テオバルト・ベーム
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テオバルト・ベーム(Theobald Böhm, 1794年4月9日 - 1881年11月25日[1])は、ドイツ人の発明家、音楽家である。従来のフルートの楽器としての性能を向上させた「ベーム式フルート」を完成させた。フルート奏者としても一流であり、バイエルン王国の宮廷音楽家として活躍した。さらに、作曲家としても、フルートのための作品を残した。
経歴
[編集]テオバルトは1794年にバイエルン選帝侯国(後の王国、現バイエルン州)の首都ミュンヘンで産まれ、父から貴金属の加工法を学んだ。その技術を応用して木製のフルートを自作し、18歳の時にはオーケストラに入団できる程に上達し、21歳で宮廷管弦楽団の首席奏者となった。
1831年にロンドンで、チャールズ・ニコルソン(1795年 - 1837年)によるフルート演奏を聴いたことをきっかけにフルートの本格的な改良に着手し、翌年にいわゆる円錐ベーム式フルートを発表した。その後もフルートの材料として、熱帯産の硬い木材、銀、金、ニッケル、銅など様々な素材を試していった。さらにフルートの構造に関して、音孔の大きさや位置に関する検討も行った。
50歳を過ぎてからミュンヘン大学にて音響学を学んだ後、今日のフルートとほぼ変わらない金属製のフルートを開発して1847年に特許を取得し、1851年にはロンドン万博にて一般公開された。
1871年にはベーム式フルートの音響学的、技術的、芸術的な側面について解説した『"Die Flöte und das Flötenspiel"(フルートとフルート奏法)』を出版した[2]。
出典
[編集]- ^ Theobald Boehm German woodwind maker Encyclopædia Britannica
- ^ 英訳書:Theobald Boehm, The Flute and Flute-Playing, Dover Publications, ISBN 978-0-486-21259-3
外部リンク
[編集]- 全般
- 作品個別(試聴等)
- 大ポロネーズ(Grand Polonaise)作品16
- Böhm - Grand Polonaise, op.16 - Matthew Ross(Fl)、Kseniia Polstiankina(P)による演奏。当該Fl独奏者自身の公式YouTube。
- T. Boehm:Grand Polonaise, op.16 - Denis Bouriakov(Fl)、Ji-Yoon Kim(P)による演奏。当該Fl独奏者自身の公式YouTube。
- Grande polonaise:pour la flûte avec accomp. d'orchestre ou de piano;op.16 - 『Deutsche Digitale Bibliothek』より《伴奏ピアノ譜(初版とみられる)を公開》
- Grande Polonaise for flute & piano, Op.16 - 『AllMusic』より《ディスコグラフィ一覧》