ノート:ヤークート・アル=ハマウィー
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ヤークートの意味
[編集]「ヤークート」( ياقوت Yāqūt)の意味はルビーだとの前嶋の著を引用していますが、ياقوتを見ればわかるように、ルビーかサファイヤかはわからないようです。
じっさい、ヤークート・アル=ハマウィー の『地理学辞典』によればカーフ山が「緑のヤークート」でできているとされているようでして、英訳では"green corundum"となっています。
また、昔は間違いなく宝石を鑑定・認識できていないから、他の宝石のこととも考えうるようです。赤ヤークートは実はトルマリンだとかRustomji, Nerina (2013). The Garden and the Fire: Heaven and Hell in Islamic Culture. Columbia University Press. p. 71、緑ヤークートならば、"green hyancinth"(ヒヤシンス石、ジルコン)との解釈も見られます。--Kiyoweap(会話) 2017年10月20日 (金) 21:49 (UTC)
- 編集意図に同意します。どなたかがコメントアウトにも書いていらっしゃいますが、矢島祐利『アラビア科学史序説』、248-249頁には、「ジルコンの変種の赤橙色の宝石のことで,奴隷にはよく宝石名が与えられた.」と記載されています。『アラビア科学史序説』は1977年の本で、日本では当該学問分野の研究が端緒についたばかり。同書は19世紀~20世紀前半のヨーロッパの先行研究を手際よく紹介する本であって、そのような意味合いもあって「序説」とされています。つまり、相当に研究が古いので、これのみを信用することはできない。一方で、AL-Maany というオンラインのアラビア語=英語辞書によると、単なる「ヤークート」でルビーかコランダム、「東のヤークート」でオリエンタルトパーズ、「青いヤークート」でサファイア、「黄色いヤークート」でトパーズ、ياقوت أكهب でen:Jacinth(ジルコンの変種の赤橙色の宝石)を意味するそうです(almaany - ya'qut )。現代アラビア語の辞書に依拠すると、ヤークートの訳語はルビーでもかまわないように思われますが、しかし、12,13世紀のアラビア語のヤークートが、ルビーまで限定された意味合いを持っていたかどうかまで考慮すると不明な点もあります。漠然と「宝石」程度で止めるのがよさそうと思いました。--ねをなふみそね(会話) 2017年10月23日 (月) 01:11 (UTC)