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ティラノミムス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ティラノミムス
生息年代: 中生代前期白亜紀バレミアン期, ~Barremian
ティラノミムスの復元図
ティラノミムスの復元図
地質時代
前期白亜紀バレミアン期 - 1億2000万年前[1]
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
階級なし : テタヌラ類 Tetanurae
階級なし : オルニトミモサウルス類 Ornithomimosauria
: デイノケイルス科 Deinocheiridae
: ティラノミムス属 Tyrannomimus
学名
Tyrannomimus
Hattori et al., 2023

ティラノミムス [2]学名 : Tyrannomimus)は前期白亜紀日本に生息していたデイノケイルス科獣脚類北谷層から発見され、タイプ種ティラノミムス・フクイエンシスTyrannomimus fukuiensis)。

発見と命名

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ティラノミムスの既知の部位

1998年に初めて指先の化石が産出し[3]、後の2018年には28点の追加標本が得られ研究が加速した[4]。2019年までに発見された化石は55個に及ぶ[4]

ティラノミムスは頭蓋後の部分的な骨格から成るホロタイプFPDM-V-11311に基づき記載された[5]。 属名は腸骨の垂直稜などを中心にティラノサウルス上科と類似した形態を示すことに、種小名は福井県で産出したことに由来する[5]

オルニトミモサウルス類としては日本初、2023年9月時点で福井県では6種目の恐竜、日本では11種目の恐竜となる。

形態

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全長約2m、体重約20kgと推定される[4][6]。 上腕骨に直径約1mmの穴がある点で他のオルニトミモサウルス類と区別できる[4]

分類

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ティラノミムスは、Hattori et al. (2023) により系統解析が行われ、ハルピミムス姉妹群としてデイノケイルス科に分類した。以下のクラドグラムは記載論文のもの[5]

オルニトミモサウルス類

ンクウェバサウルス

ペレカニミムス

シェンゾウサウルス

ベイシャンロン

LH-02-01

デイノケイルス科

ティラノミムス

ハルピミムス

ガルディミムス

デイノケイルス

パラゼニサウルス

オルニトミムス科

アーケオルニトミムス

Bissekty ornithomimid

シノルニトミムス

ラティヴァテス

ストルティオミムス

ガリミムス

アンセリミムス

オルニトミムス

キウパロン

データセットには含まれていなかったが、Hattori et al.はティラノミムスとの類似性から、アヴィアティラニスも基盤的なオルニトミモサウルス類であると考えた[5]

古環境

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フクイラプトルに狩られるティラノミムス

ティラノミムスは、様々な多種多様な恐竜にともに生活していた。それらの恐竜のほとんどは福井県にちなんで名付けられている。これらには、竜脚類フクイティタン鳥脚類フクイサウルスコシサウルス、獣脚類のフクイラプトルフクイヴェナトルフクイプテリクスが含まれた[7][8][9]

脚注

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  1. ^ 国内11例目の新種恐竜「ティラノミムス・フクイエンシス」 1億2000万年前の地層から”. 福井テレビ. 2023年9月8日閲覧。
  2. ^ 新恐竜はティラノサウルスもどき 98年から発掘の化石、福井 | 全国のニュース”. 福井新聞ONLINE. 2023年9月8日閲覧。
  3. ^ 新種の恐竜“ティラノミムス”発見!オルニトミモサウルス類では全国初…福井県で7年ぶりの快挙 | TBS NEWS DIG (1ページ)”. TBS NEWS DIG (2023年9月8日). 2023年9月8日閲覧。
  4. ^ a b c d 「ティラノもどき」見つけた 福井の羽毛恐竜化石、新種と認定”. 毎日新聞. 2023年9月8日閲覧。
  5. ^ a b c d Hattori, Soki; Shibata, Masateru; Kawabe, Soichiro; Imai, Takuya; Nishi, Hiroshi; Azuma, Yoichi (2023-09-07). “New theropod dinosaur from the Lower Cretaceous of Japan provides critical implications for the early evolution of ornithomimosaurs” (英語). Scientific Reports 13 (1): 13842. doi:10.1038/s41598-023-40804-3. ISSN 2045-2322. https://www.nature.com/articles/s41598-023-40804-3. 
  6. ^ 福井県で新種恐竜化石、学名はティラノミムス・フクイエンシス 県立恐竜博物館発表(福井新聞ONLINE)”. Yahoo!ニュース. 2023年9月8日閲覧。
  7. ^ Azuma, Y.; Shibata, M. (2010). “Fukuititan nipponensis, a new titanosauriform sauropod from the Early Cretaceous Tetori Group of Fukui Prefecture, Japan”. Acta Geologica Sinica - English Edition 84 (3): 454–462. doi:10.1111/j.1755-6724.2010.00268.x. 
  8. ^ Shibaba, Masateru; Azuma, Yoichi (2015). “New basal hadrosauroid (Dinosauria: Ornithopoda) from the Lower Cretaceous Kitadani Formation, Fukui, central Japan.”. Zootaxa 3914 (4): 421–440. doi:10.11646/zootaxa.3914.4.3. PMID 25661952. http://www.mapress.com/zootaxa/2015/f/z03914p440f.pdf. |
  9. ^ Imai, T., Azuma, Y., Kawabe, S., Shibata, M., Miyata, K., Wang, M., & Zhou, Z. (2019). An unusual bird (Theropoda, Avialae) from the Early Cretaceous of Japan suggests complex evolutionary history of basal birds. Communications Biology, 2(1). doi: 10.1038/s42003-019-0639-4

外部リンク

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