デフ・ウェスト・シアター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

デフ・ウェスト・シアター(英語: Deaf West Theatre)は、カリフォルニア州のノース・ハリウッドを拠点とする劇団である。デフ・ウェスト・シアター社はロサンゼルスに暮らす120万人のろう者と難聴者の文化生活を直ちに改善し豊かにすることを目的に設立された。デフ・ウェスト・シアターは アメリカ合衆国の西側で最初となる手話演劇の常設劇団として知られており、その芸術的功績によりプロダクションや俳優、演出家は80以上の演劇賞で表彰されてきた[1][2]

今日、デフ・ウェスト・シアターはプロフェッショナルな演劇界への進出とアクセスを提供し、ろうのアーティストと観客の不足を埋めていこうとしている。構成メンバーの文化的な、教育的な、社会的な、そして雇用面でのニーズを満たし、アーティストのアイデンティティと才能の探究と発見を目指す機関である[3]手話演劇という手法によって、ろう演劇の遺産が生み出され、共有され、保存されようとしている。

デフ・ウェスト・シアターは、古典の翻案や現代演劇、オリジナル作品を上演し、高い芸術的品質の演劇プロダクションを提供することで、俳優や作家、演出家、デザイナーの才能を育てていこうとしている。デフ・ウェスト・シアターの作品は英語の同時通訳をつけたアメリカ手話で上演されており、観客全員に価値ある演劇体験をもたらそうとしている。

2003年にブロードウェイのアメリカン・エアライン・シアターで上演された『ビッグ・リバー』のリバイバル公演と、2015年にブロードウェイのブルックス・アトキンソン劇場で上演された『春のめざめ』が、もっとも知られたデフ・ウェスト・シアターの業績である[4][5][6]。また、『ビッグ・リバー』は2004年秋に青山劇場で来日公演が行われた[7]

脚注[編集]

  1. ^ American Theatre Editors (2015年10月22日). “Deaf West’s ‘Spring Awakening’ Honored With Champions for Change Award”. 2017年11月12日閲覧。
  2. ^ Drama League Award History”. 2017年11月12日閲覧。
  3. ^ Tyrone Giordano. “Deaf West Theatre”. 2017年11月12日閲覧。
  4. ^ BEN BRANTLEY (2003年7月25日). “THEATER REVIEW; Twain's Tale, With Music for the Ear and Eye”. 2017年11月12日閲覧。
  5. ^ CHARLES ISHERWOOD (2015年9月27日). “‘Spring Awakening’ by Deaf West Theater Brings a New Sensation to Broadway”. 2017年11月12日閲覧。
  6. ^ Peter Marks (2017年9月27日). “‘Spring Awakening’ gets a stunning revival — and reinterpretation — with deaf actors”. 2017年11月12日閲覧。
  7. ^ ミュージカル『ビッグ・リバー』来日公演HP”. 2017年11月12日閲覧。

外部リンク[編集]