ナンバンアカバナアズキ
ナンバンアカバナアズキ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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ナンバンアカバナアズキの花
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Macroptilium lathyroides (L.) Urb. | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ナンバンアカバナアズキ | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
phasey bean |
ナンバンアカバナアズキ(南蛮赤花小豆、学名:Macroptilium lathyroides[1])は、マメ科ナンバンアカバナアズキ属の草本。帰化植物。別名 タチナンバンアズキ、ファジービーン[2][3]。ナンバンアカバナアズキ属のタイプ種。
ナンバンアカアズキとも表記されるが、この名称はマメ科木本の別種(Adenanthera pavonina、海紅豆、相思豆)を指すので注意。
特徴
[編集]草丈60-100 cmの一年草、しばしば二年草または短命な多年草となる[4]。茎は直立し分枝多く、高さ1.5 m内外に達し、成熟に伴って基部は木質化することが多い。葉は互生し4 cmほどの柄をもつ3出複葉からなり、小葉は披針形 - 倒卵形で、長さ4-5 cm、幅1.5-3 cmの鋭頭で全縁。茎の上部が分枝する。花径1.3-1.5 cmの花は総状花序となってまばらにつき、花冠は蝶形で赤色 - 赤褐色、同属のクロバナツルアズキより明るい色調。竜骨弁は回転する。気温が高ければほぼ周年開花。果実は線形の豆果で先は鋭く尖り、莢は長さ7.5-10 cm、幅3 mmと細く長い[5]。種子の脱粒性が激しく、熱帯・亜熱帯地方では雑草化しやすい。
分布と生育環境
[編集]中南米(メキシコ - アルゼンチン)原産[4][6]、熱帯 - 亜熱帯にかけて広く帰化[5]、日本国内では南西諸島に帰化。市街地の路傍や荒地、海岸などに生育。
日本の外来種 全種リスト(暫定版)に、同属のクロバナツルアズキとともに掲載されている[7]。
利用
[編集]飼料、緑肥、連作障害除去用[8]。根粒菌の働きにより土壌の窒素含有量を増加させる。耐湿能力も高く、水田転換畑において青刈大豆より高い窒素固定能を示す[2]。飼料イネとの混作で、乾物収量、粗タンパク質収量や可消化乾物収量などが増大する[3]。但しネコブセンチュウ感受性で、線虫の防除において問題になる可能性がある[4][6]。
脚注
[編集]- ^ (米倉 & 梶田 2003)
- ^ a b (川本, 岡野 & 増田 1991)
- ^ a b (飛佐 et al. 2012)
- ^ a b c (Heuzé et al. 2015)
- ^ a b (植村 et al. 2010, p. 405)
- ^ a b (Tropical Forages 2020)
- ^ (環境省 2002, p. 21)(国立環境研究所 2002)
- ^ (北村 2011, pp. 271–278)
参考文献
[編集]日本語:
- 米倉浩司; 梶田忠「ナンバンアカバナアズキ」『BG Plants 和名-学名インデックス(YList)』2003– 。2022年8月13日閲覧。
- 環境省『移入種(外来種)リスト』環境省、2002年 。2022年7月31日閲覧。
- 国立環境研究所「マメ科植物 (暫定リスト)」『日本の外来種全種リスト (暫定版) 侵入生物データベース』2002年 。2022年7月31日閲覧。
- 川本康博; 岡野香; 増田泰久「暖地型マメ科牧草ファジービーン(Macroptilium lathyroides (L.) URB.)の耐湿性と水田転換畑への導入」『日本草地学会誌』第37巻、第2号、219–225頁、1991年。doi:10.14941/grass.37.219。ISSN 04475933 。
- 飛佐学; 中野豊; 白珍沫; 望月俊宏; 下條雅敬; 増田泰久「混作栽培した飼料イネとファジービーン(Macroptilium lathyroides (L.) Urb.)の生産性および栄養成分」『日本草地学会誌』第57巻、第4号、179–184頁、2012年。doi:10.14941/grass.57.179。ISSN 04475933 。
- 植村修二; 勝山輝男; 清水矩宏; 水田光雄; 森田弘彦; 廣田伸七; 池原直樹『日本帰化植物写真図鑑 第2巻』全国農村教育協会、東京都台東区、2010年。ISBN 9784881371558。
- 北村征生 著、農文協 編「暖地型マメ科牧草の栽培技術」『草地・飼料作物大事典 栽培・調製と利用・飼料イネ・餌料資源活用』、社団法人 農山漁村文化協会、東京都港区、2011年。ISBN 9784540102868。
英語:
- Heuzé, V; Tran, G; Hassoun, P; Lebas, F (2015), “Phasey bean (Macroptilium lathyroides)”, Feedipedia, a programme by INRAE, CIRAD, AFZ and FAO 2022年7月31日閲覧。
- Tropical Forages (2020), Macroptilium lathyroides, Tropical Forages: an interactive selection tool (International Center for Tropical Agriculture (CIAT), Cali, Colombia and International Livestock Research Institute (ILRI), Nairobi, Kenya: www.tropicalforages.info), ISBN 978958694234-8 2022年7月31日閲覧。
外部リンク
[編集]- ナンバンアカバナアズキ うちなー通信
- ナンバンアカアズキの実 森の案内人 田所清
- ナンバンアカアズキ 外来植物図鑑 平成17年度科学技術振興調整費 外来植物『外来植物のリスク評価と蔓延防止策』
- ナンバンアカバナアズキ エバーグリーン株式会社 植物図鑑・Q&A
- ナンバンアカバナアズキ・クサセンナ 花遊び 山遊び
- ナンバンアカバナアズキ 西表島の自然 西表島植物図鑑
- ナンバンアカバナアズキ(南蛮赤花小豆) 野の花賛花 -自生の姿を追って-