ノート:はちみつ類の表示に関する公正競争規約
告知
[編集]はちみつ類の表示に関する公正競争規約の項目で記載されている内容は、同規約の変更内容を反映しておらず、また、運用に関する記載も2007年当時の新聞報道を基にしたものであって、その後の第三者機関による調査結果、当時の全国はちみつ公正取引協議会の正確な状況、海外の規制との正確な比較が記載されていないために誤った情報を利用者に伝えることになっていますので、以下の情報をお伝えして修正をお願いするものです。
1 公正競争規約の目的を記載した第1条は、消費者庁に移管されたときに変更され「はちみつ類の取引について行う表示に関する事項を定めることにより、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保することを目的とする。」と定められています。
2 公正競争規約の認定官庁は、消費者庁及び公正取引委員会です。また、認定の根拠条文は景品表示法第31条です。
3 はちみつ類の表示に関する公正競争規約及び施行規則が令和元年5月31日に改正され、これまで公正競争規約の対象としてきた「精製はちみつ」や「加糖はちみつ」のほとんどが事業者向けに販売されている状況を踏まえて対象から外し、逆に、新たに「甘露はちみつ」を対象に加えるために組成基準をコーデックスに沿って見直しています。 なお、主な改正内容は次のとおりです。 ①はちみつ類の対象商品の変更(精製はちみつ、加糖はちみつのほか、はちみつにローヤルゼリー等を添加した商品が対象外となり、甘露はちみつを追加) ②有機はちみつの表示基準を追加 ③組成基準の変更(甘露はちみつに対応した基準の追加、国産はちみつの水分含有割合を日本養蜂協会の表示基準に合わせて22%とする) ④食品表示基準の改正の反映(栄養成分表示の義務化、原料原産地表示方法の変更) ⑤ 乳児ボツリヌス症注意表示の義務化及び視認性向上への対応
4 上記3記載のとおり、加糖はちみつ及び精製はちみつは、公正競争規約の規制対象である「はちみつ類」から外れており、食品表示基準に則って、加糖はちみつは「加糖はちみつ」「シロップ&ハニー」等、精製はちみつは「精製はちみつ」「加工はちみつ」等と表示することになります。 なお、はちみつのコーデックスでは、はちみつから臭い、色、花粉を除去した「精製はちみつ」は「filtered honey」の名称で定義され、単なる「honey」の名称を使用することはできませんが、「filtered honey」と「honey」を一部に使った名称は認められておりますし、また、同様に「加糖はちみつ」のように「はちみつ」にシロップを加えた製品についても単なる「honey」の名称を使用することはできませんが、米国政府のガイドラインでは、「syrup&honey」、「honey&syrup」と「honey」を一部に使った名称を認めています。
・はちみつのコーデックス http://ihc-platform.net/codex2001.pdf ・米国政府のガイドライン「Proper Labeling of Honey and Honey Products: Guidance for Industry 2018」https://www.fda.gov/media/110846/download
5 公正競争規約では、「生産国」ではなく「採蜜国」という表現を用いています。 <公正競争規約第4条第1項第4号> 「 採蜜源の花名 採蜜源の花名を表示する場合には、当該はちみつの全て又は大部分を当該花から採蜜し、その花の特徴を有するものであって、かつ、採蜜国名を表示しなければならない。」
6 「『公正マーク』のつけられた商品に規約違反が発覚した場合」に「使用許可を取り消すこともしなかった」とのことですが、当時は、はちみつに異性化液糖を混入したとの疑いがあった事案について2007年8月28日に公表した「平成18年度定期検査において異性化液糖の混入等が疑われた13社に対する追加調査報告について」に記載されているとおり、TLC法検査の結果が陽性であった理由をおそらく給餌によるものと判断し、軽微な違反であると「注意」の措置を取っていたことから、公正マークの交付承認を取り消すことはしなかったのです。結果的に公正競争規約違反で「警告」を受けた会員が1社おりましたが、同社は直ちに退会しましたので、公取マークの使用承認を取り消す必要はなかったものです。 また、TLC法検査の結果が陽性であった会員の社名は理事会に報告しており、違反した会員名を事務局だけが把握していたのではありません。
【参考】2007年8月28日に公表した「平成18年度定期検査において異性化液糖の混入等が疑われた13社に対する追加調査報告について」<抜粋> 「第2 2 追加調査結果の総合評価等 (1)総合評価 平成18年度の定期検査において異性化液糖の使用が疑われた13社について追加調査した結果、13社のはちみつ製品のいずれについても、自ら異性化液糖をはちみつ製品に混入した事実は認められなかった。しかしながら、炭素安定同位体比法による検査の結果、異性化液糖の混入が認められたものが1検体あった。 13社のうち12社のはちみつ製品については、炭素安定同位体比法の検査において異性化液糖の混入を示す結果は得られなかった。これら12社のはちみつ製品については、TLC法の検査において陽性反応を示した理由は、ミツバチへの越冬時に必要な餌として使用された異性化液糖の残留分の反応か、あるいはアカシア等特定の蜜源由来成分に反応したものと認められる。 13社のうち1社のはちみつ製品については、自ら異性化液糖を混入した事実は認められなかったが、原材料としたはちみつは輸入品であったことから、今回の追加調査においては、現地での給餌状況、製造設備等を直接確認することはできなかった。しかしながら、輸入前に仕入先から提出を受けた品質検査の結果と輸入後の製品について行った品質検査の結果を再確認したところ、両者には水分に関する基準値に大きな差異が認められる等、製品の同一性は認められず、当該会員の輸入後の品質検査が十分にできなかった事実が判明した。以上のことから、炭素安定同位体比法検査の結果と併せて判断すると、輸入前に検査した製品と異なる製品が輸入され、結果的に異性化液糖が混入したはちみつ製品を販売してしまったものと認められる。
Ⅲ 公正競争規約の適正かつ厳正な運用のための改善策(再発防止策) 第1 今回の問題の所在 はちみつ協議会は、毎年実施する、会員のはちみつ製品についての定期検査において、はちみつ製品に異性化液糖が混入されている疑いが認められる結果が得られたにもかかわらず、その事実確認のための十分な調査を行わないままにしてきた。このような事態を招いた背景としては、TLC法検査が定性検査であってミツバチの越冬時に餌として使用される異性化液糖の僅かな残留でも陽性反応を示す事実が会員間において広く知られていたこと、導入初期のTLC法検査の検査方法が確立されたものではなかったこと等の事情から、会員間においてTLC法検査における陽性反応の結果について重く受け止められていなかったために、TLC法検査の結果が陽性であった理由について、おそらくは給餌によるものと安易に判断し、公正競争規約に規定された事情聴取、実況見分など必要な追加調査を実施するまでには至らなかったものとみられる。」
※上記追加調査については、新聞各社が平成19年8月28日の夕刊記事に掲載 しています。 【朝日新聞 平成19年8月28日夕刊記事】 「人工甘味の成分『蜂のエサ残留』 はちみつ公取協議会 「全国はちみつ公正取引協議会」(東京都中央区)に加盟する13社が販売していた「純粋はちみつ」から、人工甘味料の成分が検出された問題で、再検査と追加調査をしていた同協議会は、28日、調査結果をまとめ、公表した。大半は「ハチのエサに含まれていたものであった」と断定し、会員業者がはちみつの中に後から甘味料を加えた事実は「認められなかった」としている。 同協議会は、06年度に実施した定期検査で、加盟13社の製品からでんぷんや人工甘味料など、はちみつとは違う「異性化液糖」を検出したが、再調査や公正取引委員会への報告を怠っていたことが今年5月に判明。同協議会が再検査していた。 その結果、13社中12社の混入原因は「ハチのエサとして使われた糖が残り、検出された」と説明。残る1社は中国から原料を輸入していたこともあり「原因を特定できなかった」としている。その上で「自ら混入したものではないが、はちみつの定義に合致しないものを『はちみつ』として販売した」として、加盟業者に警告をした。同協議会は、「消費者に蜂蜜への大きな疑惑を与えた」と謝罪した。--全国はちみつ公正取引協議会(会話) 2021年7月21日 (水) 08:11 (UTC)