ノート:マディソン (ウィスコンシン州)/Old
マディソン Madison | ||
---|---|---|
モノーナ湖から見たマディソン市 | ||
| ||
愛称: Mad Town, Mad City | ||
ウィスコンシン州内の位置 | ||
北緯43度4分0秒 西経89度24分0秒 / 北緯43.06667度 西経89.40000度 | ||
国 | アメリカ合衆国 | |
州 | ウィスコンシン州 | |
郡 | デーン郡 | |
政府 | ||
• 市長 | デイヴ・チェシレヴィチ | |
面積 | ||
• 都市 | 84.7 mi2 (219.4 km2) | |
• 陸地 | 67.3 mi2 (174.3 km2) | |
• 水域 | 16.0 mi2 (41.4 km2) | |
人口 (2007年推計、都市部 - 2000年) | ||
• 都市 | 228,775人 | |
• 密度 | 3,030人/mi2 (1,169.8人/km2) | |
• 都市部 | 329,533人 | |
• 都市圏 | 543,022人 | |
等時帯 | UTC−6 (中部標準時) | |
• 夏時間 | UTC−5 (中部夏時間) | |
市外局番 | 608 | |
ウェブサイト | www.cityofmadison.com |
マディソン(英: Madison)は、アメリカ合衆国ウィスコンシン州の州都でデーン郡の郡庁所在地。マジソンとも表記される。湖の間に造られた美しい街として国内では有名であり、極めて優れた都市計画のもとに作られている。2000年国勢調査時の人口は20万8054人で、ウィスコンシン州内で2番目に多い都市である。周辺を合わせた人口は約40万人。ウィスコンシン大学が置かれている。愛称は Mad City。
マディソン市はミルウォーキーの西124km(77マイル)、シカゴから北西に237km(148マイル)にある。シカゴからは飛行機で1時間、自動車で3時間弱である。
歴史
[編集]マディソンの語源はアメリカ合衆国の第4代大統領の名前から来ている。1836年にメンドータ湖、モノナ湖、ケゴンサ湖、ワウベサ湖の4つの湖に囲まれた4km² の土地を連邦判事、ジェイムズ・ダーン・ドーティが購入したことから始まった。この土地は「ザー・フォー・レイクス・リージョン」(4つの湖の土地)として知られるようになった。この年の始めにウィスコンシン準州が作られ、11月28日にはマディソンがその首都と定められた。理由は、東部にあるミルウォーキーと西部にあるプレーリー・ドゥ・シーンの中間にあり、また南西部の人口の多い鉛鉱山地域と北東部の最古の都市グリーンベイの中間にあったからである。この年に亡くなったばかりの建国の父の一人ジェームズ・マディスンより名前を取り、通りに全てのアメリカ合衆国建国の父たち(ファウンディング・ファーザーズ)の名前をつけた。
マディソンの建設は1837年に始まり、最初の議会は1838年に開かれた。1846年に人口626人の村として編入された。ウィスコンシンが州に昇格した1848年にもそのまま州都となり、ウィスコンシン大学の本拠地となった。鉄道は1854年に通り、1856年には人口6863人の市となった。
アメリカ南北戦争の期間中、マディソンは北軍ウィスコンシン (the Union Army in Wisconsin) の中心だった。キャンプランドールが作られ、訓練や病院や、南軍アメリカ連合国軍の捕虜収容所として使われた。戦後は大学グラウンドとなり1917年にCamp Randall Stadiumが作られた。
20世紀中マディソンは人口増を続け、現在はウィスコンシン州第2の都市である。美しく快適な街として全米で有名となった。そして急速で着実な成長を続けている。
地理
[編集]アメリカ合衆国統計局によると、この都市は総面積219.3 km² (84.7 mi²) である。このうち177.9 km² (68.7 mi²) が陸地で41.5 km² (16.0 mi²) が水地域である。総面積の18.91%が水地域となっている。
気象
[編集]夏は過ごしやすく紅葉の季節はとても美しい。冬は寒く1月は普通、日中-10℃、夜間の最低気温は-20℃ほどである。寒い年は-30℃以下となることもある。夏は7月に最高気温30℃以上となる日も10日ほどあるのが普通だが、8月後半以降は最高気温30℃以下の日が多い。11月から3月までは冬であり寒い。
人口動静
[編集]2000年現在の国勢調査[1]で、この都市は人口208,054人、89,019世帯、及び42,462家族が暮らしている。人口密度は1,169.8/km² (3,029.7/mi²) である。519.5/km² (1,345.4/mi²) の平均的な密度に92,394軒の住宅が建っている。この都市の人種的な構成は白人83.96%、アフリカン・アメリカン5.84%、ネイティブ・アメリカン0.36%、アジア5.80%、太平洋諸島系0.04%、その他の人種1.67%、及び混血2.32%である。ここの人口の4.09%はヒスパニックまたはラテン系である。2003年現在のマディソン市大都市圏はウィスコンシン州内で2番目に大きな居住者数526,742人である。マディソン市内のすべての大学を加えた、人口は260,000人を上回る。
この都市内の住民は17.9%が18歳未満の未成年、18歳以上24歳以下が21.4%、25歳以上44歳以下が32.2%、45歳以上64歳以下が19.3%、及び65歳以上が9.2%にわたっている。中央値年齢は31歳である。女性100人ごとに対して男性は96.6人である。18歳以上の女性100人ごとに対して男性は95.0人である。
この都市の世帯ごとの平均的な収入は41,941 USドルであり、家族ごとの平均的な収入は59,840 USドルである。男性は36,718 USドルに対して女性は30,551 USドルの平均的な収入がある。この都市の一人当たりの収入 (per capita income) は23,498 USドルである。人口の15.0%及び家族の5.8% は貧困線以下である。全人口のうち18歳未満の11.4%及び65歳以上の4.5%は貧困線以下の生活を送っている。
経済
[編集]主な産業は、州政府と大学、大学関連企業である。
文化
[編集]治安は比較的よい都市であり、中心部も人口が多く空洞化現象は少ない。緑が多く快適で暮らしやすい都市として知られ、シカゴ等の大都市へも比較的近いこともあり、人口増が続いている。州政府ドームビル (ステートキャピタル) と大学の間を東西に結ぶ、1.5キロほどのステートストリートという歩行者中心の美しい商店街が街の中心である。ここには多くのレストランやカフェや店があり、夏はテラス席も多く快適である。バスとタクシー以外には、警察車両、配達車両、自転車のみが通行可能であり、静かな環境で食事を楽しむことができる。
最近は郊外の新興住宅地が増えている。市の南部などに低所得者の住宅地でやや治安が悪い場所もある。歩行者中心の市街地が成功している例は、米国内ではめずらしく、その優れた都市計画は注目すべき点が多くニューアーバニズムの好例として取り上げられることもある。歩行者中心の商店街の道と車道は明確に分けられており駐車場も適切に配置されているが、中心部に人の流れがあり治安が良いことが、人口が増えている理由であろう。ドイツ文化のためビールが人気があり、街には学生向けの店やバーも多い。大学周辺など学生が多く住む地区は、夜中まで学生のパーティーで騒がしいこともある。
マディソンの周囲は大きな農場が多く街は少ない。そのため周囲の人々は、買い物の際はマディソンに来る。市中心部は立体駐車場が整備されており、市の郊外には、広大な駐車場を備えた大規模ショッピングモールが東と西に2つある他、各種の店があり、高級デパートから安価な量販店までそろっている。自動車もほぼ全メーカーの販売店がある。各国料理のレストランも多い。アジア系の店も多く日本食品等の入手も不便はないが、日本語の本や雑誌の購入には、シカゴのミツワまで行く必要がある。冬以外は、土曜はキャピタル周辺でファーマーズマーケットが開かれ人気がある。キャピタル周辺での野外音楽会や、各種フェスティバルも多い。
リトル・バークレーとも呼ばれる学術都市である。その産業構成のため高学歴住民が多く、そのためもあり左翼的、進歩的な街である。したがって人種差別は少ないため少数民族も暮らしやすい。もともとウィスコンシン州はドイツ系住民が多いため、メンタリティーが日本人に似ている部分があるともいわれる。第二次大戦中、ドイツ系の兵士はドイツ戦線でなく日本戦線へ送られることが多かったため、同州出身の元兵士は日本体験を持つ人もいる。マディソンに住み着いた日系人もいる。日本びいきな雰囲気を感じることもある街である。
ウィスコンシン大学マジソン校の大学院にはアフリカ系(黒人)、ラテン系やアジア系など少数民族も多い。しかし工場は少なく寒いこともあり、街に住むアフリカ系は比較的少ない。アジア系の中でも、とくに中国人や韓国人が多い。日本人は寒さを好まないこともあり多くはないが街に約400人いる。
1996年のMoney magazine誌では、マディソン市は全米住みやすい街(the best place to live in the United States)ランキングの第一位となった。これは低失業率が主な理由だったが、最近では、街の人口増や経済成長とともに貧困者が増え、治安が悪化したため2006年にはランク50位以下となり、市民の大きな話題となっている。ステートストリートからさらに東に、キャピタルスクェアを超えて続くのがキングストリートである。ここは最近、学生が少なくより高級な地域として、増え続ける若いホワイトカラーや高度技術者向けに開発され高級レストランやカフェが多い。しかしナイトクラブもあり、深夜は酔った人が(発砲を含む)けんか騒ぎを起こしたことがあり注意が必要である。ただし依然として治安はよい街であり、深夜のキングストリートなど一部を除きあまり問題はない。だが深夜の自転車や徒歩移動は慎むべきである。ステートストリート付近でも夜に人が襲われ金品を奪われる事件が何度か起きたため警察がパトロールを強化した。
サマータイム期の土曜朝は、デーン郡のファーマーズマーケットがキャピタル広場で開かれる。また水曜夕方は同じ場所で、オーケストラ(the Wisconsin Chamber Orchestra )が無料コンサートを開き、多くの市民がピクニックとともに楽しむ。各種のFectivalもあり、これらの行事は市民の自慢であり、人間的で快適な生活を支える要素である。
社会基盤
[編集]教育
[編集]公立の小、中、高校が比較的よく整備され、公教育の質が良い。
マディソン市はウィスコンシン大学マディソン校、同じくEdgewood College、Madison Area Technical College、及び Herzing College の本拠地となっている。
ウィスコンシン大学マディソン校は50,000人近くの学生達が登録し、大多数の学問を提供している。これはアメリカ合衆国内で最大の州立大学の1つである。マディソン校は大学院が充実しており研究水準は高い。生命化学は全米でも有名である。大学院ランキングブックでは、各分野で10位以内に入るものも多い。社会学は全米1位である。各種の理科系や、日本語教育専攻も有名であり全米でトップ3以内に入る。この専攻で修士号をとった人は米国の一流大学の日本語教育講師となっている。大学の日本人会MJAがよく整備されている。大学内の日本人は約200人。
大学の学部生は、州内の白人学生が大半である。大学院は留学生も多く、白人の他、アフリカ系(黒人)、ラテン系やアジア系、とくに中国人や韓国人が多い。韓国や台湾、タイ等では、ウィスコンシン大学は極めて高く評価されており、帰国後に活躍し、大臣や教授になる留学生も多いという。日本での知名度が低いのが難点ではある。街は治安がよく快適であり、人種差別もほとんどなく、寒さを除けば日本人が留学するには最適な街と言ってよい。
交通機関
[編集]航空便は、1日平均100商業便以上・年160万人近くの旅客を扱っているDane County Regional Airport (マディソン空港・MSN) によってサービスされている。シカゴ、ミネアポリスの他、デトロイト、デンバー、ミルウォーキー、シンシナティー、メンフィス、ダラス、セントルイス等への直行便がある。日本からの直航便がないため、成田国際空港などからシカゴ/オヘア・デトロイト・ミネアポリスなどの各国際空港で乗り継ぎとなる。シカゴ/オヘア国際空港から飛行機で約1時間で到着する。
ミルウォーキー及びシカゴやミネアポリスからのアムトラック鉄道は、マディソンから北へ車で30分ほどの街コロンバスを通っているが、マディソン市内に旅客鉄道はない。Wisconsin and Southern Railroad (WSOR) は1985年に設立され貨物中心だが、試験的に大学フットボールの試合の日に旅客鉄道を走らせることがある。コミューターライトレール鉄道や、シカゴからの高速鉄道の構想はあるが実現していない。実現した際はWSOR の線路上を走るはずである。
シカゴ・アムトラック駅発とオヘア国際空港からロックフォード・ジェーンズビル経由でマディソン行きの都市間バスが出ている。シカゴ・アムトラック駅からは約4時間・5往復/日(アムトラック代替指定線扱い)、オヘア国際空港からは約3時間20分・10往復/日。州間高速道路I-90でウィスコンシン州内に入ると、農業州であることを実感できる。ミルウォーキーからもバスが1日に6往復あり、マディソンまで1時間半である。シカゴ、ミルウォーキー等からの都市間バスはウィスコンシン州立大学のメモリアルユニオン前(800 Langdon Street, Madison)に発着する。州庁舎(キャピタル・スクエア)まではステートストリート State Street 経由で徒歩圏。その他に市中心部の南にグレイハウンドバスの発着場(Depot)がある。
自動車ではシカゴ市内から3時間弱かかる。
Metro Transit System は市内バス路線の運行を行っている。米国の地方都市にはめずらしく公共交通機関としてのバスが充実している。格安循環バスがダウンタウン及び大学キャンパスをサービスしている。
姉妹都市
[編集]
|
|
マディソン出身の著名人
[編集]- ジュリアス・アルバート・クルーグ - アメリカ合衆国内務長官
- ジョン・バーディーン - 物理学者
- ソーントン・ワイルダー - 劇作家
- ジーナ・ローランズ - 女優
- アンドレア・アンダーズ - 女優
- クリス・ノース - 俳優
- ロブ・マーシャル - 映画監督・振り付け師
- ジェームズ・ビドグッド - 写真家
- アリス・シーボルド - 作家
- エリック・ハイデン - スピードスケート選手
- ジム・モンゴメリー - 競泳選手
- スティーブ・ストリッカー - プロゴルファー
- キッド・ニコルズ - 野球選手
- マイク・ゴスリング - 野球選手
脚注
[編集]- ^ American FactFinder, United States Census Bureau 2008年1月31日閲覧。
外部リンク
[編集]- MJA:マディソン日本の会
- マディソン視察記 十勝毎日新聞社
- 研究留学生活とマディソン市情報
- マディソン情報
- マジソン情報
- ブログ マディソンから
- 雑誌マネー 住みやすい町ランキング(英語)
- CNNウォーキングに最適な街マディソン(英語)
- City of Madison(英語)
- Greater Madison Convention & Visitors Bureau(英語)
- Madison Airport (Dane County Regional Airport)(英語)
- Madison Metro Bus(英語) マディソン市内線公営バス
- Van Galder Bus Company(英語)Coach USA傘下。シカゴ市内及びオヘア国際空港とマディソンを結ぶ都市間バス
- Badger Coaches(英語) ミルウォーキー・ミッチェル国際空港~ミルウォーキー市内とマディソンを結ぶ都市間バス
- Jefferson Lines(英語) ミネアポリス・セントポール市内(空港経由)とマディソンを結ぶ都市間バス
- Grayhound Bus(英語) 各地。空港を経由しないミネアポリス・セントポールへの便はこちらのほうが多い。