ノース・サマセット
ノース・サマセット | |
---|---|
英: North Somerset | |
ウェストン=スーパー=メアのタウン・ホール | |
ノース・サマセットはサマセットの一部である | |
国 | イギリス |
構成国 | イングランド |
リージョン | サウス・ウェスト・イングランド |
典礼カウンティ | サマセット |
庁舎所在地 | ウェストン=スーパー=メア |
設立日 | 1996年4月1日 |
政府 | |
• 種別 | 単一自治体 |
• 首長 |
ナイジェル・アシュトン (英: Nigel Ashton) |
• カウンシル | 保守党 |
• 国会議員 (en) |
ジョン・ペンローズ(保守党) リアム・フォックス(保守党) |
面積 | |
• 合計 | 374.68 km2 (144.66 mi2) |
人口 (2014年中盤)(80位 (en) ) | |
• 合計 | 208,154人 |
• 密度 | 560人/km2 (1,400人/mi2) |
等時帯 | UTC+0 (GMT) |
• 夏時間 | UTC+1 (BST) |
ISO 3166コード | GB-NSM |
ウェブサイト | 公式ウェブサイト |
ノース・サマセット
| |
---|---|
サマセットにおけるノース・サマセットの位置 | |
単一自治体 |
|
セレモニアル・カウンティ | |
リージョン | |
構成国 | イングランド |
国 | イギリス |
郵便番号 | BS8, BS20-25, BS41, BS48-49 |
警察 | エイヴォン・アンド・サマセット |
消防 | デヴォン・アンド・サマセット |
救急医療 | サウス・ウェスタン |
欧州議会 | サウス・ウェスト・イングランド |
英国議会 | |
ノース・サマセット(北サマセット、英: North Somerset)は、イングランドの単一自治体である。地区は典礼カウンティであるサマセットに含まれているが、独立した非都市カウンティとしても治められている。庁舎本部はウェストン=スーパー=メアのタウン・ホールに置かれている[注 1]。
ノース・サマセットはブリストル、バース・アンド・ノース・イースト・サマセット、メンディップ、セッジムーアと境界を接する。ノース・サマセットにはウェストン=スーパー=メア選挙区 (en) ・ノース・サマセット選挙区 (en) と2つの国政選挙区が設置されている。
歴史
[編集]1974年4月1日から1996年3月31日まで、この地区はカウンティ・オブ・エイヴォンのウッドスプリング・ディストリクトに含まれていた。「ウッドスプリング」(英: Woodspring)という名前は、ウェストン=スーパー=メアのすぐ北東にある海岸近くにあった、中世の孤立した教会・ウッドスプリング小修道院に因むものである。ウッドスプリング・ディストリクトは、ウェストン=スーパー=メア、クリーヴドンとポーティスヘッドの両都市ディストリクト (en) 、ロング・アシュトン・ルーラル・ディストリクト、そしてアクスブリッジ・ルーラル・ディストリクトの一部から構成されていた。
政府は1996年4月1日に新しい単一自治体を設置し、「ノース・ウェスト・サマセット」(北西サマセット、英: North West Somerset)との名称にすることを提案したが[1]、議会(カウンシル)での投票の結果現在の「ノース・サマセット」との名称が選ばれ、「ノース・ウェスト・サマセット」の名称は広くは使用されなかった。議会で合法的にこの名称が選ばれたか法的疑義が残るとされていたが[2]、2005年に議会は疑義が晴れたと発表している[3]。
政治
[編集]地元議会でもあるノース・サマセット・カウンシルの選挙は4年ごとに行われ、現在では選挙1回毎に61人の評議員 (Councillor) が選出される。1995年に単一自治体として初めての選挙が行われてから、選挙結果は保守党が議会統制を担うか、多数派政党がいないかのどちらかである。直近の選挙では、2007年の選挙 (en) ・2011年の選挙 (en) ・2015年の選挙 (en) 全てで保守党が多数派となっている。以下に2011年・2015年の選挙結果を示す。
政党名 | 評議員数 | ||
---|---|---|---|
2011年[4] | 2015年[5] | ||
保守党 | 42 | 36 | |
無所属 | 7 | 5 | |
自由民主党 | 6 | 4 | |
労働党 | 5 | 3 | |
緑の党 | 1 | 1 |
内包地区
[編集]ノース・サマセットの中での主要地区は、海岸沿いのウェストン=スーパー=メア、ポーティスヘッド、クリーヴドン、そしてベッドタウンのネイルシーである。以下に地区名をABC順に示す。
|
|
観光スポット
[編集]ノース・サマセットの自然環境や浜辺の町は、近隣の町から来る観光客に人気である。有名な自然スポットには次のようなものがある。
- ゴーダーノ谷
- メンディップ・ヒルズ:尾根伝いの道は地区境界になっている
- サンド・ベイ、サンド・ポイントとミドル・ホープ
- ワールベリー・ヒル
- バーリントン・クーム、ゴブリン・クーム、ブロックリー・クーム
- ノース・サマセット・レヴェルズ
またこの地区で有名な宗教的建築としては、キューストークにある聖ポール教会や、ウッドスプリング小修道院が挙げられる。
教区
[編集]以下にノース・サマセット地区の行政教区(英: Civil parish)やタウンの一覧を挙げる。
表内で「ロング・アシュトン」はロング・アシュトン・ルーラル・ディストリクト(英: Long Ashton Rural District)、「アクスブリッジ」はアクスブリッジ・ルーラル・ディストリクト(英: Axbridge Rural District)を示す。出典は表の最下部にまとめて示した。
経済
[編集]ノース・サマセットの経済は古くから農業に支えられており、メンディップ・ヒルズではウール生産用の羊が育てられたり、谷では酪農が行われたりしていた。これらの収穫は年次のノース・サマセット・ショーで祝われる。ジョージ朝以来、浜辺の町はこの地区の経済的に重要な場所であり、中でもウェストン=スーパー=メアは小さな村から巨大なリゾート都市にまで発展した[注 2]。英国にある他の浜辺のリゾート地同様、20世紀中盤から後半にかけては観光業が衰退したが、この地区の経済は安定している。
19世紀には、近くの主要な港湾都市・ブリストルで、現代の新しい船が細い川の流れに合わない問題が持ち上がり、ブリストル港の管理会社は沿岸に新しいドックを建てる場所を探し始めた。最初に用いられたのは南ウェールズからの石炭輸送に用いられていたポーティスヘッド・ドック(英: Portishead Dock)だったが、設備が貧弱で用が足りなかった。より新しいロイヤル・ポートベリー・ドックは大量の自動車輸入に用いられていることで有名である。
以下に示すのはノース・サマセットと隣接するノース・イースト・サマセット、サウス・グロスタシャーの地域的な粗付加価値の動勢である。国家統計局の資料を基に、100万ポンド単位で示した[10]。
年 | 粗付加価値1 | 農業2 | 工業3 | サービス業4 |
---|---|---|---|---|
1995 | 5,916 | 125 | 1,919 | 3,872 |
2000 | 8,788 | 86 | 2,373 | 6,330 |
2003 | 10,854 | 67 | 2,873 | 7,914 |
^1 数値が丸められており、各分野の数値の合計と合わないこともある。
^2 狩猟や林業を含む(第一次産業)
^3 電力事業や建設業を含む(第二次産業)
^4 金融仲介業が間接的に考慮されている(第三次産業)
人口統計
[編集]ノース・サマセットとの比較 | |||||
---|---|---|---|---|---|
2001年の国勢調査 (en) | ノース・サマセット 単一自治体[11] |
サウス・ウェスト・イングランド[12] | イングランド全体[12] | ||
全人口 | 188,564 | 4,928,434 | 49,138,831 | ||
外国出身者 | 9.5% | 9.4% | 9.2% | ||
白人 | 97.1% | 97.7% | 91% | ||
アジア人 | 1.7% | 0.7% | 4.6% | ||
黒人 | 0.9% | 0.4% | 2.3% | ||
キリスト教 | 75.0% | 74.0% | 72% | ||
ムスリム | 0.2% | 0.5% | 3.1% | ||
ヒンドゥー | 0.1% | 0.2% | 1.1% | ||
無宗教 | 16.6% | 16.8% | 15% | ||
75歳以上 | 9.9% | 9.3% | 7.5% | ||
失業者 | 2.1% | 2.6% | 3.3% |
ノース・サマセット地区はおよそ145平方マイル (380 km2)の広さがあり、85,000世帯・19万3,000人が居住している(うちBMEは1.4%)[注 3][14]。
この地区の人口は1950年代から比較して2倍になっており、2011年までには6,184人・3.0%、2026年までには17%の人口増加が見込まれている。地区の45歳以下の人口が占める割合は全国平均よりも下回っているが、この年代層の人口増加率は2034年には全国で最も高いものになると予想されている。反対に、ノース・サマセットの高齢化率(60歳以上の女性と65歳以上の男性の比率)は他のイングランド・ウェールズの高齢化率より4.2%高い。この年代的不均衡は、過去75年間進行し続けて全国平均より30%近く高い値となり、結果としてこの地区は比較的高齢化が進んでいる[15]。
2001年の国政調査では、労働者年代の人口が134,132人、就労者は91,767人で、就労率は68.4%だった。この値は同じ調査でのイングランド西部の就労率(68.8%)と概ね同じ値である[14]。
2001年の国政調査では、地区住民の1.38%が「見た目で明らかな人種グループ」(英: a visible ethnic group、つまり黒人やアジア人など)に属しており、この数字に加えてさらに1.27%が自身を「白人でない」と回答した[16]。
年 | 1801 | 1851 | 1901 | 1911 | 1921 | 1931 | 1941 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
地区の人口 | 16,670 | 33,774 | 60,066 | 68,410 | 75,276 | 82,833 | 91,967 |
年 | 1951 | 1961 | 1971 | 1981 | 1991 | 2001 | 出典 |
地区の人口 | 102,119 | 119,509 | 139,924 | 160,353 | 179,865 | 188,556 | [17] |
教育
[編集]地区には81の学校があり[18]、およそ28,000人の学生に教育を提供している[19]。
ウェストン・カレッジは地区の継続教育[注 4]の主な担い手となっている。この学校では高等教育にも進学できるコースがあり、バース・スパ大学や西イングランド大学とも連携している。
関連項目
[編集]- 地区のグレードI 指定文化財一覧 (Grade I listed buildings in North Somerset)
- 地区の指定文化財一覧 (List of scheduled monuments in North Somerset)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ "Town Hall" には通常「市役所」との訳語が当てられることが多いが、「市」(シティ)ではないため「タウン・ホール」との転記を使う。
- ^ ジョージ朝は、ハノーヴァー朝の祖となったジョージ1世から、3代下ったジョージ4世までの治世期間を指す言葉である。この間4代にわたって王の名前が「ジョージ」であったことからこの名前が付いており、文化的区分にも用いられる。
- ^ "BME" とは、"Black and minority ethnic"(黒人・マイノリティ民族)の略称[13]。白人以外の人種を指す。
- ^ 職業教育に焦点を置くもので、大学進学とは一線を画している。英国やアイルランドで見られる制度。
出典
[編集]- ^ “Article 4 of the Avon (Structural Change) Order 1995 (SI 1995/493)” (28 February 1995). 2016年8月17日閲覧。
- ^ “Report to the Executive” (2005年6月14日). 2012年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月9日閲覧。
- ^ “Minutes of the Extraordinary Meeting of the Council” (2005年6月28日). 2013年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月9日閲覧。
- ^ “England council elections”. BBC News Online 20 August 2011閲覧。
- ^ “ELECTIONS 2015: Conservatives retain control of North Somerset Council” 2016年8月17日閲覧。
- ^ a b c “2011 Census Profile” (Excel). North Somerset Council. 2014年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月4日閲覧。(アーカイブ先はファイル直リンクでダウンロード開始、クリック注意)
- ^ “Axbridge RD”. A vision of Britain Through Time. University of Portsmouth. 2016年8月17日閲覧。
- ^ “Long Ashton RD”. A vision of Britain Through Time. ポーツマス大学. 2014年1月4日閲覧。
- ^ “Clevedon UD”. A vision of Britain Through Time. University of Portsmouth. 2014年1月4日閲覧。
- ^ “Regional Gross Value Added” (PDF). National Statistics. pp. 240–253 (2005年12月21日). 2007年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年6月3日閲覧。
- ^ United Kingdom Census 2001 (2001年). “Key Figures for 2001 Census: Census Area Statistics: Area: North Somerset”. statistics.gov.uk. 2016年8月18日閲覧。
- ^ a b United Kingdom Census 2001 (2001年). “Key Figures for 2001 Census: Census Area Statistics: Area: Bath and North East Somerset”. statistics.gov.uk. 2016年8月18日閲覧。
- ^ 鹿野美穂. “ロンドンオリンピックをターゲットにした都市再生政策を進めるバジルドン市 – 海外事務所だより”. 自治体国際化フォーラム Feb.2011: 24 2016年8月18日閲覧。.
- ^ a b “Local Area Agreement for North Somerset 2007–2010”. North Somerset Partnership. 2011年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年12月30日閲覧。
- ^ “Culture, Leisure and Tourism and Topic Paper” (PDF). North Somerset Core Strategy document. 2012年2月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年12月30日閲覧。
- ^ “North Somerset Council Race Equality Scheme 2007–2010” (Word). North Somerset Council. 2007年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年12月30日閲覧。(アーカイブ先はファイル直リンクでダウンロード開始、クリック注意)
- ^ “North Somerset: Total Population”. A Vision of Britain Through Time. Great Britain Historical GIS Project. 13 December 2007閲覧。
- ^ “Find your local school”. North Somerset Council. 2016年8月18日閲覧。
- ^ “Schools”. North Somerset. 19 December 2008閲覧。
外部リンク
[編集]- North Somerset Council - カウンシルのホームページ