ノート:ケルト諸語圏
Googleで「ケルト国」を検索しても用例がほとんど見当たらない上(投稿時点で58件)、「Celtic nations」の「nation」は「国」とも「民族」とも取れる微妙なニュアンスの単語であり、6つ紹介されている「ケルト国」のうち実際に「国」である例を多く見積もっても半分程度に思えるのですが、「Celtic nations」の訳を「ケルト国」とするのには何か有力な根拠があるのでしょうか? --180.47.243.58 2013年6月18日 (火) 13:11 (UTC)
改名提案
[編集]悩みましたが、「ケルト諸語圏」として改名提案をいたします。 まず、過去の指摘にもあるようにケルト国という訳語は基本的に存在しないと考えていいと思います。今やGoogle検索では4100件もの結果が出ますが、ほぼすべてWikipediaのこの項目を出典としており、まったく参考になりません(正直言えばこれはWikipediaが根拠ない知識を広めた極めて有害な結果だと思います)。まずもってそのような国家は存在しないし、スコットランドはまだしもブルターニュなどは国ですらなく、まったく概念を表していない独自の訳語です。
では、Celtic nationsはどう翻訳すべきでしょうか。まず調べなければならないのは慣用ですが、ここにも問題があります。 まず一般的には、古代ケルト人であろうとケルト諸語であろうと現代の“ケルト音楽”であろうとすべて「ケルト」の範疇に入ってしまいますから、一般的慣用から帰納すること時自体に無理があります。 さらに、専門的慣用についても、ケルトという概念はさまざまな経緯を経て錯綜しており、6つの地域をまとめて捉えるceltic nationsという概念自体の定義がかなり足元の怪しいもので、何らかの注釈なしに使える専門用語として用いられていません。この枠組そのものを批判するのでない限り、普通は、いずれかの国について記述し、あえてこの枠組を利用する意味はないからです。したがって、既存の文献から専門的慣用を抽出することも難しいです(実際Google Scholarでも類する用語を見つけることは1~2例を除きできませんでした)。
おそらく最初の翻訳をされた方も、こういった壁にぶつかって独自の訳語を作るほかなかったのだと推察します。(個人的にはそれならケルティック・ネイションとかのほうが良かった気がしますが)
では、専門家による使用例がまったくないかというとそうではなく、ちょうどこのCeltic nations全体を対象とする学会があります。日本ケルト学会です。日本ケルト学会は自らの研究対象をどのように定義しているのかというと、「日本ケルト学会は、ケルト諸語圏であるアイルランド、スコットランド、ウェールズ、マン島、コンウォール、ブルターニュの言語学、文学、文化、文献学、美術、音楽、社会学、歴史学、考古学、人類学、民俗学、政治学などに関わる研究者・愛好家の団体として、学術研究、日本における紹介や日本文化との比較研究を推進しています。」(http://celticstudiesjapan.org/ )とあります。ここで登場するのが「ケルト諸語圏」という用語です。結局、この項の本文で挙げられている通り、6つの地域をかろうじてつなぐものは、ケルト諸語という同じ祖語をもつ諸言語をかつて話していたという歴史的記憶と、それを元にした「みな古代ケルト人の共通の子孫」という幻想を生んだケルト主義の思想があるだけで、後者は学術的な影響力を持たない以上、言語から定義するほかないというわけです。
以上、
- 現在の「ケルト国」は内容に対して不適切で、根拠もない
- しかし、慣用となった訳語は存在せず、依拠できない
- 唯一、同様の概念を指すものとして、学会が「ケルト諸語圏」という用語を用いている
という理由により、直訳は諦めて「ケルト諸語圏」への改名を提案する次第です。
賛否およびご意見賜われましたら幸いです。--aoyajiro(会話) 2018年9月6日 (木) 04:12 (UTC)
- 参考までに、中文版では「凱爾特地區」、すなわちケルト地区となっています。非西洋でnationを意を尽くして適切に翻訳することは難しいと考えられ、やはり直訳でなく、対象の意味から再定義する必要があると思います。--aoyajiro(会話) 2018年9月6日 (木) 07:22 (UTC)
- 完了改名しました。また合わせて、本文の置換、不自然だった訳語やスタイルの不統一の修正などを行いました。まだ不十分なところもあるためお気づきになられた方は修正をお願いします。--aoyajiro(会話) 2018年9月13日 (木) 12:59 (UTC)