デイヴィッド・M・スミス
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デイヴィッド・マーシャル・スミス(David Marshal Smith、1936年[1] – 2021年)は、イギリスの人文地理学者。スミスは、道徳哲学を人文地理学に導入することを試み、研究分野としての道徳地理学の展開を可能にした。スミスは引退するまで、ロンドン大学クイーン・メアリーの教授を務めていたが[2]、それ以前にはマンチェスター大学や、アメリカ合衆国の南イリノイ大学、フロリダ大学の教員を歴任し、また、短期間ながら南アフリカ共和国のナタール大学、ウィットウォーターズランド大学、オーストラリアのニューイングランド大学でも教鞭を執った。スミスの研究アプローチに大きな影響を与えたのは、アウグスト・レッシュの『経済立地論』と、「誰が何を得るのか、いつ、いかに (who gets what, when and how)」を問題とするのが政治であるとしたハロルド・ラスウェルの議論であり、スミスはこれに人文地理学者が問う「どこで (where)」を加えたのであった[3][4][5]。
スミスは、2009年にイギリス学士院フェローに選出された[6]。
おもな著書
[編集]- Smith, D. M. (1970) Industrial location : an economic geographical analysis, John Wiley & Sons
- Smith, D. M. (1977) Human Geography: A Welfare Approach, Edward Arnold
- Smith, D. M. (1979) Where the Grass is Greener: Living in an Unequal World, Croom Helm
- Smith, D. M. (1994). Geography and social justice. John Wiley & Sons
- Smith, D. M. (2000). Moral geographies: Ethics in a world of difference. Edinburgh University Press.
脚注
[編集]- ^ 「"Smith, David Marshall, 1936-"」国立国会図書館。2024年10月26日閲覧。
- ^ “David Smith” (英語). www.qmul.ac.uk. 25 June 2024時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月25日閲覧。
- ^ Lee, Roger (2022) David Smith obituary, The Guardian 10th March
- ^ Hilton, Matthew (2021年11月23日). “Remembering Emeritus Professor David Smith” (英語). Queen Mary University of London. 2024年2月7日閲覧。
- ^ Slater, Tom; Lee, Roger. “David M. Smith”. Biographical Memoirs of Fellows of the British Academy 21: 359–380 .
- ^ “Professor David Smith FBA” (英語). The British Academy. 2024年2月7日閲覧。