トリプレックス式機関車
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トリプレックス式機関車は、3台の動力台車を持つ蒸気機関車である。今までに製造された4両のトリプレックス式機関車はいずれもマレー式機関車と動力台車を持つ炭水車を組み合わせたものである。
ボールドウィン・ロコモティブ・ワークスは、1914 年から 1916 年にかけてエリー鉄道向けに車輪配置2-8-8-8-2のトリプレックス式機関車を3両製造した[1]。最初の機関車は、エリー鉄道の従業員にちなんでMatt H. Shayと名付けられた[1]。これらの機関車には「P1」の車両形式が与えられ、650 両の貨車を牽引することができた[2]。P1は主に補助機関車を必要とする区間の補助機関車として使われた。速度が16km/hと遅かったため、あまり成功したとは見なされず、追加車両は製造されず、1929年、1931年、1933年に廃車された[1]。 ボールドウィンは1916年にバージニアン鉄道用によく似た設計で車輪配置2-8-8-8-4のトリプレックス式機関車700番1両を製造した。この機関車には試作であることを示す「XA」の車両形式が与えられた。XAは最高速度が4.8~8.0km/hしかなく、維持費が高額だったため、失敗作としてボールドウィンに返送され、1920年に追加のボイラーを製作して、車輪配置2-8-8-0のAF形610番と車輪配置2-8-2のMD形410に改造された。この2両の機関車は1953年まで使用された。
トリプレックス式機関車は複式機関車で、中央の台車に高圧蒸気が供給され、その排気が半分ずつ前後の台車に供給された。
脚注
[編集]- ^ a b c Westing (1966), pp. 124–125.
- ^ “A titan of the rails”. The Independent. (July 27, 1914) July 24, 2012閲覧。
参考文献
[編集]- Westing, Frederick (1966), The locomotives that Baldwin built. Containing a complete facsimile of the original "History of the Baldwin Locomotive Works, 1831-1923", Crown Publishing Group, ISBN 978-0-517-36167-2, LCCN 66-25422