チャイニーズ・アイズ
『チャイニーズ・アイズ』 | ||||
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ピート・タウンゼント の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | ロンドン イール・パイ・スタジオ、A.I.R.スタジオ、ウェセックス・スタジオ | |||
ジャンル | ロック、ニュー・ウェイヴ | |||
時間 | ||||
レーベル | アトコ・レコード | |||
プロデュース | クリス・トーマス | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ピート・タウンゼント アルバム 年表 | ||||
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『チャイニーズ・アイズ』(原題:All the Best Cowboys Have Chinese Eyes)は、ピート・タウンゼントが1982年に発表したスタジオ・アルバム。
背景
[編集]タウンゼントは、ザ・フー名義のアルバム『フェイス・ダンシズ』(1981年)リリースに伴う短期のツアーの後、妻や娘のもとを離れて酒とドラッグに溺れていたが、その後持ち直して家族とよりを戻し、ソロ・ワークに没頭した[1]。前ソロ・アルバム『エンプティ・グラス』(1980年)に引き続きクリス・トーマスがプロデューサーに起用され[6]、本作の音楽性はニュー・ウェイヴ色が強くなっている[1][7]。
収録曲「サンバディ・セイブド・ミー」はザ・フーによる録音も残されており[6]、アルバム『フェイス・ダンシズ』の1997年リマスターCDにボーナス・トラックとして追加収録された[8]。なお、本作のリリースから3か月後の1982年9月には、ザ・フー名義のアルバム『イッツ・ハード』が発売され、バンドは同作を最後に一度解散した[1]。
反響・評価
[編集]母国イギリスでは、本作が全英アルバムチャートで8週トップ100入りして最高32位を記録し[4]、シングル・カットされた「ユニフォームス」は全英シングルチャートで48位に達した[9]。アメリカでは26週にわたりBillboard 200入りし、最高26位を記録した[3]。ニュージーランドのアルバム・チャートでは5週連続でトップ50入りし、最高17位を記録した[2]。
Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「簡単に言えば、タウンゼントから見た1982年当時の最新の音楽」と評している[7]。また、Jon Parelesは1982年8月5日付の『ローリング・ストーン』誌のレビューで5点満点中4点を付け、「表面的には、タウンゼントが1980年に発表した『エンプティ・グラス』やザ・フーが1981年に発表した『フェイス・ダンシズ』よりも穏やかで説教臭い」としつつ「このアルバム全体において、場違いな音は殆どない」「最も大きな変化はタウンゼントのボーカルで、ここでは天使の如き穏やかさを伴い、自身の声域を最大限に生かしている」と評している[10]。
ロブ・ヒューズは2020年、loudersound.comの企画「ピート・タウンゼントの最も不当評価された10曲」において、本作収録曲「シー・リフュージズ・ノー・リバー」を6位に挙げている[11]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はピート・タウンゼント作。
- ストップ・ハーティング・ピープル - "Stop Hurting People" - 3:55
- シー・リフュージズ・ノー・リバー - "The Sea Refuses No River" (Pete Townshend, Alan Rogan) - 5:54
- プレリュード - "Prelude" (P. Townshend, Andy Newman) - 1:32
- フェイス・ダンシズ・パート・2 - "Face Dances, Pt. 2" - 3:25
- エクスクイジットリー・ボアード - "Exquisitely Bored" - 3:41
- コミュニケーション - "Communication" - 3:19
- スターダム・イン・アクタン - "Stardom in Acton" - 3:42
- ユニフォームス - "Uniforms (Corp d'Esprit)" - 3:43
- ノース・カントリー・ガール - "North Country Girl" (Traditional) - 2:27
- サンバディ・セイブド・ミー - "Somebody Saved Me" - 4:52
- スリット・スカーツ - "Slit Skirts" - 4:51
2006年リマスターCD(アメリカ盤、ヨーロッパ盤)ボーナス・トラック
[編集]- "Vivienne" - 3:38
- "Man Watching" - 2:33
- "Dance It Away" - 3:39
日本盤再発CD (TECI-24349, TECI-23588)ボーナス・トラック
[編集]- シー・リフュージズ・ノー・リバー(ライブ) - "The Sea Refuses No River (Live)" (P. Townshend, A. Rogan)
- スリット・スカーツ(ライブ) - "Slit Skirts (Live)"
参加ミュージシャン
[編集]- ピート・タウンゼント - ボーカル、ギター、キーボード
- クリス・ステイントン - アディショナル・キーボード
- ヴァージニア・アストレイ - ピアノ
- ジョン・ルイス - フェアライトCMI・プログラミング
- トニー・バトラー - ベース
- マーク・ブレゼジッキー - ドラムス
- サイモン・フィリップス - ドラムス
- ジョディ・リンスコット - パーカッション
- ポリ・パーマー - パーカッション
- ピーター・ホープ=エヴァンス - ハーモニカ
- アン・オーデル - ブラス・アレンジ(on #2)
脚注
[編集]- ^ a b c d DeRiso, Nick (2017年6月14日). “35 Years Ago: Pete Townshend Turns Inward on the Experimental 'All The Best Cowboys Have Chinese Eyes'”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media. 2022年7月28日閲覧。
- ^ a b charts.org.nz - Pete Townshend - All The Best Cowboys Have Chinese Eyes
- ^ a b “Pete Townshend - Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2022年7月28日閲覧。
- ^ a b PETE TOWNSEND | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
- ^ norwegiancharts.com - Pete Townshend - All The Best Cowboys Have Chinese Eyes
- ^ a b “Pete Townshend - British Rock Legend”. uDiscoverMusic (2020年6月13日). 2022年7月28日閲覧。
- ^ a b Erlewine, Stephen Thomas. “Pete Townshend - All the Best Cowboys Have Chinese Eyes Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2022年7月28日閲覧。
- ^ “Face Dances - The Who”. thewho.com. 2022年7月28日閲覧。
- ^ PETE TOWNSEND | full Official Chart History | Official Charts Company
- ^ Pareles, Jon (1982年8月5日). “All The Best Cowboys Have Chinese Eyes”. Rolling Stone. 2022年7月28日閲覧。
- ^ Hughes, Rob (2020年5月20日). “The Top 10 most underrated Pete Townshend songs”. loudersound.com. Future plc. 2022年7月28日閲覧。
外部リンク
[編集]- チャイニーズ・アイズ - Discogs (発売一覧)