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ドロステのはてで僕ら

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドロステのはてで僕ら
監督 山口淳太
脚本 上田誠
原案 上田誠
製作 大槻貴宏
吉田和睦
出演者 土佐和成
朝倉あき
藤谷理子
石田剛太
酒井善史
角田貴志
中川晴樹
永野宗典
本多力
音楽 滝本晃司
主題歌 バレーボウイズ「タイトルコール」
撮影 山口淳太
編集 山口淳太
製作会社 トリウッド
ヨーロッパ企画
配給 トリウッド
公開 日本の旗 2020年6月5日
上映時間 70分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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ドロステのはてで僕ら』(ドロステのはてでぼくら)は、ヨーロッパ企画による2020年6月5日公開の日本映画である[1]。観客動員数1万人[2]

概要

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劇団『ヨーロッパ企画』の短編映画『ハウリング』をリブートした[3]、劇団初となるオリジナル長編映画[1]。劇団の本拠地である京都二条のカフェで撮影を行った[4]

ヨーロッパ企画代表・上田誠が原案・脚本、ヨーロッパ企画の映像ディレクターの山口淳太が監督を務める。ヨーロッパ企画の団員と藤谷理子、ヒロイン役として朝倉あきが出演[1]

公開にあたっては上映劇場の拡大や国内外の映画祭出品の上映に向けた支援をクラウドファンディング・プラットフォーム「Motion Gallery」で募り[5]、開始から1日も経たずに目標金額に到達した[注 1]。当初は2020年4月25日から公開予定だったが[7]新型コロナウイルスによる感染症の拡大を受けて公開が延期された。同年6月5日から下北沢トリウッド京都シネマといった2館のミニシアターで「試運転上映」が開始され、「じわじわ封切りキャンペーン」と称した全国順次公開となった[8]。同日からはオンライン上映会も実施された[9]。その後は同年7月3日開館のTOHOシネマズ 池袋のオープニング作品に選ばれている[8]。後述の通り日本国外で高く評価され多数の映画賞を受賞しているが、日本国内での受賞はゼロである[10]

タイトルのドロステとは、ドロステ効果に由来するもの[11]

全編がほぼワンカットの長回しに見えるように撮影が行われている[12]

あらすじ

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ある日の夜、仕事を終えたカフェの店長カトウが、店の2階にある自宅でギターを弾こうとしている。ギターのピックを探していると、部屋においてあるモニターから彼を呼ぶ声が聞こえてくる。カトウがモニターを覗くと、そこに映し出されたのはもうひとりのカトウ。モニターの中のカトウは、自分のことを2分後の未来のカトウだと言い出すが…。

登場人物

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カトウ
演 - 土佐和成
カフェのマスター。自室のモニターと、カフェのモニターが2分間の時差でつながってしまう。
メグミ
演 - 朝倉あき
カフェの隣の理容室の理容師。ひょんなことから騒動に巻き込まれる。
アヤ
演 - 藤谷理子
カフェの店員。
コミヤ
演 - 石田剛太
カフェの客。ラジオドラマの作家。
オザワ
演 - 酒井善史
カフェの客。スマホゲーム開発者。
タナベ
演 - 諏訪雅
カフェの客。自転車ショップの男。
フルヤ
演 - 角田貴志
ヤミ金業者の兄貴分。
ナリタ
演 - 中川晴樹
ヤミ金業者の弟分。
キンジョウ
演 - 永野宗典
カフェの客。
イシヅカ
演 - 本多力
カフェの客。

スタッフ

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主題歌

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評価

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観客評価

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映画レビューサイト・Filmarks(フィルマークス)が発表した「6月第1週公開映画の初日満足度ランキング」では第2位(平均スコア4.34点 / 5点満点、レビュー数61件)を記録した[13]

国外評価

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アメリカ合衆国の映画評論サイト「Rotten Tomatoes」で47名の批評家から100%FRESHを獲得[14]

受賞歴

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日本国外の受賞歴等[15]
発表年 部門 対象 結果
2021 ベルギーの旗第39回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭 ホワイトレイブン賞、批評家賞 ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 ブラジルの旗第17回ファンタスポア映画祭 監督賞、AUDIENCE AWARD インターナショナルコンペティション 山口淳太、ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 ドイツの旗第21回ニッポンコネクション ニッポン・ヴィジョンズ観客賞、審査員スペシャルメンション ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 イタリアの旗第41回ファンタフェスト ゴールデンバット賞(最優秀賞) ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 大韓民国の旗第25回プチョン国際ファンタスティック映画祭 NETPAC賞(最優秀アジア映画作品賞) ワールドファンタスティックブルー部門 ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 カナダの旗第25回ファンタジア国際映画祭 スペシャルメンション、オーディエンスアワード NEW FLESH COMPETITION ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 オーストリアの旗第12回スラッシュ映画祭 審査員賞 ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 スペインの旗第54回シッチェス映画祭 観客賞 ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 フランスの旗第22回ユートピアル映画祭 観客賞 ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 コロンビアの旗第4回FANTASMAGORIA映画祭 フリオ・ヒメネス賞(最優秀脚本賞) 上田誠 受賞
2021 ドイツの旗第35回ファンタジーフィルムフェスト 観客賞 ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 アメリカ合衆国の旗第3回アノマリー映画祭 観客賞 ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 カナダの旗第12回サスカトゥーン・ファンタスティック映画祭 観客賞 ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 フィンランドの旗ヘルシンキ・ナイトビジョンス映画祭 観客賞 ドロステのはてで僕ら 受賞
2021 オランダの旗第16回ライデン映画祭 観客賞 BONKERS!セクション ドロステのはてで僕ら 受賞
2022 フランスの旗第3回グラインドハウス・パラダイス映画祭 観客賞 ドロステのはてで僕ら 受賞
2022 アメリカ合衆国の旗第14回ミルウォーキー映画祭 EMERGING FICTION賞 ドロステのはてで僕ら 受賞
2022 スペインの旗第28回FANT Film Fest 監督賞 山口淳太 受賞
2022 メキシコの旗第11回モルビド・メリダ映画祭 観客賞 ドロステのはてで僕ら 受賞

ソフト化

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  • 『ドロステのはてで僕ら』Blu-ray、DVD 2023年9月20日発売

脚注

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注釈

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  1. ^ 制作費はクラウドファンディングで目標100万円だったところ、376人から600万円超の支援を受けた[6]

出典

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  1. ^ a b c ドロステのはてでぼくら 作品情報”. KINENOTE. 2020年7月5日閲覧。
  2. ^ 映画『ドロステのはてで僕ら』 (2020年9月4日). “1301806852670275585”. Twitter. @droste_movie. Twitter. 2023年8月4日閲覧。
  3. ^ “「ドロステのはてで僕ら」監督・山口淳太がWeb番組に出演、上田誠からの指南明かす”. 映画ナタリー. (2020年7月8日). https://natalie.mu/eiga/news/385120 2020年7月8日閲覧。 
  4. ^ “NEWS「“じわじわ封切りキャンペーン”好調スタート!」|映画『ドロステのはてで僕ら』公式ホームページ”. ヨーロッパ企画. (2020年6月1日). http://www.europe-kikaku.com/droste/news-8.html 2020年12月14日閲覧. "ロケ地となった京都・二条のカフェパランでは『ドロステのはてで僕ら』とのコラボ商品としてドリップコーヒーが販売される予定です。" 
  5. ^ クラウドファンディングの実施スタート!”. ヨーロッパ企画 (2020年2月28日). 2020年7月8日閲覧。
  6. ^ 上田誠 (21 April 2021). "ヨーロッパ企画・上田誠が映画『ドロステのはてで僕ら』で挑戦した"劇団らしい映像作り"". TOKION (Interview). Interviewed by 高山敦. 2023年8月11日閲覧
  7. ^ “ヨーロッパ企画初の長編映画が4月公開、上田誠「劇団の感じすごいあります」”. 映画ナタリー. (2020年2月5日). https://natalie.mu/eiga/news/366037 2020年7月8日閲覧。 
  8. ^ a b “ミニシアター2館からスタートした『ドロステのはてで僕ら』がシネコン初進出。新予告編も完成。”. NB Press Online. (2020年6月30日). https://nbpress.online/archives/28524 2020年7月8日閲覧。 
  9. ^ “ヨーロッパ企画の映画「ドロステのはてで僕ら」オンライン上映会を実施”. ステージナタリー. (2020年5月24日). https://natalie.mu/stage/news/380231 2020年7月8日閲覧。 
  10. ^ 佐久間宣行「もっと評価されるべき日本映画」のプレゼンに劇団ひとりら熱狂 - 最新のテレビ芸能エンタメニュース - Yahoo!テレビ.Gガイド[テレビ番組表]”. Yahoo!テレビ.Gガイド. 2022年6月4日閲覧。
  11. ^ INTRODUCTION〉WHAT'S DROSTE?”. 『ドロステのはてで僕ら』公式サイト. ヨーロッパ企画 / トリウッド 2023. 2023年6月26日閲覧。
  12. ^ 土佐和成; 朝倉あき; 藤谷理子(インタビュアー:Jun Sakurakoji)「【インタビュー】劇団・ヨーロッパ企画×女優・朝倉あき×藤谷理子が生み出す新感覚映画『ドロステのはてで僕ら』」『NB Press Online』、2020年6月1日https://nbpress.online/archives/275932020年7月8日閲覧 
  13. ^ 【発表】映画『パラサイト 半地下の家族 (モノクロVer.)』初日満足度ランキング1位獲得 .映画マガジン FILMAGA(2020年6月8日)2021年11月28日閲覧。
  14. ^ Rotten Tomatoes 2021年11月28日閲覧
  15. ^ 『ドロステのはてで僕ら』海外映画祭受賞・選出情報一覧 .ヨーロッパ企画 2021年11月28日閲覧。

外部リンク

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