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ツマリテングハギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ツマリテングハギ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
: ニザダイ科 Acanthuridae
: テングハギ属 Naso
: ツマリテングハギ N. brevirostris
学名
Naso brevirostris
(Cuvier1829)
シノニム[2]
  • Cyphomycter coryphaenoides J. L. B. Smith, 1955
  • Naseus brevirostris Cuvier, 1829
  • Naseus brevirostris Valenciennes, 1835
  • Naso brevirostris (Valenciennes, 1835)
英名
Spotted unicornfish

ツマリテングハギNaso brevirostris)は、テングハギ属海水魚インド西太平洋に分布する。

分類・名称

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1829年にフランス生物学者であるジョルジュ・キュヴィエによって Naseus brevirostris として記載された。タイプ産地は明らかにされていないが、おそらくインドネシア。種小名は「短い鼻」という意味で、テングハギに比べて頭部の突起が短いことに由来する[3]

沖縄県ではバショウカーと呼ばれる。英名は様々で、short-nosed unicornfish、spotted unicornfish、brown unicornfish、lined unicornfish、longnose surgeonfish、palefin unicornfish、paletail unicornfish、shorthorned unicornfish、shortsnouted unicornfishなどがある。

分布と生息地

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インド太平洋に広く分布する。分布域は紅海からアフリカ東海岸に沿って南アフリカダーバンまで、インド洋を通って西太平洋に至り、東はピトケアン諸島ハワイ諸島まで、北は日本、南はオーストラリアまで広がる[1]。オーストラリアでは、ニンガルー・リーフからグレートバリアリーフ北部、珊瑚海、南はクイーンズランド州モートン湾タスマン海ロード・ハウ島地域まで分布している[4]。東太平洋ではガラパゴス諸島周辺で見られる[1]ラグーンサンゴ礁に生息し、生息水深は46 m以浅[4]

形態

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背鰭は6棘27 - 29軟条から、臀鰭は2棘27 - 29軟条から成る。体長は体高の2 - 2.7倍。吻は短い。成魚は和名の通り、頭部に天狗の鼻のような角状突起をもつ。ただし同属のテングハギの突起よりは短い。全長10 cmで頭部が隆起し始める。尾柄部に鋭い骨質板をもつため、触れると危険である。骨質板は雄の方が大きい。尾鰭は截形か扇形[5]

体色は青みがかった灰色からオリーブ色で、体前部は青白く、体色ははっきりと分かれる。濃い灰色の細い縞が入り、下半身では小さな斑点になる。頭には小さな黒点や格子状の線が入る。突起には黒い斜めの線があり、鰓蓋の縁は白く、唇の縁は淡い青色で、尾鰭は大部分が白い[5]。全長は最大60 cm[2]

生態

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集団産卵を行い、ペアを作って産卵する。全長25 cmで性成熟する[1]。成魚は主に動物プランクトンを、幼魚は主に藻類を捕食する[4]。食性の変化は頭部の隆起と同時期に起こる[5]

利用

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スピアフィッシングで漁獲され、食用になるが、シガテラ中毒の例がある[2]アクアリウムでは飼育されない。分布域が広く、個体数も安定していると考えられるため、国際自然保護連合(IUCN)は本種を低危険種としている[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e Abesamis, R.; Clements, K.D.; Choat, J.H. et al. (2012). Naso brevirostris. IUCN Red List of Threatened Species 2012: e.T177990A1513480. doi:10.2305/IUCN.UK.2012.RLTS.T177990A1513480.en. https://www.iucnredlist.org/species/177990/1513480. 
  2. ^ a b c Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2024). "naso brevirostris" in FishBase. January 2024 version.
  3. ^ Order ACANTHURIFORMES (part 2): Families EPHIPPIDAE, LEIOGNATHIDAE, SCATOPHAGIDAE, ANTIGONIIDAE, SIGANIDAE, CAPROIDAE, LUVARIDAE, ZANCLIDAE and ACANTHURIDAE”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf and Kenneth J. Lazara (12 January 2021). 18 January 2024閲覧。
  4. ^ a b c Bray, D.J. (2019年). “Naso brevirostris”. Fishes of Australia. Museums Victoria. 18 January 2024閲覧。
  5. ^ a b c John E. Randall (2022). “Family Acanthuridae”. In Phillip C Heemstra; Elaine Heemstra; David A Ebert et al.. Coastal Fishes of the Western Indian Ocean. 5. South African Institute for Aquatic Biodiversity. pp. 219-244. ISBN 978-1-990951-32-9. https://saiab.ac.za/wp-content/uploads/2022/11/1._wiof_volume_5_text.pdf 

関連項目

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