チエノピリジン
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チエノピリジンとは、窒素を1つ含む六員環芳香族化合物であるピリジンと、硫黄を1つ含む五員環芳香族化合物であるチオフェンが、環の1辺を共有して縮合した二環式化合物である。化学の分野では、単にチエノピリジンという場合は Thieno[3,2-b]pyridine を指す[1]。
ピリジン側の環に水素付加したものは、正確には4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[○,○-○]ピリジンと呼ばれる。
チエノピリジン系薬剤
[編集]4,5,6,7-Tetrahydrothieno[3,2-b]pyridine 骨格を持つチエノピリジン系薬剤は、選択的・不可逆的[2]ADP受容体(P2Y12)阻害薬であり、抗血小板活性を持つため抗血薬として使用される[3]。
例
[編集]2014年10月現在、日本では下記の薬剤が入手できる。
- 第一世代[3]
- チクロピジン(商品名パナルジン他)
- 第二世代[3]
- クロピドグレル(商品名プラビックス)
- 第三世代[3]
関連薬剤
[編集]チカグレロル(Brilinta)は海外ではチエノピリジン系薬剤と同様の用途に用いられているが、異なる系統(cyclo-pentyltriazolo-pyrimidine)に属し、可逆的P2Y12阻害薬である[2]。
出典
[編集]- ^ “thienopyridine | C7H5NS | ChemSpider”. www.chemspider.com. 2021年4月20日閲覧。
- ^ a b Alexopoulos, Dimitrios (2014). “P2Y12 Receptor Inhibitors in Acute Coronary Syndromes: From the Research Laboratory to the Clinic and Vice Versa”. Cardiology 127 (4): 211–219. doi:10.1159/000357399.
- ^ a b c d 榎本由貴子、超急性期から慢性期まで, 脳梗塞二次予防のための抗血栓療法 脳神経外科ジャーナル 2018年 27巻 7号 p.494-504, doi:10.7887/jcns.27.494
- ^ Angiolillo DJ, Bates ER, Bass TA (August 2008). “Clinical profile of prasugrel, a novel thienopyridine”. Am. Heart J. 156 (2 Suppl): S16–22. doi:10.1016/j.ahj.2008.06.005. PMID 18657682 .