ななおさかき
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(ナナオサカキから転送)
ななお さかき(ナナオ サカキ、本名・榊七夫、男性、1923年 - 2008年12月23日[1])は、日本の放浪者、詩人。鹿児島県出身だが、晩年は伊豆半島や長野県で、ヒッピー的な生活を送っていた。
来歴
[編集]1923年鹿児島県生まれ。第2次世界大戦での海軍体験(レーダー基地勤務)を経て、様々な職業(出版社社長秘書、旋盤工など)を遍歴後、放浪者として日本、世界を放浪する。1960年代後半に新宿で、山尾三省や長沢哲夫らとともに、長野県諏訪郡富士見町や鹿児島県諏訪之瀬島でコミューン「部族」をはじめる[2]。地球を家とする放浪を通して、アレン・ギンズバーグ、ゲーリー・スナイダーらビートニクの代表的詩人、おおえまさのりらと知り合う。自然保護活動にも早くから関わり、独自の方法で現代社会に警鐘を鳴らしたヒッピー詩人である。2008年12月23日、長野県下伊那郡大鹿村にて死去。
主な出版作品
[編集]著書
[編集]- 犬も歩けば(野草社、1983)
- 地球B[3](スタジオリーフ、1989)
- ココペリ(スタジオリーフ、1999)
- ココペリの足あと(スタジオリーフ、2010)
訳書
[編集]英語→日本語
- 亀の島 Turtle Island(ゲーリー・スナイダー著、山口書店、1991)
日本語→英語
- 一茶俳句 INCH by INCH(Tooth of Times、N.Mexico、1985)
英語の本
[編集]- BELLYFULLS(Toad Press、1966)
- REAL PLAY(Tooth of Time Books、1981)
- Break the Mirror(North Point Press、1987)
- Let's Eat Stars(Blackberry Books、1997)
- Inch By Inch: 45 Haiku By Issa(LA ALAMEDA PR、1999)
- NANAO or NEVER(Blackberry Books、2000)
- Selected Poems & One Play of Nanao Sakaki(University Essex、1999)
フランス語の本
[編集]- Casse Le Miroir(Patrice Repusseau 訳、Mai Hors Saison、1990)
チェコ語の本
[編集]- Z'eme B(Jirka Wein 訳、Odeon、1991)
スペイン語の本
[編集]- 地球B(スペイン語のタイトルは不明)(Daniel Moyano訳、Vanguard、Madrid、1992)
中国語の本
[編集]- 地球B(羅靑訳、台北、1992)
エピソード
[編集]- アレン・ギンズバーグは、ななおさかきを讃える詩を残した[7]。
- 雑誌 PAPER SKY No.28[8]に、ななおさかきの詩は世界17カ国で翻訳されているとあるが、確認がとれているのは、日本語、英語、フランス語、チェコ語、スペイン語、中国語[9]の6ヶ国語。また、ココペリ[10]の巻末には、イタリア、スロベニア、ギリシャ、ネパール、インドの各国語翻訳が進行中と書かれているが、正確な情報は不明。
脚注
[編集]- ^ 『現代物故者事典2006~2008』(日外アソシエーツ、2009年)p.474
- ^ 『スペクター vol.45 日本のヒッピー・ムーヴメント』2019年 1997~199頁「日本のヒッピーのできごと史」参照
- ^ 誤って「地球β」としている文献もある。
- ^ 全国的に有名になったのは、壁に貼ってあったこの詩(若干語句が異なる)の写真が全国紙に掲載されてからである。
- ^ 1983・10北海道忠別川
- ^ Studio REAF 2003年のニュース・トピックス 「いつも泥足」on 「プロジェクトX」
- ^ 都丸修一「風を食べて、歩け、歩け」『朝日新聞 』、2002年3月31日
- ^ 角野淳「森を歩いてますか、君は?」『PAPER SKY No.28』ニーハイメディア・ジャパン、2009年
- ^ ナナオサカキ『地球B』スタジオリーフ、1989
- ^ ナナオサカキ『ココペリ』スタジオリーフ、1999
参考文献
[編集]- 都丸修一「風を食べて、歩け、歩け」『朝日新聞 』、2002年3月31日
- 角野淳「森を歩いてますか、君は?」『PAPER SKY No.28』ニーハイメディア・ジャパン、2009年、(2015年1月18日閲覧)
- 角野淳「大正生まれのビートニクは今も歩き続け、森を想う」『planted #9』毎日新聞社、2009年1月20日
- 「特集・ななおさかきの地球B」『現代詩手帖』思潮社 2010年10月、100-122頁