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ナワシロイチゴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナワシロイチゴ
ナワシロイチゴの花
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: キイチゴ属 Rubus
: ナワシロイチゴ R. parvifolius
学名
Rubus parvifolius L. (1753)[1]
和名
ナワシロイチゴ

ナワシロイチゴ(苗代苺[2]学名: Rubus parvifolius)とは、バラ科キイチゴ属に分類される植物の一種。別名アシクダシ、サツキイチゴ、ワセイチゴ、サオトメイチゴ、ウシイチゴ[3]

分布と生育環境

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日本、朝鮮半島、中国などに分布。日本では北海道から九州までの各地に分布している最もポピュラーなキイチゴの種類である[2][4]。日当たりのよい畑地や道路脇、土手などによく出現する雑草的低木である[2][5]。名前に苗代とあるとおり、田んぼの畦などにも生えている[4]

形態・生態

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落葉広葉樹の低木[2]。半分は木立性で、もう半分は匍匐性となる[4]。茎は木質化するが、つる状になって這い[2]、他の草の上に覆い被さるように育つ。その茎から出る枝は短く立ち上がる。茎全体には小さな棘がある[6]互生し、三出複葉、ときに5小葉からなる羽状複葉[2]、あるいは繋がって三裂の場合もある。小葉は菱状円形から広卵形で、葉先は丸く、縁には粗い二重の鋸歯がある[2]。葉の表は明るい黄緑で、葉脈がくぼむのでしわがあるように見える。葉裏は白い綿毛を密生する[2]

花期は5 - 7月[3][2]。前年に伸びた茎から出た短く立ち上がる枝の先に、散房状に淡紅紫色の5弁を上向きに数個つける[2][6]。花は直径1.5 cmで、花弁雄蕊に寄り添うように直立する[2]

果期は初夏(6 - 7月)で、苗代のころに赤い実が熟すため、この名がある[2]。酸味の強い赤い果実で食用になる[5]

古くは琉球王国で「タカイチュビ」とされ他のキイチゴ(オオバライチゴリュウキュウイチゴホウロクイチゴなど)とともに栽培され、現在首里城敷地内で展示されている。

食用

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熟した果実を摘み取って、生食したり、ジャム果実酒に加工する[2]。生のまま、ケーキサラダの彩りとして使うことも出来る[2]

近縁種

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  • キビノナワシロイチゴ(吉備苗代苺、学名:Rubus yoshinoi[7]

脚注

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rubus parvifolius L. ナワシロイチゴ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年5月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 高橋秀男監修 2003, p. 171.
  3. ^ a b ナワシロイチゴ”. 石川県. 2011年9月14日閲覧。
  4. ^ a b c 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、86頁。ISBN 4-12-101834-6 
  5. ^ a b 金田初代 2010, p. 148.
  6. ^ a b 金田初代 2010, p. 149.
  7. ^ 日本のレッドデータ検索システム(キビノナワシロイチゴ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2011年9月14日閲覧。

参考文献

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  • 金田初代、金田洋一郎(写真)『ひと目でわかる! おいしい「山菜・野草」の見分け方・食べ方』PHP研究所、2010年9月24日、148 - 149頁。ISBN 978-4-569-79145-6 
  • 高橋秀男 監修、田中つとむ・松原渓 著『日本の山菜』学習研究社〈フィールドベスト図鑑13〉、2003年4月1日、171頁。ISBN 4-05-401881-5 

関連項目

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