ヌクラエラエ環礁
ヌクラエラエ | |
---|---|
環礁全域を写した航空写真 | |
環礁の地図 | |
国 | ツバル |
人口 (2002) | |
• 合計 | 393人 |
ヌクラエラエ環礁(ヌクラエラエかんしょう、Nukulaelae)は、ツバルに6つある主要な環礁のひとつ[1]。2017年の国勢調査時点で300人が暮らす[2]。楕円の形をしており、少なくとも15の小島で構成される[3]。グアノ島法に基づき1800年代からツバル領と認める1983年までアメリカ合衆国が領有権を主張していた。ヌクラエラエ保全地域は、ラグーンの東端をカバーしていて、2010年には保護区内の海洋生物のベースライン調査が行われた[4][5]。
教育
[編集]ヌクラエラエ環礁には唯一の小学校であるファイキムア小学校がある。
国名
[編集]ヌクラエラエ環礁の’’ヌクラエラエ’’の部分は、ツバル語で「砂の土地」を意味している[6] 。
歴史
[編集]ヌクラエラエ環礁はある白人男性が最初にこの島を発見したところから始まる。しかし、その白人男性は環礁に木が無かったため定住しなかった。その後、ヴァイツプ環礁に住んでいたヴァロアという人物が漁に出た時にヌクラエラエ環礁を発見したという伝説が残っています。彼は一旦ヴァイツプ環礁に戻り、ココナッツの木の種を持ってきて、ヌクラエラエ環礁にそのココナッツの木の種を植え、やがて家族と共に定住しました[6]。トゥムイロト島にはファガファレという名のマラエがあり、祖先の霊を敬う宗教的な権利が試されていた[6]。ニウオコ島には、テ・ファレアトゥア (ツバル語で神々の家) と呼ばれる場所に大きな石があります[6]。
1821年、ナンタケットの捕鯨船independenceⅡ号のジョージ・バレット船長がヌクラエラエ環礁を訪れ、この環礁を「ミッチェズ・グループ」と名付けた[7]。
1861年、クック諸島のマニヒキ環礁にある会衆派教会の助祭エレカナが嵐に巻き込まれ、8週間漂流した後に、1861年5月10日にヌクラエラエ環礁に上陸したのがツバルに初めてキリスト教が伝わったきっかけです[8][9][10]。
1861年のヌクラエラエ環礁の人口は300人と推定されています[11][12]。1862年から1863年の1年弱の間、ブラックバーディングを行うペルーの貿易船が、チンチャ諸島のグアノ鉱床を採掘する労働者など、ペルーの極度の労働者不足を補うために、ヌクラエラエ環礁などの島々に労働者を求めてやってきていた[13]。島民の中には自発的に労働者になる者もいたが、貿易船達はキリスト教の宣教師になりすますなどをして、島民を船に誘い込んだことで悪名高く、それにより約200人の島民が連れ去られた[14]。1863年直後には、1861年にヌクラエラエ環礁に住んでいたと記録された300人のうち100人以下になっていた[11][15]。
1865年、ドイツ企業J.C.ゴデフロイ&ゾーンの代理人である貿易船長が、ニウオコ島を25年間賃貸することになり[16]、たくさんのドイツ人が島に移住してきた。島民とドイツ人は、その条件や労働者の輸入などをめぐって長年にわたって論争を繰り広げたが、ドイツ人は1890年に契約が切れるまで居座り続けた[16]。
1896年、イギリスの船HMS penguinはヌクラエラエ環礁で2日間、環礁の科学調査を行った[17]。
1923年頃、ヌクラエラエ郵便局が開局した[18]。
19世紀から1983年にツバルに領有権が譲渡されるまで、グアノ島法に基づきアメリカ合衆国が領有権を主張していた環礁である。
選挙区
[編集]ヌクラエラエ環礁には、国会の全8選挙区のうちのひとつが割り振られている。定数はほかの選挙区と同じ2。直近の2024年の総選挙では、現職のシーブ・パエニウとナモリキ・スアリキのほかの立候補の届け出がなかったため、この2名が無投票で再選された[19][20][21]。
脚注
[編集]- ^ “Maps of Tuvalu”. 2023年3月11日閲覧。
- ^ “Population of communities in Tuvalu”. Thomas Brinkhoff (2017年). 2023年3月11日閲覧。
- ^ British Admiralty Nautical Chart 766 Ellice Islands (1893 ed.). United Kingdom Hydrographic Office (UKHO). (21 March 1872)
- ^ “Tuvalu Marine Life Scientific Report”. an Alofa Tuvalu project with the Tuvalu Fisheries Department (December 2012). 2023年3月11日閲覧。
- ^ “Tuvalu Marine Life Synthesis Report”. an Alofa Tuvalu project with the Tuvalu Fisheries Department (December 2011). 2023年3月11日閲覧。
- ^ a b c d Tinilau, Vaieli (1983). “Chapter 14 - Nukulaelae”. In Laracy, Hugh. Tuvalu: A History. Institute of Pacific Studies, University of the South Pacific and Government of Tuvalu. pp. 97–98. OCLC 20637433
- ^ Chambers, Keith S.; Munro, Doug (June 1980). “The Mystery of Gran Cocal: European Discovery and Mis-Discovery in Tuvalu”. The Journal of the Polynesian Society 89 (2): 167–198. JSTOR 20705476.
- ^ “the 150th anniversary of the introduction of Christianity in Nukulaelae”. Tuvaluislands.com. (18 May 2011) 2023年3月11日閲覧。
- ^ Laumua Kofe (1980). Tuvalu: A History, Palagi and Pastors, Ch. 15. Institute of Pacific Studies, University of the South Pacific and Government of Tuvalu
- ^ Goldsmith, Michael; Munro, Doug (2002). The accidental missionary: tales of Elekana. Macmillan Brown Centre for Pacific Studies, University of Canterbury. ISBN 1877175331
- ^ a b Newton, W.F. (June 1967). “The Early Population of the Ellice Islands”. The Journal of the Polynesian Society 76 (2): 197–204. JSTOR 20704460.
- ^ Bedford, Richard; MacDonald, Barrie; Munro, Doug (1980). “Population Estimates For Kiribati And Tuvalu, 1850-1900: Review And Speculation”. Journal of the Polynesian Society 89 (2): 199–246 .
- ^ Maude, H.E. (1981). Slavers in paradise : the Peruvian labour trade in Polynesia, 1862-1864. Australian National University Press. ISBN 9780708116074
- ^ The figure of 250 taken from Nukulaelae is given by Laumua Kofe, Palagi and Pastors, Tuvalu: A History, Ch. 15, U.S.P. & Tuvalu (1983)
- ^ The figure of 250 taken from Nukulaelae is stated by Richard Bedford, Barrie Macdonald & Doug Munro, Population Estimates for Kiribati and Tuvalu (1980) 89(1) Journal of the Polynesian Society 199
- ^ a b Suamalie N.T. Iosefa; Doug Munro; Niko Besnier (1991). Tala O Niuoku, Te: the German Plantation on Nukulaelae Atoll 1865-1890. Institute of Pacific Studies. ISBN 9820200733
- ^ Hedley, Charles (1896). “General account of the Atoll of Funafuti”. Australian Museum Memoir 3 (2): 1–72 .
- ^ Premier Postal History. “Post Office List”. Premier Postal Auctions. 2023年3月11日閲覧。
- ^ Haxton, Tiana (26 January 2024). “Tuvalu elections 2024: Strong voter turnout reported”. Radio New Zealand. オリジナルの26 January 2024時点におけるアーカイブ。 26 January 2024閲覧。
- ^ “Tuvalu general election: Six newcomers in parliament”. Radio New Zealand. (29 January 2024) 29 January 2024閲覧。
- ^ Marinaccio, Jess (30 January 2024). “Tuvalu’s 2024 general election: a new political landscape”. PolicyDevBlog 30 January 2024閲覧。