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テン属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テン属
ムナジロテン
ムナジロテン Martes foinas
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 食肉目 Carnivora
亜目 : イヌ型亜目 Caniformia
下目 : Arctoidea
小目 : Mustelida
上科 : イタチ上科 Musteroidea
: イタチ科 Mustelidae
: テン属 Martes
学名
Martes Pinel, 1792[1]
タイプ種
Martes foinas (Erxleben, 1777)[1]
和名
イタチ亜科[2][3]

テン属(貂属、テンぞく、Martes)は、食肉目イタチ科に含まれる属。

分布

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北アメリカ大陸ユーラシア大陸インドネシア日本[2][3]

形態

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指趾の裏は体毛で被われる[2]。喉は白や橙色などの明色の体毛で被われる[3]

歯列は門歯が上下6本、犬歯が上下2本、小臼歯が上下8本、大臼歯が上顎2本、下顎4本で計38本[3]。爪はやや引っ込めることができる[2]

分類

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アメリカアナグマTaxidea taxus

ラーテルMellivora capensis

ブタハナアナグマArctonyx collaris

Meles meles

タイラEira barbara

フィッシャーMartes pennanti

クズリGulo gulo

キエリテンM. flavigula

ムナジロテンM. foina

アメリカテンM. americana

マツテンM. martes

クロテンM. zibellina

テンM. melampus

イタチ科の他属

(Koepfli et al., 2008)より核DNAやミトコンドリアDNAのベイズ法により系統推定した系統図を抜粋[4]

2008年に発表されたイタチ科の核DNAやミトコンドリアDNAの最大節約法最尤法ベイズ法による系統推定では、クズリ属タイラ属とは全体として単系統群を形成する[4]。一方でフィッシャーを含む・あるいはクズリを含まない本属は偽系統群と推定されている[4]。この論文ではイタチ科内の亜科の復活や再定義も提唱しており、その説に従えば本属・タイラ属・クズリ属からなる単系統群でMartinaeを形成する[4]

属内の系統では解析法によって不定形な点があり、マツテンとクロテンからなる単系統群の姉妹群が最大節約法ではテン、最尤法ではアメリカテン、ベイズ法ではこれらが3分岐と推定されている[4]

以下の分類はMSW3(Wozencraft, 2005)、和名は(斉藤・伊東・細田・西木, 1991)に従う[1][3]

生態

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森林に生息するが、ムナジロテンは森林よりも岩場などに生息し市街地にも生息する[2][3]。多くの種は群れを形成せず単独で生活するが[2]、キエリテンはペアや家族群で獲物を捕らえる[3]

食性は雑食で、小型哺乳類、果実などを食べる[2][3]

人間との関係

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毛皮が利用されることもある[2][3]

開発による生息地の破壊、毛皮用の乱獲などにより生息数が減少した種もいる[2][3]

画像

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参考文献

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  1. ^ a b c W. Christopher Wozencraft, "Martes". Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, pp. 608-611.
  2. ^ a b c d e f g h i 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編『動物大百科1 食肉類』、平凡社1986年、132-133頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j 斉藤勝・伊東員義・細田孝久・西木秀人 「イタチ科の分類」『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1991年、31-36頁。
  4. ^ a b c d e f Klaus-Peter Koepfli, Kerry A Deere, Graham J Slater, Colleen Begg, Keith Begg, Lon Grassman, Mauro Lucherini, Geraldine Veron, and Robert K Wayne, "Multigene phylogeny of the Mustelidae: Resolving relationships, tempo and biogeographic history of a mammalian adaptive radiation", BMC Biology, Volume. 6, No. 1, 2008, pp. 10-22.
  5. ^ 小原秀雄 「ニルギリキエリテン」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社2000年、144頁。