ヌル島
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「ヌル島」の場所に浮かぶ海洋気象ブイ | |
地理 | |
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場所 | ギニア湾 |
座標 | 北緯0度0分0秒 西経0度0分0秒 / 北緯0.00000度 東経-0.00000度 |
行政 | |
追加情報 | |
地図ソフトの都合で便宜的に設けられた島 |
ヌル島 (ヌルとう、Null Island)またはナル島は架空の島で、特異な座標である赤道と本初子午線の交点すなわち経度0度(東経0度かつ西経0度)緯度0度(北緯0度かつ南緯0度)にあるものと設定されている。
概要
[編集]地理的にはギニア湾に位置する[1][2][3]。パブリックドメインの世界地図『Natural Earth』に掲載されている[4]。
Natural Earthでヌル島は、「1メートル四方の島」であり、「スケールランク100、つまり地図上に表示されてはならない」とされている[4]。Natural Earthが「ヌル島」を設けた理由は、地図ソフトで座標指定エラーが発生した時などに、統計処理などに支障が出ないよう、形式的に実在しない陸地として利用するためのものである[2]。
「ヌル島」は2009年頃、マップゼンのナザニエル・ボーン・ケルソーが設定した[3]。それ以降、ネットジョークとして、この島の旗、地形、歴史などが発表されてきた[5]。
その他、位置情報がともなわない施設情報などについて扱いが不適切な場合などに、この場所に存在するかのように地図にマーカーが表示されたりすることがある。
なお、ヌル島が存在するとされている場所には、実際には熱帯大西洋海洋予測研究係留アレー(PIRATA)の一環で「Station 13010-Soul」という名の海洋気象ブイが置かれている[6]。
参考文献
[編集]- ^ “Null Island”. 1 October 2013閲覧。
- ^ a b “Natural Earth version 1.3 release notes” (2011年1月31日). 1 October 2013閲覧。
- ^ a b Hotz, Robert Lee (14 July 2016). “If You Can’t Follow Directions, You’ll End Up on Null Island”. Wall Street Journal 14 July 2016閲覧。 日本語訳 “迷い人が行き着く大西洋の「孤島」” 2017年7月2日閲覧。
- ^ a b Kurgan, Laura (2013). Close Up at a Distance: Mapping, Technology and Politics. New York: Zone Books. p. 157. ISBN 9781935408284
- ^ “The Geographical Oddity of Null Island”. Library of Congress. 13 May 2016閲覧。
- ^ “Station 13010 - Soul”. National Data Buoy Center. 19 August 2014閲覧。
研究機関
[編集]オーストラリアの研究機関が、ヌル島について研究開発している。
Null Island Space Agency outdoor test facility
関連項目
[編集]- キャプテン・ブリープ - 1957年に製作されたアメリカのアニメーション。北緯0度 東経0度の位置に基地がある設定だった。
- 緯度0大作戦 - 1969年7月26日に公開された日本とアメリカ合衆国の特撮映画。赤道と日付変更線の交差地点、海底2万メートルにある緯度0基地は、人工太陽をはじめとする高度な技術文明と豊富な金やダイヤモンドなどの資源を持ち、世界各国から研究目的で高名な科学者たちが「事故死」「亡命」を装って滞在していた基地がある設定だった。