ノート:ヒメオオクワガタ/下書き
ヒメオオクワガタ
[編集]ヒメオオクワガタ | |||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||
Dorcus montivagus
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ヒメオオクワガタの幼虫 | |||||||||||||||||||||||||
ヒメオオクワガタ都道府県別生息分布図 | |||||||||||||||||||||||||
(画像:鍬匠甲冑屋[1]氏より掲載使用承認済み) |
ヒメオオクワガタは日本全域(千葉県/沖縄県を除く)に生息している高山系のクワガタムシです。主に標高1000m~1600mの高さの高山のブナ林帯に生息しており、北海道の札幌周辺から日高地方の北部付近までを北限として北日本地方を中心に中部・北陸地方までに生息数が多い、関西地方、中国地方、四国4県、九州地方まで生息はしているが、局地的な分布となり生息数は少ない。九州に生息しているヒメオオクワガタはキュウシュウヒメオオクワガタとして別に亜種となっている。 ヒメオオクワガタの南限は熊本県南部とされているが、鹿児島県北部まで生息の可能性が高い。
特徴
[編集]ヒメオオクワガタムシ Dorcus Montivagus montivagus(Lewis)
★体長:オス25~58mm メス26~42mm
★体色:オス、メスともに黒色(弱光沢)
★特徴:体の表面には弱い光沢がある。
★寿命:成虫は1~2年。
★分布:北海道・本州・四国。
キュウシュウヒメオオクワガタムシDorcus Montivagus adachii(Fujita et Ichikawa)
★体長:オス32~52mm メス28~38mm
★体色:オス、メスともに黒色(艶消し)
★特徴:頭部・前胸・上翅が短く、幅が広い。光沢を欠き艶消し状。
★分布:九州。
生態
[編集]★成虫は、6月上旬から現れ、10月上旬まで見ることができる。ブナ林帯のヤナギ類(ヤマネコヤナギ・バッコウヤナギなど)とダケカンバを中心にしたカンバ類(シラカバなど)、またハンノキ、タラノキ、コシアブラ、ハリギリ、ハルニレなどに居ることが多い。確認されている木としては他にヤマザクラ、カツラなどでも確認されており、草花ではクマイチゴ、ハンゴウソウなどに付いているのも確認されている。 6月上旬から7月中旬頃まではオスの個体の方が多く確認され、オスに対してメスの数が少ない。またこの時期においては越冬したと思われる越冬個体が多く、艶消しの体色のクワガタムシであるが、新成虫の個体の艶消しの体色と異なり艶が殆ど無くなっていたり、大アゴの先が欠けていたり、手足の先端の附節などが無くなっている個体も多く見かける。またこの6月上旬から7月中旬まではヤマネコヤナギなどの発育が遅れるせいと思われるが、ヤナギ類よりもカンバ類などに居ることが多いのも生態的な特徴だと言える。 7月下旬から8月中旬まではオス、メスとも少しずつ数は増えるが、もっとも多く発生するのは8月下旬から9月中旬までが本種の発生のピーク時期となる。その後、次第に数は減り、それでも10月上旬まで発見することができる。
標高の高い高山帯に生息しているので、他に木々を傷つけて樹液を出す昆虫が少ない為、自らヤナギ類やカンバ類の若木に大アゴで齧り、傷をつけてそこから染み出した樹液を吸うのも本種の生態的特徴である。 俗に言うヤナギ類・カンバ類の齧り傷の跡を見ることにより、新しい傷か古い傷かで生体が居るのか確認することもできる。 また音や振動などに非常に敏感であり、少しでも木々を揺らすと自ら木々に掴まっている足を離して落下して身を守ることが多い。これは鳥などの天敵に対しても落下し、下草の中に隠れることで身を守る行動と思われる。昼行性の本種の特徴の一つとも思える。
筆者は埼玉県において10月上旬に本種をヤナギの木において発見したが、その時の外気温は8度であり、本種の耐寒能力の凄さを感じた。
★幼虫はブナを主体に、ミズナラ、オニグルミ、イタヤカエデなどの立ち枯れや倒木に生息している。厳冬期においては体内のフンなどの残留物を出して体液を不凍液のような感じにして、マイナス気温の中でも生息できる。立ち枯れや倒木も芯の近くや根の中に坑道を掘り、硬い部分に居る。これは硬い部分の方が水分は含むものの、水死することが少ないので、硬い部分にて生活している。 飼育下においての羽化時期はオスで6月中旬から7月下旬が多く、メスは約1ケ月早い5月上旬から6月中旬である。自然界においてもほぼ同じ時期となる。
生息分布と都道府県版レッドリスト
[編集]国際自然保護連合(IUCN)版レッドリストに準拠した形で作られた環境省版レッドリストにはヒメオオクワガタは指定外(全国的には普通種)であるが、47都道府県において生息記録の無い千葉県と沖縄県を除く45都道府県において調べると下記の都道府県にあるレッドリスト(レッドデータブック)によって指定を受けている。また生息確認がなされていない、情報が無い県でレッドリストの対象にもなっていない都道府県も多い。
★京都府レッドデータブックにおいては絶滅寸前種指定
★愛知県・群馬県レッドデータブックにおいては絶滅危惧1B類指定
★富山県レッドデータブックにおいては危急種指定
★長野県・大阪府・高知県・宮崎県レッドデータブックにおいては準絶滅危惧NT指定
★兵庫県レッドデータブックにおいては準絶滅危惧指定(県Cランク)
★滋賀県レッドデータブックにおいては要注目種指定
★島根県レッドデータブックにおいては要注意種指定
★静岡県レッドデータブックにおいては環境指標種指定
★三重県レッドデータブックにおいては絶滅危惧種2種指定