デビット・スタンリー・ヒューエット
デビット・スタンリー・ヒューエット | |
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David Stanley Hewett | |
生誕 |
1967年 アメリカ合衆国オハイオ州シンシナティ |
国籍 | アメリカ合衆国 |
公式サイト |
hewett |
デビット・スタンリー・ヒューエット(英語: David Stanley Hewett[1])は、日本を拠点に活動しているアメリカの画家および陶芸家[2][3][4][5]。武士道や神道の思想に影響を受けた前衛的な絵画で知られ、繊細な金箔装飾を作品に取り入れている[6][2][7][8][9]。
来歴
[編集]1967年にアメリカ・オハイオ州シンシナティで生まれる[3][10]。母親と長兄も画家だったこともあり、幼い頃から絵画に親しんでいた[2][3]。5歳の頃、母親がガレージのスペースを貸していた陶芸家の作品を見て、陶芸や作陶を始める[2][3]。
14歳のときに空手を習ったことをきっかけに、日本文化に興味を持つ[7][11][12]。その後、マサチューセッツ大学で日本の美術や歴史を学び、1990年に卒業[7][13][12]。また、1988年には北海道大学で交換留学生として過ごした[3][14][11]。大学卒業後は東京に移り、彫刻家・陶芸家の川村幸子の下で2年間陶芸を学ぶ。[2][3][7][8]
2年間の研鑽を終えてアメリカに帰国した後、アメリカ海兵隊に入隊し、4年間勤務した[2][9]。除隊後、日本語雑誌『Takara』をボストン地区で発行[2]。
経歴
[編集]1991年、東京都美術館で開催された国際的アーティストの合同展覧会にヒューエットの作品が出品された[15]。
1992年に吉祥寺のリベストギャラリー創で最初の本格的な個展を開催[2][11][16][17]。この個展を見たインテリアデザイナーがヒューエットの作品に目を止め、帝国ホテルのアート・コンペに出品した結果、帝国ホテルから壁に飾る108点の絵画制作の依頼を受けた[2][3][16][17]。
1993年には井の頭恩賜公園で長さ200メートルの1枚の和紙を使用し、周囲の自然と一体化したアート展を開催[3][15][18]。同年、歌手・広瀬香美のCDジャケットのデザインも手掛けた[15][18]。
2005年、ホテルオークラ東京(現The Okura Tokyo)のスパギャラリーのために陶芸作品と絵画の提供を依頼された[19][3][18][20]。他にも、ザ・ペニンシュラ東京やオークウッドプレミア東京など、数多くの高級ホテルに作品を提供している[7][16][20]。
2008年、百貨店の高島屋から男性用帯のデザインを依頼される。このデザインはその年の国内最多販売数を記録[2][14][16]。高島屋とのコラボレーションでは、男性用と女性用の浴衣もデザインした[2][16][21]。
また、オーストリアのワイングラスメーカー・リーデル社のために、自らの絵画をモチーフにしたワイングラスとデカンタをデザインした[16][22]。
2017年、絵画作品「Majime」が当時の安倍晋三内閣総理大臣夫人の安倍昭恵からメラニア・トランプ米大統領夫人への贈呈品として贈られた[23][24][25]。この絵画はアメリカ国立公文書館に収蔵された[8][23]。また、「Magnificent」と題した絵画作品が、2017年に開催された「第11回アジアコンテンポラリーアートショー」で展示された[26]。
2018年、NHKワールドジャパン番組『ジャパノロジープラス』のメインゲストとして出演[27]。
主なギャラリーと展示
[編集]ヒューエットの作品は、以下のような様々なギャラリーや場所で展示されている。
- リベストギャラリー創(吉祥寺)[2][11]
- Fabrik Gallery(香港)[26][28]
- ギャラリー深澤(軽井沢)[29]
- Tokyo Gallery(シンガポール)[30]
- ブレンダ・テイラー・ギャラリー(ボストン)[31]
- ホテルオークラ東京(常設展示)[3][18]
- GINZA SIX(常設展示)[32][33]
- フォーシーズンズホテル丸の内東京(常設展示)[34]
- ザ・ペニンシュラ東京(常設展示)[7][16]
- オークウッドプレミア東京(常設展示)[7][16]
長野県軽井沢町に、自身のアトリエ兼ギャラリーを構えている[24][35][36]。
脚注
[編集]- ^ デビット・スタンリー・ヒューエット展. Gallery Fukazawa。
- ^ a b c d e f g h i j k l “デビット スタンリー・ヒューエット: 美の驚異 | J SELECT | JAPAN SELECT”. jselect.net (2018年3月16日). 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j Kenrick, Vivienne (2006年2月25日). “David Hewett” (英語). The Japan Times. 2021年9月14日閲覧。
- ^ Love Shinsu David Stanley Hewett. Kura. Nagano, Japan Machinami Country Press. August 2018。
- ^ The American Bushi with a Japanese heart. ‘The best place’ to create art work, Karuizawa。
- ^ The ancient Japanese Spirituality is expressed by paintings using gold leaf。
- ^ a b c d e f g “Talking Hospitality And Business With David Stanley Hewett” (英語). Agora Gallery - Advice Blog (2016年9月1日). 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b c “Style and Substance” (英語). Intouch Magazine. p. 20-21 (2021年1月1日). 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b “Inspired by Japan” (英語). Kyoto Journal (2019年8月11日). 2021年9月14日閲覧。
- ^ “アーティスト デビット・スタンリー・ヒューエットさん|ピープル|軽井沢新聞|軽井沢Web”. 軽井沢Web. 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b c d “Wonderful Nippon 日本をもっと知りたい Vol.3 〜ART meets BUSHIDO〜 アーティスト デビット・スタンリー・ヒューエットさん – Qorretcolorage (コレカラージュ)”. qorretcolorage.com. 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b “技術の伝承が もたらす未来”. Global Edge (Winter 2020). 2021年9月14日閲覧。
- ^ “Wonderful Nippon 日本をもっと知りたい Vol.3 〜ART meets BUSHIDO〜 アーティスト デビット・スタンリー・ヒューエットさん – Qorretcolorage (コレカラージュ)”. qorretcolorage.com. 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b “Meet celebrity dad: David Hewett” (英語). Tokyo Families Magazine (2011年7月28日). 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b c “GALLERY TOKYO EIZO”. tokyo-eizo.jp. 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “「武士道」を現代的に解釈した作品で世界的な人気を誇る、米国出身アーティスト、デビット・スタンリー・ヒューエット”. Japan Luxury Lifestyle. 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b “Crafting a Creative Course” (英語). INTOUCH Magazine. p. 24-27 (March 2020). 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b c d Co.,Ltd, Takashimaya. “【開催中】武士道の美~David Stanley Hewett展 Bushido-Legacy | It Art! ~なんば美術手帳~”. 大阪タカシマヤBLOG. 2021年9月14日閲覧。
- ^ Imperial Hotel, Hotel Okura (now the Okura Hotel), Peninsula Hotel。
- ^ a b “Imperial Hotel, Hotel Okura (now the Okura Hotel), Peninsula Hotel, A work of art that impresses VIPs around the world.”. Kura, Nagano, Japan (Machinami Country Press). (February 2020).
- ^ http://blog.livedoor.jp/auberginefleur/?p=64
- ^ “【リーデル銀座店】4月19日(金)リーデルのハンドメイドワイングラスとデカンタにデビット・スタンリー・ヒューエット氏の代表作<武士道 シリーズ>のデザインを施した新作を発売 – 《公式》ワイングラスの名門ブランド – RIEDEL(リーデル)”. 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b “Office of the Chief of Protocol; Gifts to Federal Employees From Foreign Government Sources Reported To Employing Agencies in Calendar Year 2017”. Federal Register (2019年3月7日). 2021年9月14日閲覧。
- ^ a b “Samurai Inspired Art” (英語). INTOUCH Magazine. p. 24 (April 2018). 2021年9月14日閲覧。
- ^ “Love Shinsu: David Stanley Hewett”. Kura, Nagano, Japan (Machinami Country Press): 30. (August 2018) .
- ^ a b “The Asia Contemporary Art Show returns this fall for its 11th edition” (英語). homejournal.com. 2021年9月14日閲覧。
- ^ Japanology Plus - Japanophiles: David Stanley Hewett. Episode Number 96, Season 2. Originally aired Tuesday, November 20, 2018
- ^ “David Stanley Hewett”. ASIA CONTEMPORARY ART. 2021年9月14日閲覧。
- ^ “2020 デビット・スタンリー・ヒューエット展 2月5日(水)〜”. ギャラリー深澤. 2021年9月14日閲覧。
- ^ “David Stanley Hewett | Tokyo Gallery SG” (英語). Tokyo Gallery by Musee Collection. 2021年9月14日閲覧。
- ^ “Walks | Galleries” (英語). The Boston Globe. pp. 136 (1994年5月26日). 2021年9月14日閲覧。
- ^ “David Stanley Hewett "Legacy"” (英語). Tokyo Art Beat. 2021年9月14日閲覧。
- ^ “-Legacy-デビット スタンリー ヒューエット展2017年6月29日(木)~7月5日(水)GINZA SIX 5階 Artglorieux (アールグロリュー)にて開催”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 2021年9月14日閲覧。
- ^ “「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」で、デビット・スタンリー・ヒューエット氏の作品世界を愛でる。|Lifestyle|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン)”. madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) (2010年7月23日). 2021年9月14日閲覧。
- ^ “The American Bushi with a Japanese heart. 'The best place' to create art work, Karuizawa.”. KURA: 147–148 .
- ^ “The ancient Japanese Spirituality is expressed by paintings using gold leaf”. Pen. Tokyo Japan (CCC Media House). (June 2018).