ノドンス
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ノドンス(英: Nodons)、あるいはノーデンス(英: Nodens)はケルト神話の医療の神である。
概要
[編集]ノドンスの名は「漁師」「狩人」「捕まえる者」を意味すると考えられている[4][1]。マイヤーはゴート語の"nuitan"(獲得する、手に入れる)や"nuta"(捕まえる者、漁師)を挙げている[4]。
ノドンスの信仰を示す石碑等が、ランカシャーのコッカーサンド・モス[5]とグロスタシャーのリドニー公園[6]で出土している。こうしたノドンスの信仰地においては青銅製の腕の像[7]や眼科医の印象などが捧げられており、これはノドンスが医神であった事を示している。また犬の像も多数捧げられていることからノドンスの聖獣は犬であったされる[8]。犬は傷を舐めて直してくれるという信仰があり、これはノドンスの医神としての性質を表している[1]。
ノドンスがアイルランドに伝わったものがヌアザ、ウェールズに伝わったものがシーズ・サウエレイントと考えられている[4]。また、アーサー王伝説における漁夫王は漁師としてのノドンスの影響があると考えられている[1]。
脚注
[編集]- ^ a b c d 松村 2013, pp. 393–394.
- ^ 「近寄りがたい」という意味。アバドンに入る前に身を清める必要があったことを意味している。
- ^ ギリー 2014, pp. 20–21.
- ^ a b c マイヤー 2001, pp. 170–171.
- ^ RIB 616
Deo Marti Nodonti Aurelius […]cinus sig(illum)
RIB 617 D(eo) M(arti) N(odonti) Lucianus colleg(ae) Aprili Viatoris v(otum) s(olvit) - ^
RIB 305
D(eo) M(arti) Nodonti Flavius Blandinus armatura v(otum) s(olvit) l(ibens) m(erito)
RIB 306 Devo Nodenti Silvianus anilum perdedit demediam partem donavit Nodenti inter quibus nomen Seniciani nollis petmittas sanitatem donec perfera(t) usque templum [No-]dentis
RIB 307 Pectillus votum quod promissit deo Nudente M(arti) dedit - ^ 腕に怪我などを負った者が治癒を祈願して捧げたと考えられている。
- ^ ギリー 2014, p. 20.
参考文献
[編集]- 松村一男『神の文化史事典』白水社、2013年。ISBN 4560082650。
- ギリー, シェリダン『イギリス宗教史 前ローマ時代から現代まで』法政大学出版局、2014年。ISBN 978-4-588-37122-6。
- マイヤー, ベルンハルト 著、鶴岡真弓 平島直一郎 訳『ケルト辞典』創元社、2001年。ISBN 4-422-23004-2。