ノナヒドリドレニウム(VII)酸カリウム
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ノナヒドリドレニウム(VII)酸カリウム | |
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potassium nonahydridorhenate(VII) | |
特性 | |
化学式 | K2ReH9 |
モル質量 | 273.473 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ノナヒドリドレニウム(VII)酸カリウム(ノナヒドリドレニウム なな さんカリウム、英: potassium nonahydridorhenate(VII))は、化学式が K2ReH9 と表される無機化合物である。この無色の塩は、ホモレプティックなヒドリド錯体である ReH2−
9 アニオンをもつ点が特徴的である。
レニウム水素化物の研究は1950年代に遡る。この研究には“レニウム化物”アニオン、おそらく Re− の報告が含まれていた。この報告により、A. P. ギンズバーグとその同僚によって、過レニウム酸塩の還元生成物についての一連の調査が行われた[1]。
構造・合成・特性
[編集]ReH2−
9 は九配位錯体の特異な例であり、この高い配位数はヒドリド配位子のサイズの小ささと Re(VII) 中心の高い正電荷に起因する。この構造は四角面三冠三角柱形分子構造と呼ばれる[2]。ナトリウム塩は反磁性を示し、アナログであるテクネチウム化合物と同様に、過レニウム酸ナトリウム NaReO4 のエタノール溶液を金属ナトリウムで処理することで得られる[3]。これはカチオン交換によって、対応するテトラエチルアンモニウム塩 (NEt4)2ReH9 を与える。
出典
[編集]- ^ A. P. Ginsberg, J. M. Miller, J. R. Cavanaugh, and B. P. Dailey (1960), “Evidence for the Existence of a Potassium Rhenium Hydride and its Bearing on the Nature of the (-1)-Oxidation State of Rhenium”, Nature 185 (4712): 528–9, doi:10.1038/185528a0
- ^ Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.
- ^ A. P. Ginsberg, C. R. Sprinkle (1972). “Nonahydridorhenate Salts”. Inorganic Syntheses 13: 219–225. doi:10.1002/9780470132449.ch45.