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トロヤ群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トロヤ群の小惑星。木星は反時計回りに回る。緑色がトロヤ群であり、木星の進路方向はギリシャ群、後方はトロヤ群と区別されている。 また、小惑星帯(メインベルト)の小惑星群は白で、ヒルダ群の小惑星は褐色であらわされている。

トロヤ群(トロヤぐん、英語:Trojan asteroid)は、惑星公転軌道上の、太陽から見てその惑星に対して60度前方あるいは60度後方、すなわちラグランジュ点L4・L5付近を運動する小惑星のグループである。またこれにちなみ、L4・L5の両ラグランジュ点は特に「トロヤ点」と呼ばれる。

単に「トロヤ群」という場合は通常「木星のトロヤ群」を意味する(詳細は上記項目を参照。本項は簡単に記すだけにする)

分布

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トロヤ群に属する小惑星は2021年10月現在、10,553個(L4に6,538個、L5に4,018個)が確認されている。なぜL4の方が多いのかはよく分かっていない。

内訳は、地球のトロヤ群が2個、火星のトロヤ群が9個、木星のトロヤ群が10,512個、天王星のトロヤ群が1個、海王星のトロヤ群が30個である。

木星だけでなく地球火星土星天王星海王星の軌道上にも同様の小惑星が発見されている。なお、海王星のトロヤ群エッジワース・カイパーベルト天体が海王星の重力に捕らえられたために現在の軌道になったと考えられている。地球のトロヤ群は、地球から見た場合常に太陽方向に位置するため観測が難しく長らく発見されていなかったが、2011年7月に2010 TK7がトロヤ群であることが初めて確認された[1]。また、アテン群である (3753) クルースンは地球のL4とL5を行き来する馬蹄状の軌道を描いており、地球と1対1の共鳴関係にある。これは特殊なタイプのトロヤ群であるとも言える。天王星と土星のトロヤ群は不安定であり、数が少ないため観測が難しいとされてきたが、2013年になって2011年に発見された2011 QF99天王星のトロヤ群であることが初めて確認された。2024年には、2019年に発見された2019 UO14土星のトロヤ群であることが確認された。

なお、土星の衛星の間にも同様の関係を持つもの(テティスに従うテレストカリプソディオネに従うヘレネポリデウケス)が発見されており、トロヤ衛星 (Trojan moons) と呼ばれている。

名前

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トロヤ群の名前は、1906年、この群に属する小惑星で最初に発見されたものがトロイア戦争の勇士であるアキレウスにちなみ「アキレス」と命名されていたことに由来する。以後この群に属する小惑星にはトロイア戦争に登場する兵士の名前が付けられている。

また、木星に先行する前方ラグランジュ点 (L4) に位置する小惑星を「ギリシア群」、木星に追随する後方ラグランジュ点 (L5) に位置する小惑星を「トロヤ群」と呼んで区別することがある。実際、「ギリシア群」にはギリシア軍の兵士、そして「トロヤ群」にはトロイア軍の兵士の名が付けられている。

ただし、小惑星ヘクトルはこれらの区別が行われる前に命名されたので、由来となったヘクトールがトロヤ側の人物にもかかわらず「ギリシア群」に位置する。同様に小惑星パトロクロスは由来となったパトロクロスがギリシア側の人物であるが「トロヤ群」に位置する。

なお、(3912) トロヤ(Troja) はトロヤ群ではなく、メインベルトに位置するこれといって特徴のない小惑星である。

主要なトロヤ群小惑星

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脚注

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関連項目

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外部リンク

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