トゥー・ビー・ヤング・ギフティッド・アンド・ブラック
「トゥー・ビー・ヤング・ギフティッド・アンド・ブラック」 | ||||||||
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ニーナ・シモン の シングル | ||||||||
B面 | セイヴ・ミー | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | 7インチ・シングル | |||||||
ジャンル | ソウル、ブルース | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル | RCAビクター | |||||||
作詞 | ウェルドン・アーヴィン | |||||||
作曲 | ニーナ・シモン | |||||||
チャート最高順位 | ||||||||
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ニーナ・シモン シングル 年表 | ||||||||
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「トゥー・ビー・ヤング・ギフティッド・アンド・ブラック」(To Be Young, Gifted and Black)は、ニーナ・シモンが1969年に発表した楽曲。1965年に死去したロレイン・ハンズベリーの生涯を描いた演劇『To Be Young, Gifted and Black』からタイトルはとられた[2][3]。公民権運動のアンセムとして広く歌われた[4]。
概要
[編集]1965年1月12日、『A Raisin in the Sun』などの作品で知られるアフリカ系アメリカ人の劇作家、ロレイン・ハンズベリーは膵臓がんにより亡くなった。34歳だった[5]。1月15日にニューヨークのハーレムで行われた葬儀[6]では、ジェイムズ・ボールドウィンとマーティン・ルーサー・キング・ジュニアからのメッセージがそれぞれ朗読された。
ハンズベリーの元夫で友人でもあった詩人のロバート・ネミロフは、手紙やインタビュー記事や日記など、彼女の未発表の著作を収集し、舞台劇に脚色した。ネミロフはタイトルを『To Be Young, Gifted and Black』(「若くて、才能にあふれ、黒人であること」)とした。同作は好評を博し、1968年から1969年にかけて上演されたオフ・ブロードウェイの劇の中で最も成功した作品と一つなった[7][8]。
ニーナ・シモンとジャズ・ミュージシャンのウェルドン・アーヴィンはこの劇に着想を得て、本作を書いた。アーヴィンが作詞し、シモンが曲をつけた。1969年7月から8月にかけてハーレムのマウント・モリス公園で、多数の音楽家が出演するコンサート「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」が開かれた。シモンは8月19日に出演し、本作を披露した[9][10]。
同年10月、シングルとして発表。B面にはアレサ・フランクリンの「セイヴ・ミー」のカバーが収録された[1]。
同年10月26日、シモンはフィルハーモニック・ホールでコンサートを行い、本作を歌った。コンサートの音源を収録したライブ・アルバム『Black Gold』は翌1970年に発表された。9分以上に及ぶ「トゥー・ビー・ヤング・ギフティッド・アンド・ブラック」のライブ・バージョンはB面の最後に収められた。1971年3月に開かれた第13回グラミー賞で『Black Gold』は最優秀女性リズム・アンド・ブルース・ヴォーカル・パフォーマンス賞にノミネートされるが、アレサ・フランクリンの「Don't Play That Song」が受賞した。
シモンのシングルは1970年1月17日付のビルボード・Hot 100で76位を記録[11]。また、ビルボードのHot R&B Singlesチャートで8位を記録した。
カバー・バージョン
[編集]- ダニー・ハサウェイ - 1970年のアルバム『新しきソウルの光と道』に収録。
- ボブ&マルシア - 1970年のシングル。全英シングルチャートで5位を記録した[12]。
- ヘプトーンズ - 1970年のシングル。
- ヒューストン・パーソン - 1971年のアルバム『Houston Express』に収録。
- アレサ・フランクリン
- 1972年のアルバム『ヤング・ギフティッド・アンド・ブラック』に収録。
- 2007年に発売されたライブ・アルバム『Oh Me Oh My: Aretha Live In Philly, 1972』に収録。インストゥルメンタル・バージョン[13][14]。
- ミシェル・ンデゲオチェロ - 2012年のアルバム『Pour une Âme Souveraine: A Dedication to Nina Simone』に収録。
脚注
[編集]- ^ a b 45cat - Nina Simone - To Be Young, Gifted And Black / Save Me - RCA Victor - USA - 74-0269
- ^ Whitburn, Joel (2004). Top R&B/Hip-Hop Singles: 1942-2004. Record Research. p. 528
- ^ “Songs of Black Lives Matter: Nina Simone, "To Be Young, Gifted and Black"”. SoulMusic (13 July 2020). September 5, 2024閲覧。
- ^ Noel King, Walter Ray Watson (January 8, 2019). “Nina Simone's 'Lovely, Precious Dream' For Black Children”. www.wbur.org. September 5, 2024閲覧。
- ^ Carter, "Commitment amid Complexity" (1980), p. 43.
- ^ Carter, "Commitment amid Complexity" (1980), p. 40.
- ^ Margaret B. Wilkerson (Winter 1999). “Lorraine Hansberry: A Research and Production Sourcebook by Richard M. Leeson”. African American Review 33 (4): 710–712. doi:10.2307/2901367. JSTOR 2901367.
- ^ Fullwood, Steven G. (2010). “Young, Gifted, Black and Complicated: The Question of Lorraine Hansberry's Legacy”. Africana Heritage 10 (1): 1, 8, 9, 11 September 5, 2024閲覧。.
- ^ Ryan, Patrick. “Sundance 2021: Questlove takes us to forgotten 'Black Woodstock' in joyous concert doc 'Summer of Soul'”. USA Today. September 5, 2024閲覧。
- ^ Obenson, Tambay (January 29, 2021). “'Summer of Soul' Review: Questlove's Directorial Debut Captures the Legacy of Forgotten 'Black Woodstock'”. September 5, 2024閲覧。
- ^ “Nina Simone | Biography, Music & News”. Billboard. 2024年9月5日閲覧。
- ^ Roberts, David (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 67. ISBN 1-904994-10-5
- ^ Aretha Franklin – Oh Me Oh My: Aretha Live In Philly, 1972 (2007, Paper sleeve, CD) - Discogs
- ^ Aretha Franklin (2014年8月27日). “Young, Gifted and Black (Live in Philly 1972)”. YouTube. 2024年9月5日閲覧。
参考文献
[編集]- Carter, Stephen R. "Commitment amid Complexity: Lorraine Hansberry's Life in Action". MELUS 7(3), Autumn 1980.