ノート:バークリーメソッド
私の目には、かなりの項目に間違いや問題があるように感じますので、以下に異議を提起したいです。
- バークリーメソッド(Berklee Method)とは、アメリカのバークリー音楽大学で教えられている音楽理論である
- バークリー自身がバークリーメソッドを名乗ったことはない……教科書などでBerklee Methodとかかれていることはないと思われます。主に日本での俗称でしょう。英語版Wikipediaにも記載がありませんしね。
- 本来は即興演奏のための理論だったが、その後作曲や楽曲分析でも同じ用語が使用されるようになり、本格的にポピュラー音楽を学ぶ上で、バークリーメソッドを避けて通ることは難しくなっている。
- ある時期のバークリー・メソッドが即興演奏を主眼としていたことは事実でしょうが、演奏上の即興で行われるリハーモナイズが作曲と関係ないとは言い難いため、不適切に感じます。
- 音楽理論には、主に作曲や楽曲分析のための理論が多い中で、バークリーメソッドは主に演奏家のための理論として考え出された理論である。
- 卵が先か、鶏が先かという話ですが……ジャズメンがバークリーを学んで即興したわけではなく、ジャズメンの即興を理論化するためにバークリーが生み出されたと考えるのが適切でしょう。また、初期には音楽一般の教養を教えていたという説もあります(ビーバップ以前からありますしね)。初期にどのようなことを教えていたかはかなり不明確ですし、ちゃんとした研究文献を見たことがありません。
- 音楽を体系的に記述したものとは程遠い即物的な内容になっている感が否めず
- 即物的なことを否とするかのような記述ですが、即物的なのがバークリーの良さではないでしょうか。かんたんに学べて、すぐ応用できる即物性!商業ベースの音楽で重要な位置を占めることができたのは、即物的故です。
- またこの理論に従って演奏すると誰が演奏しても同じようなものになってしまう傾向にあり、
- ……本当にそう思います?ビル・エヴァンスとレッド・ガーランドが同じに聞こえます?客観的ではないと思います。念のため、ビル・エヴァンスがモードと思っている人が意外に多いのですが、彼はほとんどバークリーメソッドの中で演奏しています。採譜した楽譜を購入して研究されると良いでしょう。
- ある時間に対して、コード(和音)とスケール(音階)を組にして対応させる、というアヴェイラブル・ノート・スケールの概念が基本である。
- アヴェイラブルはバークリーの基本概念ではないでしょう。蔑称としてバークリーだろと言うときは、アヴェイラブルですが……基本というか理論的支柱はドミナントモーションです。バークリーはドミナントモーションを基調として理論を構築したものです。バークリーでは非ドミナントモーションの和声進行に関して、ほとんど記述がありません。ついでに、この項目にはコードシンボルについての記述もありませんね。コードシンボルの前身のようなものはクラシックの理論にもありましたが、即興の基盤として用いたのはジャズが初で、理論として体系化したのはバークリーが初ですし、用法もかなり異なります。この点を記述すべきと思います。
コードとアヴェイラブルの説明について、例として挙げられている「C F G7 C」というコード進行ですが、4度進行を基調とした「C Dm7 G7 C」もしくはコードパターンの1番「C A7 Dm7 G7」が良いでしょう。バークリーの基盤である、緊張の解決による楽曲の進行が最も良く現れているからです。そういえば、ドミナントモーションに関する記述もありませんね。
- テンションに関する説明「通常は、スケールの2度、4度、6度、7度であり、それぞれ9th, 11th, 13th, 7thと呼ばれる。」
- これは7度、9度、11度、13度と説明すべきでは? テンションをエクステンションと呼ぶのがバークリーでは一般的ですが、延長(エクステンション)の意味が薄れてしまっています。ちなみに、C6だと7thを6thと同時に鳴らすことは無いでしょう。
- たとえば、C6のコードとC major scaleにおいては、D, Bの音がテンションとされる。
- C6の説明としては正しくても、C major scaleの説明としては不適切です。よく考えると、単にC6と言っても、IV△7だったら#11もテンションです。つまり、
F major keyG major key上のC6です。
- たとえば、C6のコードとC major scaleにおいては、Fの音がアヴォイド・ノートとされる。
- C major scaleの説明としては正しいです。C6の説明としては……うーん、「テンションではない」で十分なような気がしますが、たしかにコードのヴォイシングとしてアヴォイドと言うことがあります。
とにかく、根本的な部分から異論があるため、加筆するにしてもどこから手を付けて良いやら……とりあえず、根本的な部分を整理してからでないと、この項目を正確に書くことは出来ないでしょう。ここまでの執筆者は、ドミナントモーションとコードシンボルについての意義をあまり認めていないか不勉強のようですね。--marienbad 2006年12月1日 (金) 15:11 (UTC)
- 初版執筆者です。私はこの項目に関しては全くの素人なのですが、何も無いのもどうか、と手元の理論書を参考に記事を立てました。根本的に誤認している箇所も多いかと思いますが、大胆に書き換えて頂ければ幸いです。ところで細かい話ですが、F-majorのIV△7はC6ではないのでは?--あいうえお順 2006年12月1日 (金) 15:35 (UTC)
早速の返答、とても嬉しいです。少しぶしつけに書いてしまったかもしれません。上の私の記述ですが、下の2つはたしかにアヴェイラブル・ノート・スケールの記述としては正しいので、取り下げたいと思います。
- F-majorのIV△7はC6ではないのでは?
- まさにその通りです。C6をIV△とするならG-majorですね。
書き換えを了承されたので、まずは根本的な部分を考えてみたいと思います。バークリーは商業音楽を背景として成立したものです。即物性、つまり早さ使いやすさが要請されたため、コードシンボルというものを発達させたのがバークリーの意義の1つと考えます。また、そのコードの進行をドミナントモーションという形で説明したのもバークリーの重要な点です。これらを支柱にバークリーメソッドを再構成したいと思います。他の方もご意見を聞かせていただければと思います。ちなみに、歴史的な経緯に関しては私も詳しくなく、ろくな研究もなされていないのが現状のようです。--marienbad 2006年12月1日 (金) 16:14 (UTC)