編集]

エラリー・クイーンのペーパーバック描き下ろし[1]作品の一つ。著者のジャック・ヴァンスはSF作家として、日本でも知られている作家である[2]

提示される謎[編集]

  • 密室(自殺と思われる被害者の自宅)

特記事項[編集]

  • 登場人物の一覧が、国名シリーズの「チャイナ橙の謎」のような登場人物を茶化した紹介になっている。

脚注[編集]

  1. ^ クイーンの『ローマ帽子の謎』に始まる作品群はハードカバーで発売
  2. ^ 「チェスプレーヤーの密室」解説(原書房)