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ディディモゾーン科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ディディモゾーン科
分類
: 動物界 Animalia
: 扁形動物門 Platyhelminthes
: 吸虫綱 Trematoda
亜綱 : 二生亜綱 Digenea
: 斜睾吸虫目 Plagiorchiida
: ディディモゾーン科 Didymozoidae
学名
Didymozoidae
Monticelli, 1888
英名
didymozoid

ディディモゾーン科は魚類に寄生する吸虫。英語における総称からディディモゾイドと呼ばれることが多い。

形態

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球状あるいはひも状の虫。子宮内に淡黄色の虫卵が充満しており、虫体は黄色に見える。

生態

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宿主はカツオマダイトビウオマグロなど、様々な魚類である。生活史はほとんど明らかになっておらず、軟体動物甲殻類魚類などの中間宿主を経ていると想定されている[1]。個々の種は、強い宿主特異性、部位特異性を示す[2]

人間との関わり

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食用魚類に寄生していることも多く、消費者から異物の苦情としてあげられることが多い[1]

ヒトに寄生することはなく食べても無害であるが、消化されなかった虫卵が糞便検査で「不明虫卵」として報告されることがある[2]

分類

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6亜科に数十属が知られている。日本で水産業上重要な魚種から報告されたものを挙げる[3]

Didymozoon
マグロ属、ブリの鰓
Didymocylindrus
マグロ属の鰓
Didymocystis
マグロ属、ブリの鰓、口腔、胃
Labatozoum
マグロ属の鰓
Platocystis
マグロ属の体表
Gonapodasmius
マダイの筋肉[4]、トビウオの筋肉[2]
Koellikeria
マグロ属、ブリの口腔、食道、腸、肛門、鰓
Coeliotrema
マグロ属の腸間膜
Metanematobothrium
マグロ属の鰓、消化管、筋肉

参考文献

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  1. ^ a b 武部ら「クロマグロ幼魚に寄生していた吸虫ディディモゾイド科Didymocystis wedliの奄美大島海域における消長および伝搬性」『日本水産学会誌』第79巻第2号、2013年、214-218頁、doi:10.2331/suisan.79.214 
  2. ^ a b c 亀谷俊也「いわゆるトビウオに由来する不明虫卵の母虫について」『寄生虫学雑誌』第20巻第3号、1971年、170-176頁。 
  3. ^ 江草・中島「文献集蠕虫編-養殖対象魚類に寄生する日本産蠕虫類-」『魚病研究』第4巻第2号、1970年、147-171頁、doi:10.3147/jsfp.4.147 
  4. ^ 中島ら「マダイの筋肉内に虫竈をつくる吸虫Gonapodasmius okushimai ISHII,1935」『魚病研究』第8巻第2号、1974年、175-176頁、doi:10.3147/jsfp.8.175