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トロイ・ダグラス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トロイ・ダグラス Portal:陸上競技
2007年6月
選手情報
ラテン文字 Troy Douglas
国籍 オランダの旗 オランダ
競技 陸上競技 (短距離走)
種目 60m, 100m, 200m, 400m
生年月日 (1962-11-30) 1962年11月30日(62歳)
生誕地 バミューダ諸島の旗 パジェット英語版
身長 172cm
体重 76kg
成績
オリンピック 200m 準決勝2組8着 (1988年)
400m 準決勝1組6着 (1992年)
4x100mR 予選途中棄権 (2004年)
世界選手権 100m 準決勝1組8着 (2001年)
200m 準決勝2組5着 (1997年)
400m 2次予選3組5着 (1993年)
4x100mR 3位 (2003年)
地域大会決勝 コモンウェルスゲームズ
200m 8位 (1994年)
ヨーロッパ選手権
200m 7位 (2002年)
中央アメリカ・カリブ選手権
200m 3位 (1997年)
自己ベスト
50m 5秒96 (2003年)
60m 6秒70 (1999年)
100m 10秒19 (2001年)
200m 20秒19 (2001年)
400m 45秒26 (1996年) バミューダ諸島記録
獲得メダル
陸上競技
オランダの旗 オランダ
世界選手権
2003 パリ 4x100mR
欧州連合の旗 ヨーロッパ
ワールドカップ
1998 ヨハネスブルグ 200m
バミューダ諸島の旗 バミューダ
世界室内選手権
1995 バルセロナ 200m
中央アメリカ・カリブ選手権
1997 サンフアン 200m
アメリカ
ワールドカップ
1992 ハバナ 4x400mR
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トロイ・ダグラスTroy Douglas1962年11月30日 ‐ )は、オランダの元陸上競技選手。2003年パリ世界選手権男子4×100mリレーの銅メダリストである。

北大西洋に浮かぶイギリス領バミューダ諸島が生んだ世界レベルのスプリンター。1998年にオランダ国籍を取得するまでバミューダ諸島代表として活躍し、1995年バルセロナ世界室内選手権男子200mで銀メダルを獲得。同じようにバミューダ諸島代表として国際大会で活躍した走高跳クラレンス・サンダース英語版三段跳ブライアン・ウェルマン英語版と共に「三銃士」と呼ばれた[1]。オランダ国籍取得後は、2003年パリ世界選手権男子4×100mリレーで銅メダルを獲得し[注 1]、オランダに4×100mリレー(女子も含め)初のメダルをもたらした。なお、この時のダグラスの年齢は40歳274日で、これは4×100mリレーにおける最年長メダリスト記録である。この他にも、オリンピック4×100mリレーの最年長出場記録(41歳271日)、世界選手権男子200mの最年長出場記録(40歳270日)[注 2]など、主要国際大会での最年長出場記録を保持している。200m、室内50mの40歳以上世界最高記録保持者、100m、室内60mの元40歳以上世界最高記録保持者でもある。

経歴

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1995年3月、バルセロナ世界室内選手権男子200mに出場すると、準決勝を20秒93のバミューダ諸島記録(当時)で突破。決勝ではゲイル・モーエン(20秒58)に次ぐ20秒94の2位に入り[2]、全ての種目を通じてバミューダ諸島史上2人目の世界室内選手権のメダリスト[注 3]、トラック種目では史上初のメダリストとなった。また、32歳101日でメダルを獲得したドグラスは、世界室内選手権男子200mにおける最年長メダリストとなった[注 4]

1997年3月、パリ世界室内選手権男子200mに出場すると、予選を20秒77のバミューダ諸島記録で突破。準決勝も突破して2大会連続となる決勝に進出したが、決勝は21秒22の4位に終わり、3位のフランシス・オビクウェルとは0秒12差で2大会連続のメダルを逃した[3]。しかし、34歳98日で決勝の舞台に立ったドグラスは、世界室内選手権200mにおける最年長ファイナリストとなった。

1997年8月、アテネ世界選手権男子200mに出場すると、初めて準決勝に進出した。準決勝では組4着までに入れば初の決勝進出だったが、結果は20秒43(-0.2)の組5着に終わり、組4着の選手とは0秒01差で惜しくも決勝進出を逃した[4]

2003年8月、パリ世界選手権男子4×100mリレー決勝でオランダチーム(Timothy Beck、ダグラス、パトリック・ファン・バルコムCaimin Douglas)の2走を務めると、38秒87をマークして4位(当時)に入った。その後、2位のイギリスがドウェイン・チェンバースのドーピング処分によりメダルを剥奪されたため、オランダが繰り上がり銅メダルを手にした[5]。40歳274日でメダルを獲得したドグラスは、世界選手権4×100mリレーにおける最年長メダリスト、最年長ファイナリスト、男子最年長出場選手となった[注 5]

2004年8月、アテネオリンピック男子4×100mリレー予選でオランダチーム(Timothy Beck、ダグラス、パトリック・ファン・バルコム、Caimin Douglas)の2走を務めたが、途中棄権に終わり決勝には進めなかった[6]。しかし、41歳271日で出場したドグラスは、オリンピック4×100mリレーにおける最年長出場選手となった。

記録

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記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。

タイム

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種目 記録 年月日 場所 記録
屋外
100m 10秒19 (+0.6)
(+0.2)
2001年8月31日
2001年8月17日
ドイツの旗 ベルリン
スイスの旗 チューリッヒ
自己ベスト
元オランダ記録
10秒29 (+1.9) 2003年6月7日 オランダの旗 ライデン 元40歳以上世界最高記録
10秒09 2001年8月4日 カナダの旗 エドモントン 風速計故障で参考記録
200m 20秒19 (+0.8) 2001年9月2日 イタリアの旗 リエーティ 自己ベスト
元オランダ記録
20秒30 (+1.2) 1997年8月22日 ベルギーの旗 ブリュッセル バミューダ諸島記録
20秒64 (+1.3)
(+0.7)
2003年8月9日
2003年8月27日
オランダの旗 ユトレヒト
フランスの旗 パリ
40歳以上世界最高記録
300m 33秒16 2001年5月5日 オランダの旗 リッセ 自己ベスト
400m 45秒26 1996年7月27日 アメリカ合衆国の旗 アトランタ 自己ベスト
バミューダ諸島記録
室内
50m 5秒96+ 2003年1月25日 オランダの旗 ザイドブルク 自己ベスト
40歳以上世界最高記録
60mの途中計時
60m 6秒70 1999年1月20日 オランダの旗 デン・ハーグ 自己ベスト
6秒78 2003年1月25日 オランダの旗 ザイドブルク 元40歳以上世界最高記録
200m 20秒77 1997年3月7日 フランスの旗 パリ 自己ベスト
バミューダ諸島記録
400m 47秒15 1994年3月8日 スウェーデンの旗 ストックホルム 自己ベスト
バミューダ諸島記録

最年長記録

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大会 種目 記録 年齢 結果 年月日 場所 備考
世界大会
オリンピック 4x100mR 最年長出場 41歳271日 予選途中棄権 2004年8月27日 ギリシャの旗 アテネ [7]
世界選手権 100m 元男子最年長出場 38歳248日 準決勝敗退 2001年8月5日 カナダの旗 エドモントン [8][注 6]
200m 男子最年長出場 40歳270日 2次予選敗退 2003年8月27日 フランスの旗 パリ [9]
4x100mR 最年長メダリスト
最年長ファイナリスト
男子最年長出場
40歳274日 3位 2003年8月31日
世界室内選手権 200m 男子最年長メダリスト 32歳101日 2位 1995年3月11日 スペインの旗 バルセロナ [10]
最年長ファイナリスト 34歳98日 4位 1997年3月8日 フランスの旗 パリ
ヨーロッパ大会
ヨーロッパ選手権 100m 男子最年長出場 39歳250日 準決勝敗退 2002年8月7日 ドイツの旗 ミュンヘン [11]
200m 最年長ファイナリスト
最年長出場
39歳252日 7位 2002年8月9日
4x100mR 男子最年長出場 39歳253日 予選途中棄権 2002年8月10日
ヨーロッパ室内選手権 60m 元男子最年長出場 39歳92日 予選敗退 2002年3月2日 オーストリアの旗 ウィーン [12][注 7]

主要大会成績

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備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
バミューダ諸島の旗 バミューダ
1988 オリンピック 大韓民国の旗 ソウル 200m 準決勝 20秒84 バミューダ諸島最高成績 (2組8着)
400m 2次予選 46秒28
1989 世界室内選手権 ハンガリーの旗 ブダペスト 200m 予選 21秒94
400m 予選 48秒46
1990 コモンウェルスゲームズ (en ニュージーランドの旗 オークランド 200m 2次予選 21秒21
400m 準決勝 48秒15
1991 世界室内選手権 スペインの旗 セビリア 200m 準決勝 21秒78
世界選手権 日本の旗 東京 200m 1次予選 DQ
400m 1次予選 DNS
1992 オリンピック スペインの旗 バルセロナ 400m 準決勝 45秒59 バミューダ諸島最高成績 (1組6着)
ワールドカップ (en キューバの旗 ハバナ 400m 8位 47秒43
4x400mR 2位 3分02秒95 (3走) アメリカ大陸代表の混成チーム
1993 世界室内選手権 カナダの旗 トロント 400m 予選 47秒55
世界選手権 ドイツの旗 シュトゥットガルト 400m 2次予選 45秒57 バミューダ諸島最高成績 (3組5着)
1994 コモンウェルスゲームズ (en カナダの旗 ビクトリア 200m 8位 20秒71
1995 世界室内選手権 スペインの旗 バルセロナ 200m 2位 20秒94 最年長メダリスト記録
バミューダ諸島最高成績
準決勝20秒93:バミューダ諸島記録
世界選手権 スウェーデンの旗 イェーテボリ 200m 1次予選 DQ
1996 オリンピック アメリカ合衆国の旗 アトランタ 200m 2次予選 20秒63 (+0.7)
400m 準決勝 46秒33 (+0.7) 2次予選45秒26:バミューダ諸島記録
1997 世界室内選手権 フランスの旗 パリ 200m 4位 21秒22 最年長ファイナリスト記録
予選20秒77:バミューダ諸島記録
中央アメリカ・カリブ選手権 (en プエルトリコの旗 サンフアン 200m 3位 20秒88
世界選手権 ギリシャの旗 アテネ 200m 準決勝 20秒43 (-0.2) ミューダ諸島最高成績 (2組5着)
オランダの旗 オランダ
1998 ヨーロッパ選手権 (en ハンガリーの旗 ブダペスト 200m 決勝 DQ
ワールドカップ (en 南アフリカ共和国の旗 ヨハネスブルグ 200m 3位 20秒40 (+1.3)
2001 世界選手権 カナダの旗 エドモントン 100m 準決勝 10秒47 (-1.2) 最年長出場記録
2次予選10秒09:風速計故障で参考記録
200m 2次予選 20秒54 (+1.1)
2002 ヨーロッパ室内選手権 (en オーストリアの旗 ウィーン 60m 予選 6秒82 最年長出場記録
ヨーロッパ選手権 (en ドイツの旗 ミュンヘン 100m 準決勝 10秒36 最年長出場記録
200m 7位 20秒73 (-0.5) 最年長ファイナリスト記録
最年長出場記録
4x100mR 予選 DNF (2走) 最年長出場記録
2003 世界選手権 フランスの旗 パリ 200m 2次予選 20秒64 (+0.7) 最年長出場記録
4x100mR 3位 38秒87 (2走) 最年長メダリスト記録
最年長ファイナリスト記録
最年長出場記録
オランダ最高成績
2004 オリンピック ギリシャの旗 アテネ 4x100mR 予選 DNF (2走) 最年長出場記録

脚注

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注釈

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  1. ^ 当初オランダチームは4位だったが、銀メダルを獲得したイギリスチームのドウェイン・チェンバースに薬物使用が発覚してメダルが剥奪された。その為4位だったオランダが繰り上がり銅メダルを獲得した。
  2. ^ 女子も含めた最年長出場記録は、2003年パリ大会でマリーン・オッティが記録した43歳108日。
  3. ^ 史上初のメダリストは1993年トロント大会の男子三段跳で銅メダルを獲得したブライアン・ウェルマン英語版
  4. ^ 女子も含めた最年長メダリスト記録は、2003年バーミンガム大会ジュリエット・キャンベル英語版が記録した32歳363日。
  5. ^ 女子も含めた最年長出場選手は、2003年パリ大会でマリーン・オッティが記録した43歳111日。
  6. ^ キム・コリンズが39歳139日で2015年北京大会に出場して更新された[9]
  7. ^ Rachid Chouhalが40歳21日で2015年プラハ大会に出場して更新された[13]

出典

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  1. ^ Troy Douglas Bernews 2014年5月10日閲覧。
  2. ^ 第5回世界室内選手権男子200m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年2月13日閲覧。
  3. ^ 第6回世界室内選手権男子200m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年2月13日閲覧。
  4. ^ 第6回世界選手権男子200m準決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年2月13日閲覧。
  5. ^ 第9回世界選手権男子4×100mリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年2月13日閲覧。
  6. ^ 第28回オリンピック男子4×100mリレー予選リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年2月13日閲覧。
  7. ^ Rio 2016 Olympic Games Athletics Statistics Handbook / YOUNGEST & OLDEST(P.25参照) 国際陸上競技連盟 (PDF, 36.73 MB) 2017年9月18日閲覧
  8. ^ World Championships Beijing 2015 Athletics Statistics Handbook / YOUNGEST & OLDEST(P.41参照) 国際陸上競技連盟 (PDF, 70.89 MB) 2017年9月18日閲覧
  9. ^ a b IAAF World Championships London 2017 statistics handbook / YOUNGEST & OLDEST(P.47-48参照) 国際陸上競技連盟 (PDF, 31.34 MB) 2017年9月18日閲覧
  10. ^ World Indoor Championships Portland 2016 Athletics Statistics Handbook YOUNGEST & OLDEST(P.25参照) 国際陸上競技連盟 (PDF, 24.76 MB) 2017年9月18日閲覧
  11. ^ European Athletics Championships - Amsterdam 2016 Statistics Handbook / Youngest and Oldest(P.41-42参照) ヨーロッパ陸上競技連盟 (PDF, 16.54 MB) 2017年9月18日閲覧
  12. ^ European Athletics Indoor Championships - Gothenburg 2013 Statistics Handbook / Youngest and Oldest(P.58参照) ヨーロッパ陸上競技連盟 (PDF, 16.10 MB) 2017年9月18日閲覧
  13. ^ European Athletics Indoor Championships - Gothenburg 2017 Statistics Handbook / Youngest and Oldest(P.60参照) ヨーロッパ陸上競技連盟 (PDF, 13.53 MB) 2017年9月18日閲覧

外部リンク

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