トロッコ
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トロッコとは軽便鉄道や産業鉄道、軍用鉄道における貨車の一種。もしくは人力によって走らせる手押し車。英語の truck (トラック)のなまったものが語源とされるが、本来英語でトロッコはminecart〈英語版〉と呼ぶ。
利用
[編集]主に、鉱山・工場・店などで自動車のトラックが利用できない場合や、隧道・ダム等の大規模工事現場で道路を建設するより早く簡単な場合、または土木工事の現場において大量の土砂を搬出するために、トラックを使用して運搬するよりも速く移送できる場合などに使われる。梯子状に組みあがった線路(軌匡)による仮設軌道を設置して、その上を運行するものが多いが、本格的な路盤に線路を敷設する場合もある。
また、ペダルをこいで進む保線用の軌道自転車のことを指すこともある[1]。
走行させる車両は簡易貨車であることが多いが、鉱山などで動力車を持ち込めない場合には、ウインチによる牽引や人力の手押し車が使われることもある。
ビア
[編集]英語では遺体や棺桶を安置する台、もしくはそれらを墓まで移動する四輪の手押し車の事をビア(英:bier)と言う。
山梨県など、一部の甲州方言では工事用の手押しのトロッコの事を「ビール」と称するが、これは上記から来ているものと見られる。ウィキソースの山梨県民謡「粘土節」も参照。
トロッコをめぐる出来事
[編集]- 2021年2月、北朝鮮国内で勤務していたロシア大使館員および家族が、トロッコを使って国境の区間(約1km)を越えて帰国する映像が公開された。これは北朝鮮当局が新型コロナウイルス感染症の世界的流行を阻止するために国境閉鎖を続けたため、自らの手で移動を余儀なくされたもの[2]。
脚注
[編集]- ^ 「旧手宮線を軌道自転車で快走 小樽で「レールカーニバル」始まる」『北海道新聞』北海道新聞社、2014年7月19日。オリジナルの2014年7月28日時点におけるアーカイブ。2014年7月20日閲覧。
- ^ “ロシア外交官と家族、手押しトロッコで北朝鮮を出る”. BBC (2021年2月27日). 2021年2月27日閲覧。
関連項目
[編集]- トロッコ列車 - トロッコを改修ないしは似せて客車として旅客輸送に供する鉄道車両の一種。
- 人車軌道(人車鉄道) - 人力により輸送を行う鉄道。
- 鉱山鉄道
- 専用鉄道
- バンブートレイン - カンボジアの簡易な乗り合いトロッコ。
- インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 - 手押しトロッコによる走行シーンは、その後の冒険映画に多大な影響を与えた。
- レールチェイス - セガ(後のセガ・インタラクティブ)からリリースされた、トロッコ型のガンシューティングゲーム(アーケード専用)。
- 新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! - 2024年公開の映画。一人前ではない記者(汽車)と「トロッコ」を掛けている。