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トゲハムシ亜科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トゲハムシ亜科 Hispinae
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目(多食亜目) Polyphaga
上科 : ハムシ上科 Chrysomeloidea
: ハムシ科 Chrysomelidae
亜科 : トゲハムシ亜科 Hispinae
Gyllenhal, 1813

トゲハムシ亜科(トゲハムシあか、Subfamilia Hispinae)とは、コウチュウ目(鞘翅目)ハムシ科亜科である。日本国内ではとげ)を具えるが多いことからこの和名があるが、棘の無いトゲハムシ(トゲナシトゲハムシ)も含まれている。

かつては和名としてトゲトゲを使用したが、トゲハムシという別名に置き換えていることもある。下記の和名のトゲハムシをトゲトゲに置き換えるのが古い表記ということになるが(カタビロトゲハムシ:カタビロトゲトゲ)、2000年代以降に出版された図鑑でも「〜トゲトゲ」で掲載していることもある。

なお、かつてカメノコハムシ亜科とされたものは、現在ではほとんどがここに含まれる。

トゲハムシとカメノコハムシの仲間には頭頂部が前方に強く突出し、口が頭頂部の下面に位置するという特徴がある。

日本産

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国内には下記の9属14種が生息する[1]

  • オキナワホソヒラタハムシ Agonita omoro
  • ヨナグニトゲハムシ Asamangulia yonakuni
  • ナガヒラタハムシ Brontispa longissima(キムネクロナガハムシ)[注 1]
  • ヒメキベリトゲハムシ Dactylispa angulosa (Solsky, 1871)
  • ヒゴトゲハムシ Dactylispa higoniae
  • イッシキトゲハムシ Dactylispa issikii(文献によってはタケトゲトゲと表記[3])
  • キベリトゲハムシ Dactylispa masonii Gestro, 1923
  • カタビロトゲハムシ Dactylispa subquadrata (Baly, 1874)
  • イネトゲハムシ Dicladispa armigera
  • クロトゲハムシ Hispellinus moerens (Baly, 1874)
  • ミヤモトホソヒラタハムシ Leptispa miyamotoi
  • タグチホソヒラタハムシ Leptispa taguchii
  • ツシマヘリビロトゲハムシ Platypria melli
  • クロルリトゲハムシ Rhadinosa nigrocyanea (Motschulsky, 1861)

トゲナシトゲトゲ

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トゲハムシ亜科に属するハムシにも成虫のない種があり、トゲナシトゲトゲトゲナシトゲハムシ)という和名で呼ばれる。しかし、形容矛盾であるとして「ホソヒラタハムシ」という和名も使われている。国内のトゲハムシ類14種のうち4種がこの種である[4]。具体的にはミヤモトホソヒラタハムシ、タグチホソヒラタハムシ、オキナワホソヒラタハムシ、ナガヒラタハムシ(キムネクロナガハムシ)の4種であり[5]、和名が「ホソヒラタハムシ」でないものも含まれる。

これらはが無いために外見の印象は異なるが、トゲハムシ亜科の重要な特徴は備えている。

トゲアリトゲナシトゲトゲ

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トゲナシトゲトゲの仲間にもトゲのある種があり、複数の文献でトゲアリトゲナシトゲトゲトゲアリトゲナシトゲハムシ)という呼び方で紹介している。その外見は普通のトゲハムシとは異なるものである。具体例が紹介されているのは池田清彦の著書『不思議な生き物─生命38億年の歴史と謎』で[6]、かつてタイで小宮義璋がトゲのあるトゲナシトゲトゲを発見したエピソードのほか、具体的な種名と写真も掲載している[注 2]。別の文献[7]には、東南アジア産種の中にトゲ状の突起を有するように進化したホソヒラタハムシ(トゲナシトゲトゲ)が見られ、それらを日本の愛好者が当時の和名にちなんで、かつてこのように呼んでいたことが記されている。トゲアリトゲナシトゲトゲという和名は2007年の時点では存在せず[4]、国内産のトゲハムシに該当するものはない。

脚注

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注釈

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  1. ^ 『台湾産ハムシ類幼虫・成虫分類図説』[2]ではキムネクロナガハムシの名で掲載し、ナガヒラタハムシを別名としている。
  2. ^ トゲアリトゲナシトゲトゲの例として「ベニモントゲホソヒラタハムシ」の標本写真を掲載している。写真は小檜山賢二の手による。

出典

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参考文献

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  • 青木淳一(編著)奥谷喬司(編著)松浦啓一(編著)『虫の名、貝の名、魚の名─和名にまつわる話題』東海大学出版会、2002年11月27日。 ISBN 4-486-01592-4ISBN 978-4-486-01592-5OCLC 52896192
  • 池田清彦『不思議な生き物─生命38億年の歴史と謎』角川学芸出版、2013年4月25日。 ISBN 4-04-653275-0ISBN 978-4-04-653275-6OCLC 848053844
  • 尾園暁『ハムシ ハンドブック』文一総合出版、2014年8月11日。 ISBN 4-8299-8122-9ISBN 978-4-8299-8122-1OCLC 886279177
  • 木元新作、滝沢春雄『日本産ハムシ類 幼虫・成虫分類図説』東海大学出版会、1994年7月1日。 ISBN 4-486-01287-9ISBN 978-4-486-01287-0OCLC 35298064
  • 木元新作、滝沢春雄『台湾産ハムシ類 幼虫・成虫分類図説』東海大学出版会、1997年7月1日。 ISBN 4-486-01401-4ISBN 978-4-486-01401-0OCLC 42900286
  • 黒沢良彦(解説)、渡辺泰明(解説)、栗林慧(写真)『甲虫』山と溪谷社〈新装版 山渓フィールドブックス 6〉、2006年5月24日。 ISBN 4-635-06063-2ISBN 978-4-635-06063-9OCLC 169949124
  • 森本桂 監修 編『新訂 原色昆虫大図鑑 第2巻(甲虫 篇)』北隆館〈原色昆虫大図鑑〉、2007年5月1日。 ISBN 978-4-8326-0826-9OCLC 924824501

外部リンク

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