トベラ属
表示
トベラ属 | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
トベラ(Pittosporum tobira)
| |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
種 | |||||||||||||||||||||
トベラ属(学名:Pittosporum)は、トベラ科の属の一つ。トベラ科の中では唯一日本に自生種のある属である。
属名の由来
[編集]属名の Pittosporum(ピットスポルム)は、pitta (ピッタ:樹脂の意)と sporos(スポロス:種子の意)の語からなっている[2]。これは、ギリシャ語の「べたべたしたタネ」に由来し、果実が熟すと中の種子が樹脂状の粘液に覆われ[2]、小鳥がついばんだときに嘴や羽毛などに付着し、遠くに運ばれて行くことに由来する。
特徴
[編集]その分布域から、ゴンドワナ大陸で発展した植物群と見られている。自生種は200種を超え、トベラ科の8割以上を占める。オーストラリアに最も多く、東アジア、アフリカ南東部、太平洋諸島などの熱帯から温帯にかけて分布している。日本でも、東北地方南部から南にトベラが分布するほか、小笠原諸島などにも6種が自生する。
樹高2-30 mくらいになる常緑または落葉の木本で、葉は単葉で、輪生または互生し、通常革質で、鋸歯や切れ込みのあるものはほとんどない。花は単生するか、円錐花序または散房花序を造り、花弁・萼片・おしべは5つある。花色は白・黄色・紫などのものがあり、香りの良いものが多い。
利用
[編集]日本ではトベラが庭木として栽植され、斑入り葉腫などの園芸種もできている。欧米では、オーストラリアやニュージーランドなどに原産する種が、数種園芸植物として栽培されている。性質の強いシマトベラ(P. undulatum)は、アメリカ合衆国などで雑草化している。
主な種
[編集]- シロトベラ(P. boninense)
- コヤスノキ(P. illicioides) - 準絶滅危惧(日本の環境省レッドリスト)[3]
- コバトベラ(P. parvifolium) - 絶滅寸前(日本の環境省レッドリスト)[3]
- トベラ(P. tobira) - 岩手県と富山県で準絶滅危惧の指定を受けている[4]。
- シマトベラ(P. undulatum)
-
P. confertiflorum
-
P. crassifolium
-
P. glabrum
-
P. phillyreoides
-
P. spinescens
-
P. tenuifolium
-
シマトベラ
P. undulatum -
トベラ
P. tobira -
P. viridiflorum
脚注
[編集]- ^ “Pittosporum Banks ex Soland.” (英語). ITIS. 2012年1月27日閲覧。
- ^ a b 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、66頁。ISBN 4-12-101834-6。
- ^ a b c “植物絶滅危惧種情報検索”. 生物多様性情報システム (2007年8月3日). 2012年1月27日閲覧。
- ^ “日本のレッドデータ検索システム(トベラ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2012年1月27日閲覧。
関連項目
[編集]- トベラ科
- トベラ
- ピットスポルム (小惑星):小惑星番号9306番の小惑星。トベラ属にちなみ命名された。