ナッチェル・ブルース
『ナッチェル・ブルース』 | ||||
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タジ・マハール の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1968年5月、10月[1] | |||
ジャンル | ブルース、エレクトリック・ブルース | |||
時間 | ||||
レーベル | コロムビア・レコード | |||
プロデュース | デヴィッド・ルービンソン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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タジ・マハール アルバム 年表 | ||||
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『ナッチェル・ブルース』(原題:The Natch'l Blues)は、アメリカ合衆国のブルース・ミュージシャン、タジ・マハールが1968年に発表した2作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]前作『タジ・マハール』(1968年)にも参加したジェシ・エド・デイヴィス、ゲイリー・ギルモア、チャールズ・ブラックウェルに加えて、アル・クーパーやアール・パーマーといったゲスト・プレイヤーも起用された[3]。「シー・コート・ザ・ケイティ・アンド・レフト・ミー・ア・ミュール・トゥ・ライド」の歌詞の一節は、ヤンク・レイチェルの曲からの引用で、レイチェルも共作者としてクレジットされた[3]。
評価・影響
[編集]マハールのアルバムとしては初めてBillboard 200入りを果たし、最高160位を記録した[2]。Bruce Ederはオールミュージックにおいて満点の5点を付け「彼のデビュー作で提示された手法以上に、虚飾を排したデルタ・ブルースで幕を開ける」一方「"You Don't Miss Your Water ('Til Your Well Runs Dry)"や"Ain't That a Lot of Love"といった、タジ・マハールがソウルの分野にも手を出し、オーティス・レディングの領域に踏み込んでいる曲こそ、特に注目に値するのではないか」と評している[4]。また、Grahame Bentは『Record Collector Magazine』2008年12月号のレビューにおいて「最上級のスタジオ・バンドとマハール自身の個性がもたらした、気楽で素朴な雰囲気の楽曲群が、本作の偉大さの鍵となっている」と評している[5]。
「シー・コート・ザ・ケイティ・アンド・レフト・ミー・ア・ミュール・トゥ・ライド」は、アルバート・キングのアルバム『Lovejoy』(1971年)でカヴァーされ[6]、また、ブルース・ブラザーズが主演した1980年の映画『ブルース・ブラザース』のサウンドトラックでは、ジェイク・E.ブルース(演:ジョン・ベルーシ)が同作を歌った[7]。
リイシュー
[編集]2000年に発売されたリマスターCDには、3曲のボーナス・トラックが追加された[1]。そのうち「ザ・クコー」はテンポが速められた別ヴァージョンで[3][5]、「シングス・アー・ゴナ・ワーク・アウト・ファイン」は、アイク&ティナ・ターナーの曲「It's Gonna Work Out Fine」を元にして作られたインストゥルメンタルである[3]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はタジ・マハール作。
- グッド・モーニング・ミス・ブラウン - "Good Morning Miss Brown" - 3:16
- コリーナ - "Corinna" (Taj Mahal, Jesse Ed Davis III) - 3:03
- アイ・エイント・ゴナ・レット・ノーバディ・スティール・マイ・ジェリーロール - "I Ain't Gonna Let Nobody Steal My Jellyroll" - 3:14
- 田舎へ行って、僕の郵便箱を青く塗ろう - "Going Up to the Country, Paint My Mailbox Blue" - 3:38
- ダン・チェンジド・マイ・ウェイ・オブ・リビング - "Done Changed My Way of Living" - 7:04
- シー・コート・ザ・ケイティ・アンド・レフト・ミー・ア・ミュール・トゥ・ライド - "She Caught the Katy and Left Me a Mule to Ride" (T. Mahal, Yank Rachell) - 3:30
- ザ・クコー - "The Cuckoo" (Traditional) - 4:16
- ユー・ドント・ミス・ユア・ウォーター - "You Don't Miss Your Water ('Til Your Well Runs Dry)" (William Bell) - 4:26
- ア・ロット・オブ・ラヴ - "Ain't That a Lot of Love" (Homer Banks, Deanie Parker) - 4:11
2000年リマスターCDボーナス・トラック
[編集]- ザ・クコー(オルタネイト・ヴァージョン) - "The Cuckoo (Alternate Version)" (Traditional) - 3:21
- ニュー・ストレンジャー・ブルース - "New Stranger Blues" - 5:41
- シングス・アー・ゴナ・ワーク・アウト・ファイン - "Things Are Gonna Work Out Fine" - 3:17
参加ミュージシャン
[編集]- タジ・マハール - ボーカル、ハーモニカ、リゾネーター・ギター
- ジェシ・エド・デイヴィス - ギター、ピアノ、ベース・アレンジ
- アル・クーパー - ピアノ
- ゲイリー・ギルモア - ベース
- チャールズ・ブラックウェル - ドラムス
- アール・パーマー - ドラムス
脚注
[編集]- ^ a b Taj Mahal - The Natch'l Blues (CD, US, 2000) |Discogs
- ^ a b “Taj Mahal Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2018年11月10日閲覧。
- ^ a b c d 2018年再発CD (SICP-5872)ライナーノーツ(小出斉、2018年7月)
- ^ Eder, Bruce. “The Natch'l Blues - Taj Mahal”. AllMusic. 2018年11月6日閲覧。
- ^ a b Bent, Grahame. “The Natch'l Blues”. Record Collector Magazine. Diamond Publishing. 2018年11月6日閲覧。
- ^ Koda, Cub. “Lovejoy - Albert King”. AllMusic. 2018年11月6日閲覧。
- ^ The Blues Brothers - Original Soundtrack Recording (Vinyl, US, 1980) | Discogs